ホノルルセンチュリーライド2025
5組のライダーが描くトリップノート #04
5泊7日/人生を変える絶景…ハワイを堪能するなら80kmがおすすめな理由〜3度目のホノルル旅〜

シリーズでお届けするホノルルセンチュリーライド2025参加ライダーさんによるホノルルライドトリップノート。
第四回目はホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)に三度目の参加となる小誌『Global Ride』のコミュニケーションディレクターでありテレビプロデューサーの河瀬大作さん。日本でのライドイベント参加歴も多く、旅にはできるだけ愛車を輪行し、当地を漕いでまわるのが大好物。三度のメシも現地のグルメを堪能し、ローカルの素敵なお店も発見し、HCR本番は、まるでチャリ旅の延長と言わんばかり軽快にハワイを巡ります。

行程
1日目 移動 夜:羽田発
2日目 移動 午前:ホノルル着→Check in前のライド 
観光 ホノルルについたらまずライド
3日目 観光 ジョギング→ワーケーション
4日目 観光 ダウンタウンおしゃれスポット巡り
5日目 観光 自転車でノースショアへ
6日目 本番 ホノルルセンチュリーライド2025参加
7日目 移動 午前:ホノルル発

もともとハワイなんて好きじゃなかったし、なんで何度もリピートするんだろうって本気で思ってましたが、2年前に初めて訪れ、以来毎年訪れることに。つまり、すっかりハマってます笑。ということで、3度目のホノルルをどう楽しんだのか、全てお伝えしちゃおうというライドトリップノートです。

9/23(火)

午前便でホノルル到着。まだホテルのチェックインはできないので、荷物をあずけ、ブロンプトンでサクッとライドへ。フライトの疲れをリセットできるし、ハワイの交通に馴染めるし、何より絶景を初日から堪能。

夜は、自転車で10分ぐらいのASAHI GRILLでテールスープとご飯。元気がでるんですよね。おすすめです。

9/24(水)

少しゆっくり目に起きて、軽くジョギングしたのちに、少し遅めの朝ごはん。ワイキキのインターナショナルマーケットにある、Liliha Bakeryへ。ここのTwo Eggsっていう、目玉焼き定食が最高にうまいんですよ。付け合わせにソーセージやらベーコンやらが選べるんだけど、この日はスパム。醤油と胡椒とタバスコをかけていただく。
 この日は、東京とリモートでいくつかMTG。それも17時には切り上げ、ワイキキの街をぶらぶら。ホノルルの成城石井と勝手に呼んでいる、Wikiki Marketで手作り石鹸などお土産もいくつか買っておく。

9/25(木)

3日目はダウンタウンへ。自転車であれば20分ぐらいなんです。途中で、カニカレーで有名なベトナム料理店・Bac Namへ。カニと野菜がゴロゴロはいったカレーをフランスパンでいただく。スパイスがしっかり効いてて、でも優しい味で、かなりうまいです。

ダウンタウンには、出雲大社ハワイ分院があります。日系人のみなさんが大切に守ってきたんだなぁと思うと感無量。狛犬が可愛かった。

ダウンタウンでおすすめは、Roberta Oaks Hawaii。センスのいい小物やアロハシャツを扱うセレクトショップです。去年、偶然見つけて、ここで買った石鹸がかなり好評だったので、今年もやってきました。西海岸のブランド・graf lanzのバックに一目惚れして、10分悩んで買いました。

9/28(日)

いきなり断言します。

ホノルルセンチュリーライド(以下HCR)は、絶景が堪能できる、世界一のライドイベントです。ダイヤモンドヘッドから見る日の出、地球の躍動感を体感する急峻な山々、そして何より美しい海。どれも人生を変えるほどの迫力のある景色です。

しかし……、イマイチその素晴らしさが皆さんに伝わっていない気がします。それは160キロという、まあまあスパルタンな距離が負担になって、ロードバイクガチ勢以外の参加が難しいと思われているからかもしれません。

でも実はHCRにはもっと短い距離のエントリーもあります。そして自転車はちょっと…という方こそ、この短い距離を走ってもらいたいのです。ぜひ、人生を変えてしまうほどの絶景イリュージョンをもっと多くの人に体験してもらいたいのです。

かくいう私も、3年前の初出場の時には、160kmを走り切るために、それなりの覚悟で、それになりにトレーニングを積み、チャレンジしていたわけです。ロングライドって、ある種の冒険でもあるわけで、それはそれでいいんですが、もうちょっとゆるい楽しみ方もあるんじゃないかと。

そんなわけで今年は、気楽に80kmコースを走ってみました。

そもそもHCRは、スワンジービーチパークまでも折り返しコースで、帰りはほぼ同じ道を帰ることになります。だったら行きだけで十分じゃん、というチートを思いついちゃったわけです。

80kmなら普段自転車に乗っていない人でも、ちょっと頑張れば走れる距離です。気軽に走ろうと思い、今回は服装もTシャツに短パン、靴もビンディングではなくスニーカーにしました。自転車もブロンプトン。ちょっとそこまでポタリング、みたいな格好です。

で、走ってみてどうだったか。

結論からいうと、最高でした。
あえて80kmが、HCRはベストチョイスなのかもしれないって。
今年は絶景ポイントが追加。めくるめく風景に心を奪われながら、お昼前にはスワンジービーチでゴール。ホノルルに戻ってからもたっぷり時間があり、お昼は大好きなダイナーでビーフシチュー、夜はステーキ食べちゃいました。だって自転車で消費カロリーすごいことになっているので、実質カロリーゼロですからね。

というわけで、とことん絶景を堪能した、ホノルルセンチュリーライド2025をご紹介しますね。

夜明け前のワイキキは誰もいなくて昼の喧騒とは別世界
VIPテントには軽食と温かいコーヒー、朝が早いだけにありがたい
しっかり甘くて、おもわずふたつ食べちゃったジャムパン
今回は娘さんと二人乗りのE-bike で走るという絹代さん
Tシャツ・短パン・ブロンプトンにiPhoneとカメラをたすきがけの筆者
今回のバディは、GR編集長にしてブロンプトン乗りの今村さん。
スタートを待つ間にあたりはどんどん明るくなる

午前6時15分。
カピオラニ公園を朝日に向かってライドスタートです。出走直後は、まだ集団がバラけていないので、沢山の自転車のテールランプがユラユラと揺れるなかを走っていきます。このスタート直後の気持ちの昂りは、何度経験してもよいものです。

最初の絶景ポイントは、スタートから5kmぐらいにあるダイヤモンドヘッドのルックアウト。緩やかな坂を上がった先にあり、最初のインスタ映えポイントでもある。時間が許せば、太陽がジリジリと上がってくる景色をじっと眺めてみてほしいです。オレンジ色に染まる空、光を反射して寄せる波、この刻一刻と変化する形式は、まさにプライスレスです。

シャーというハブの音がサラウンドで聞こえる

最初のルックアウト、ダイヤモンドヘッドからは日の出の瞬間が見られる
海から上がってくるハワイの朝日、かなりテンションがあがります

そして前述したように今年は、更なる絶景がコースに追加されました。スタートからおよそ20kmの地点にあるハナウマベイを望む道です。これが本当にすごいんです。道が狭いので、普段は自転車では走れない道なんですが、交通封鎖をすることで走ることが可能になったポイントです。あの絶景コースを走れるから参加したという地元の人たちが何人もいたというほど、魅力的な道なんです。
その絶景ポイントはだらだらと続く坂の向こう側にあります。ふうふうペダルを漕ぎながら登っていった先で、ぱああっと景色が開けます。
その瞬間、あまりの美しさに心臓がトクンってなって、おおおおって声まででたほどだ。
去年まではこの区間は、内陸の市街地を走っていました。正直、序盤としてはやや退屈な区間だったのだが、このハナウマベイが追加されたことにより、ダイヤモンドヘッドからハナウマベイへの絶景コンボが完成。ふきあがるしぶきで白く霞む海、雄大に聳える山に、かなり控えめにいって、心が震える絶景です。

汗だくで上がる今村編集長。たぶんここが一番キツい坂。
朝の時間がハワイは最も美しい
ここで見た景色は長いライド人生のハイライトのひとつだ
あまりの雄大さに自分のちっぽけさを思い知る

この絶景を縫うように坂を下っていくとほどなく、最初のエイドステーション(以下AS)・サンディビーチパークだ。美しいビーチ沿いにあるASなので景色を眺めながら、ゆっくりできます。ドーナツやエナジーバー、バナナやオレンジなどのフルーツがたっぷり用意されています。
80kmを走りきるためには、ASではしっかり休息を取りましょう。ASは、20km、40km、60km、80kmとおよそ20kmごとに設けられています。HCRは9月開催とはいえ、まだまだそれなりに暑いです。自転車を漕ぐのはおもっているよりもカロリーを消費しています。まだまだ先は長いです。しっかりと補給をし、足を休めましょう。

ほとんどのライダーがここで補給をする
サンディビーチパークのシンボルツリー
ドーナツが美味しすぎて、3ついただきました

まだまだ絶景コンボは続きます。サンディビーチパークからまもなくの、スタートから25kmの地点にあるのは、ラビットアイランドを望むマカプウ岬のルックアウト。ここに辿り着くころには太陽も高くなり、海の青さが深みをましていきます。ハワイの雄大な自然は、さまざまな表情を見せるからか、飽きることがないです。
また切り立った山々は、緑が深く、またいつも雲に巻かれていて、キングコングが住んでいるような雰囲気です。これだけ豊かな自然のなかを駆け抜けることができるのは、ハワイだからこそです。

あまりウサギっぽくないラビットアイランド
マカプウから下りも声をあげたくなる絶景だ
迫り来る山も大迫力

ここから先はしばらく海沿いの道、そしてそこを抜けると鬱蒼と木々がおいしげる、通称ジャングルロードへと入ります。ハワイといえば海を想像しがちですが、まさにキングコングがでてきそうな、南の島らしい濃密な森を駆け抜けるのは、絶景ハイライトのひとつ。ハワイの圧倒的な自然のなかを走ることで、自分のちっぽけさを感じ、日常の悩みなんて、どうでもいいんじゃない、っていうおおらかな気持ちになれます。

鬱蒼とした木々のおかげでコースのなかで最も涼やかなエリア
クラッシックなスチールバイク、渋いです。
HCRは撮影クルーが至る場所に。
個人的エイド・オブ・ジ・イヤーは断然シェイブアイス
小ぶりだけど、ほてった身体をしっかり冷やしてくれます
すでに相当”仕上がっている”今村GR編集長

40kmのASをこえると、そこから先はハイウエイを主に走ります。アップダウンが適当にありますが、コースのなかでは最も高い巡航速度をキープできる区間です。この頃には、すっかり右側通行にも慣れていて、周りのライダーにも気を使えるようになってきます。抜く時には、「On Your Left」と声をかけるとか、路面が悪かったらハンドサインで後続のライダーに伝えるとか、そういうコミュニケーションができると、ライドの充足感も増します。
ちなみにブロンプトンで走っていると、「そんな小さな車輪でよく出場したね」とよく声をかけられました。ライドしながら、いろんな国の人たちと会話するのもHCRの楽しみのひとつです。サドルの上では、みんな仲間。どんどん話しかけて、どんどん友達をつくっちゃいましょう。

ハワイはどこを切り取っても絵になります。
60kmASの裏手にあるコーヒーショップ。コールドブリューが絶品。生き返りました。
ハワイにはこんな大きな木が至る所にあり、ライド中に木陰ですずむこともできる

最後の絶景ポイントは、ラスト5kmの海岸線。道路の間近まで迫った海沿いの道だ。ここは最後まで走った”ごほうび”とも言われるほどの美しい海を直近に感じながら走ることができる。ここからゴールまではフラットな道が続く。5kmなんてあっという間だから、最後の絶景、しっかり目にやきつけたいですね。

波の音を間近に感じながらのライド。風が強いと波しぶきのごほうびも。
白い砂浜の向こうの、海の青のグラデーションが美しい

午前11時。地元の女子高校生たちの祝福を受けながらゴール。途中、写真を撮ったり、絶景に見惚れて休憩したり、美味いコーヒーを堪能したり。それでも5時間もあれば、ゴールできてしまうのだ。ここから折り返すとなると、それなりの覚悟がいるけれど、もう達成感も半端ないし、実にちょうどいい距離だ。

80kmでゴール。かなり余力がのこっている。

160kmを走り切れば、それなりに疲弊する。しかし80kmなら、まあまあ疲れるけれど、身体が動かない、みたいなことにはなりません。

昼にライドを終えられれば、そこから街に戻り、もう半日楽しむことができます。今回僕は、大好きなダイナーに行き、遅めのランチに、ロコモコとビーフシチューを、夜にはステーキをぺろりと平らげた。ライドのあとは、罪悪感を感じることなく、いっぱい食べられるのがいいよね。

ハワイに来るたびに行くダイナー「ハイウェイイン」。ハワイの伝統料理も食べられます
このビーフシチュー、世界一美味い。付け合わせのマカロニサラダも絶品。

160kmにガチで挑むのもいいけれど、絶景を心ゆくまで楽しみながら、ただただ楽しい80kmでした。例えば、自転車やったことなくても、友達同士でとか、恋人同士でとかで、気軽に参加することができます。ホノルルにはレンタサイクルがたくさんありますし、見たことのないホノルルを体感できるはずです。

🚴‍♂️ホノルルセンチュリーライド2025 5組のライダーが描くトリップノート
01 5泊7日/50年来の旧友と
02 5泊7日/小学生の娘2人とペダルを踏む!ホノルル80kmの旅
03 2泊4日/仲間と紡ぐ、優しく美しいライド体験
04 5泊7日/人生を変える絶景…ハワイを堪能するなら80kmがおすすめな理由〜3度目のホノルル旅〜

Profile

河瀬大作/Daisaku Kawase
フリープロデューサー、(株)Days 代表、GlobalRide コミュニケーションディレクター
愛知県生まれ。ロードバイク歴16年、絶景ライド好き。仕事の合間を縫い、自転車担いで全国へ出かける。愛車はトレック。NHKでプロデューサーとして「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」「おやすみ日本 眠いいね」「あさイチ」などを手がけたのち2022年に独立。番組制作の傍ら、行政や企業のプロジェクトのプロデュースを行う。