鯖を食しに若狭湾まで!鯖街道親子ツーリング

こんにちは、温玉ねぎとろです。
今回は50代の父と京都から鯖街道を走りました。

僕の自転車好きはサイクリストであった父からの英才教育?のおかげで、この鯖街道も小学生の頃から何度か一緒に走ったルートの一つです。けっこう走りましたよね、小学生なのに…
今回は久しぶりに親子で鯖を食べに福井県・小浜市の若狭湾まで!

目次

1. 鯖街道とは
2. 鯖街道へのアクセス(京都から)
3. 最古の鯖街道「針畑超え」を行く
4. 春の残雪
5. 海と江戸文化の気配を感じる熊川宿へ
6. 鯖を目がけて

1. 鯖街道とは

日本海に続く若狭湾を有する福井県小浜市から京都へ向かう道に「鯖街道」と呼ばれる街道があります。この街道は古くは平安時代に始まり、江戸時代にかけて発展しました。冷蔵設備のない時代、新鮮な鯖を塩漬けにして、徒歩で約72km(十八里)の道のりを夜通し運んだと伝えられています。

そして鯖街道は単なる物資の輸送路としてだけでなく、若狭と京都の文化交流や経済発展にも重要な役割を果たすことになります。鯖をはじめとする若狭の海産物は、鯖寿司などの京料理の発展を支える存在となりました。

福井県の公式サイトでは7つもの鯖街道サイクリングルートが公開されています。皆さんも行きと帰りで違うルートを走ってみるなど、ぜひ活用してみてください。もちろん、自分でルートを作成するのも楽しいと思いますよ。

福井県小浜市 鯖街道サイクリングマップ
https://www1.city.obama.fukui.jp/kanko-bunka/nihonisan/p005774.html

2. 鯖街道へのアクセス(京都から)

鯖街道の終点。目の前は鴨川デルタで出町柳駅からは橋を渡りも5分もかからない

京都から小浜に向けて鯖街道を走る場合は、京阪電鉄の出町柳駅が最寄りになります。
出町柳駅へは東福寺駅で一度乗り換えて京都駅から20分程度。大阪の淀屋橋駅からは1時間ほどで到着します。
京都の繁華街四条河原町からもそこまで離れてはいないので、鴨川沿いをサイクリングするのも気持ちいいですよ。

3. 最古の鯖街道「針畑超え」を行く

今回は父と走るということもあり、せっかくなので自転車乗りとしても成長した姿を見せようと、あえてハードな針畑越え(はりはたごえ)ルートと一般的な若狭街道ルートをミックスして小浜へ向かいます。

便の本数が一本もない江文峠のバス停

若狭街道ルートは国道ということもあり車両通行量は多いです。ただ、花折峠(はなおれとうげ)を越えてしまえばその後に大きな峠はなく、道沿いにお店も点在しており、長距離に自信のない方にはおすすめです。

180度のU時カーブ。写真以上に傾斜はハード

一方、針畑越えルートでは京都でも有名な峠をいくつも通ります。特に花脊峠(はなせとうげ)は傾斜のきつい坂が続きます。大学生時代は京都に住んでいたのでたまに花脊峠を上っていましたが、上るだけでもう満足です。おかわりはいりません!

そんな坂が続くかなりハードなルート。昔の人たちはこんな山々を越えて日本海を往復したのかと思わず唸ります。

余談ですが、Global Rideが注目している日本のライドイベント「The Japanese Odyssey」の今年のテーマは「峠」。京都周辺はチェックポイントに設けられていませんがフランス人のイベント主催者も日本の峠には魅力を感じているのでしょう。

*峠満載の「The Japanese Odyssey2025」ルートはこちらから

ハードな峠は続く。父は離れて見えない

昔は父の大きな背中を必死で追いかけるように、京都から小浜へと走ったことを思い出しました。

峠の頂上から遠くの山を覗く。4月も直前だが、遠くの山に積雪も見えた
かやぶき屋根の集落

4. 春の残雪

京都の北山は豪雪で、冬場はかなり雪が積もります。いくつかの峠を越える途中で、通過する小さな村は山々に囲まれ、どこへ行くにも急な峠道を越えなければならず、冬場は積雪も相まって非常に過酷な環境です。

少し休憩をして、小浜へと向かいます。 大昔には海産物をたくさん積んだ牛馬とともにこの集落で休んだ人もいたのかもしれません。

いつの間にか道路脇に雪が。しっかりと除雪されているため、ロードバイクでも問題はない

京都の北山の最奥部、滋賀県との県境も近くなってきたあたりには道路脇に雪が。
3月も末なのでさすがにないと思っていましたが、この地域の過酷さが伝わってきます。

ここまで針畑越えルートで走行をしてきましたが、この先は「おにゅう峠」という厳しい峠を越えるルートとなるため、若狭街道に合流をします。

5. 海と江戸文化の気配を感じる熊川宿へ

若狭街道の鯖寿司屋さん。小浜に近づくにつれて鯖寿司のお店も増えてきます

若狭街道に合流をすると、ちらほらと鯖のお店見かけます。昔、父と休憩のために立ち寄って鯖寿司を食べた記憶が思い出されます。
お腹が空いてきたぞ!

小休憩。鯖街道の歴史も見学できます

若狭街道を通って福井県に入るとかつての宿場町である熊川宿がお出迎え。道の駅でちょっと休憩して、裏にある宿場町も見学しましょう!

夕方の熊川宿

夕方に着いてしまったので静かな熊川宿。歴史を感じさせる建物がならんでおり、これぞ宿場町、を体感できます。もちろん泊まることもできるので、ここでしっかり回復して朝一番で小浜に向かうのもアリかも。

熊川宿の小浜側の入り口。日本海から来た古の人たちはどれだけ安心したことか、と想像する

6. 鯖を目がけて

熊川宿を過ぎるとあとは緩やかに日本海まで下り坂です。小浜に近づくにつれて、徐々に交通量も増えてきますので、最後まで油断せずご安全に!
お目当ての鯖はもうすぐです!

でかい鯖の顔が目印!見逃してなるものか!

そして、ゴール!
京都から約75キロ。今回は針畑越えを途中まで走ったので約100kmの道のりでした。こちらが鯖街道の起点となるので、小浜からスタートするのもおすすめです。
小浜の中心商店街近くの観光案内所ではレンタサイクルもあるので自転車を借りて走るのも良いかもしれません。

鯖街道の起点

こちらが鯖街道の起点です。
鯖街道ミュージアムの前に設置されているので、出発もしくはゴール時にしっかりと写真を撮りたくなる記念碑。

ということで、鯖街道も走破できたので今回は商店街近くの「お食事処みつや」さんに立ち寄ることに!さすがにおなかもぺこぺこなので、豪華な鯖の定食を頼むことに決めました。

W鯖定食!!!!!

鯖の塩焼きと煮付けを両方食べられる定食です!しっかりと身が締まっていて非常に美味!もちろん大盛りにしてもらった白米と一緒に!!!冷えた身体に味噌汁も染み渡ります。このために頑張りました…

紀伊半島を走った際にも那智勝浦町でマグロを食べましたが、やはり産地で食べる魚はひと味違いますね。採れてすぐなのでうまみが凝縮されている気がします。

ちなみに父と二人で定食だけに飽き足らずそばも注文!大食いなのは昔から変わりません。変わらぬ姿でちょっと安心。
あれから15年ほど経ち、気が付けば四国一周1000kmも3日ほどで走れるようになり、いつの間にか父の前を走っています。 いつか私に子供ができたときには背中を見て走ることもあるのかな。

小浜駅から輪行しました

今回は歴史ある鯖街道を走りました。
体力に余裕のある方は別ルートなどを通りながら往復をすると、さらに京都―滋賀間の山並みや地域文化が楽しめそうです。
京都駅からもアクセスがしやすい鯖街道。ぜひ自転車で鯖を食べに立ち寄ってみてください。

休息をとる父

Text_Negitoro Onatama

参考文献
福井県小浜市公式ウェブサイト
「日本遺産『御食国若狭と鯖街道』について」.
https://www1.city.obama.fukui.jp/kanko-bunka/nihonisan/p005774.html

御食国若さと鯖街道「ストーリー:鯖街道の出発点 小浜、賑わう港町」
https://www1.city.obama.fukui.jp/japan_heritage/story/index.php?id=3

熊川宿公式サイト「熊川宿」
https://kumagawa-juku.com/

若狭おばま観光協会公式ウェブサイト 「若狭おばま観光案内所について」
https://wakasa-obama.jp/info-place/

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Profile

温玉ねぎとろ
大阪府堺市出身。会社員・ライター・ブログ「自転車旅行研究会」管理人。幼少期から自転車に旅の荷物を載せたキャンプツーリングを行っており、国内のほとんどの都道府県を走破。また、大学在学中は自転車サークルに所属しており、ソロで10カ国以上を自転車で来訪。輪行経験豊富。2023年には厳冬期北海道を自転車で縦走するなど、エクストリームなキャンプツーリングを行う。近年はロングライドにも力を入れており、2023年にはブルベでSRを取得。2024年のGWには1900kmのブルベも完走している。今後はPBPやLELの完走を目指しつつ、海外キャンプツーリングも積極的に行っていく予定。