地元ライダー・ノリコが案内する
北海道オホーツクの
流氷ライド&厳寒のアウトドア焼肉

こんにちは!北海道オホーツク地方在住のライダー、ノリコです。
季節は早くも冬となりました。私が住んでいる北見市の内陸部は比較的雪の少ない地域で根雪になるのも遅く、12月でも寒さに耐えながら自転車に乗っている人もごくたまに見かけますが……風を切って走るロードバイクを見ることはありません。しかし!自転車も含めてアクティビティはたくさんあります。雪の大地と冬の味覚を合わせて堪能されたいライダー&ツーリストのみなさまに、この季節のローカルネタをご紹介しましょう。

まずは、雪でもバイクを楽しみたい方へ、ロードバイクをファットバイクにチェンジした「流氷ライド」と「雪上ライド」をご紹介します。

波が寄せる海岸もこの時期にはみっちりと流氷が押し寄せる

二月に入るとオホーツク海沿岸に接岸する流氷。日本で唯一流氷が押し寄せるオホーツク海でそこを走ってしまおうというアクティビティが「流氷ライド」です。温暖化の影響で、近年は氷が薄くなり接岸量も減ったと言われる流氷ですが、世界の最南端流氷エリアとしてオホーツク海沿岸はまだまだ見応えがあります。北見市の海ぎわに位置する常呂(Tokoro)の海岸は広く、なだらかで走りやすく、すぐ間近に流氷を感じることができます。

流氷ライドはスタッフが毎朝に氷の状態を安全確認し、決行するか決める

流氷ライドはガイドが同行するので、初心者の方でも安心。氷といえども雪に覆われていることが多いので、滑る感じはあまりなく、ガシガシ走れます。ロードバイクとは全く違うバイクの楽しみがここにあります。

手前が雪をかぶった流氷、その先は濃紺の冬の海。流氷は、潮の流れや気温などの諸条件により、接岸と離岸を繰り返す。何日間もびっちり滞在することもあれば、昨日見えた流氷群が今朝はない、ということも
冬が訪れると、サイクルステーションにはファットバイクが待機し始める。ヘルメットなど一式レンタルできるので気軽に冬のライドを楽しめます

そして積雪した道路や草原の上を走る「雪上ライド」もこのシーズンの楽しみ。スキーウェアを着るのがポイントです(でないと凍えます)。身体はあっという間にホカホカになるでしょう。

雪が深い地域に走る冬季作業車両により、主な道路は圧雪されるので冬景色を満喫しつつ安心しながら走れます。これも降雪地帯ならではのライドですね!
普段はバイクに乗られない方でも、ガイドつきアクティビティとして楽しめますのでご家族やお友達などの団体旅行にも良さそうです。

*雪上ライド&流氷ライド
HEROES PARK
https://heroespark.info/

また、北見市内にはスキー場もあり、山の規模感としては小さめですが、初心者から上級者まで楽しむことができます。夏はライド、冬はスキーやスノーボードを楽しむ方も多いと伺いました。季節の魅力をスポーツで感じるのは良いですね!


そして冬の風物詩イベント、「北見厳寒の焼肉まつり」はご存知でしょうか?
北海道の焼肉といえばジンギスカンですが、北見では七輪で焼くザ・焼肉です。
この地域特有の焼肉文化があり、マイ七輪や焼き台を使って「屋外焼肉」を行います。その冬版の風物詩が「北見厳寒焼肉まつり」です。

2024年の様子

20年ほど前から2月中旬に開催されているイベントです。大会場に何百もの七輪を並べ、氷点下の屋外で一斉に肉を焼くという……  チケットの入手が困難を極めますが、タレを凍らせながらアツアツの焼肉に舌鼓を打つというこの地域ならではの体験ができます。寒いけれど(寒いから?)美味しいですよ!
*2025年分のチケットは完売しました

北見の焼肉はお肉に味が付いていないものが多く、お店独自のタレや塩コショウで食べる

今回は屋外を遠慮し、「和牛焼肉あべべ」さんにて室内焼肉をいただきました。
赤身のお肉といえば「牛サガリ」、歯ごたえがよく隠れファンも多い「豚サガリ」、脂身がギュッと中に閉じ込められる「丸ホルモン」など、ジューシー&プリップリです。あべべのオリジナル塩ダレで食べる110円キャベツと共にぜひ。


2023年1月1日。初日の出と雲海というミラクルが起きました

最後に、冬のオホーツクにいらっしゃる方への縁起の良いおすすめを。
美幌峠の初日の出と雲海です。津別峠も雲海スポットとして人気がありますが、峠の頂上までの道のりが過酷で除雪がされないため冬季は閉鎖されます。

マイナス2℃以下で起こりやすいと言われる「ホワイトアウト」。雪や雲で突然視界が真っ白に覆われる現象をいう。こちらも気象条件による自然が生み出すミラクルですが、災害にも繋がるので無理はしない行動を心がけます。
知床からの景色

以上、オホーツク海沿岸・北見市エリアの冬の風物詩をお届けしました。流氷が訪れるとますます厳寒となるオホーツク地方ですが、寒さと仲良くしてこの地域ならではの冬を楽しみたいと思います。ぜひ遊びにいらしてください!

Text_Noriko Sugano

Profile

菅野 典子 / Noriko Sugano
生まれも育ちも北海道北見市。実家が農家ということもあり、自宅と学校が離れているため小学校4年生の頃から自転車通学が始まる。小学校往復10k、中学校往復11k、高校はJR通学で最寄りの駅まで往復8km。
同じような生活環境にあった夫と結婚、出産。成長した長男から「ロードバイクに乗りたい」と一言。中学生で!?一人で!?ロードバイク!?様々なたくさんの心配から、用心棒として夫に長男と一緒に走ってもらうことに。無事に念願叶った長男よりも、最初、「自転車はもういいよー」と言っていた夫が「ロードバイクは今まで知っていた自転車じゃない!」と疾走感、爽快感に感激。
近隣のライドをはじめ、車に自転車を積んでドライブしながらドライブ先でのライドや、先にロードバイクで出発した夫を迎えに行きながらのライドなど、家族で自転車生活を楽しんでいる。