CULTURE

CULTURE
なぜ今、ルイ・ヴィトンはロードバイクをランウェイに登場させたのか?

TOP画像;Pharrel Williams オフィシャルサイトより Text_Mayumi Kamura 6月23日に開催されたルイ・ヴィトンの2027年春夏メンズコレクション。都市の中にしつらえられた波と砂浜のラグジュアリーな舞台の中で目が留まったアイテムがありました。それは一台のロードバイク。ベースは、ピナレロ*のフラッグシップモデル「Dogma F」です。レザーで巻かれたサドルやハンドルバー、ゴールドカラーのチェーンがなんとも「ルイ・ヴィトン」。モデルがロードバイクをかついで歩く姿はなかなか新鮮でした。 *ピナレロは1952年にイタリアで創業したロードバイクブランド。ツール・ド・フランスで数多くの総合優勝を支えてきた名門で、そのフラッグシップモデル「Dogma」は、プロレースの最前線で活躍する一台として知られている。かつてはルイ・ヴィトンと共にLVMHグループの傘下にあった。 もちろん、ラグジュアリーブランドと自転車のコラボレーション自体は珍しくありません。ルイ・ヴィトンは2021年にもMaison Tamboiteと共同開発した自転車を発売し、フェンディが2009年にABICHIとコラボするなどの事例もありました。しかし、多くは街乗り系の自転車で、特に2020年以降のグッチやステラ・マッカートニーなどはコロナ禍という時代性もあり、日常生活に実用的な(でもお値段はブランドらしい価格の)バイクでした。今回、ブランドの世界観を表現する象徴として競技系のロードバイクが選ばれたことはなかなか興味深いです。 そして肝心のコレクションテーマは自転車に関係する何か、ではなくルイ・ヴィ […]

#Mayumi Kamura
EVENT
編集Mの、何着て走る?
〜アロハなムードに乗って&お得な第1期エントリーは5/31まで!〜

こんにちは。早くも初夏の兆しを感じる今日この頃です。気温と円相場グラフの上がり方にクラクラしておりますが、いかがお過ごしでしょうか。ホノルルを最初に走ったのは2023年9月(円相場は140円台)。あれから取材で参加するのみで、「走らないんですか?」「取材があるので」「取材しながら走ればいいじゃないですか」の会話をライダーさんたちと繰り返していました。確かに、取材しながら走ればいいのかも。そんなことをぼんやり思いながら、先日、人生で2度目のTD FIVE BORO BIKE NEWYORK(約65km)を走ったときのこと。「再び走るコースで気づくことの多さ」に感動を覚えてしまいました。 見える景色が全然違う!いや、景色はさほど変わっていないのだけれど、見えるもの、感じることのバリエーションが増えている。沿道で応援する人が持つフリップのメッセージや、この日のためにカスタマイズされた道路標識、住民のムードや街の様子。走りきることに必死だった初回を超える視点を持つ経験って、なんて贅沢なんだろうと。 ということで、今年のホノルル取材は再びHCRを経験しようと思っています。回数を重ねることで見えてくる、人生のほんの数日間を切り出した小さくて大きい旅へ。右肩上がりの円安ですが、迷われている方は5/31までのお申し込みをぜひチェックされてみてください!Global Rideが微力ながらお力になれると嬉しいです!※グローバルライド会員(Global Rideメルマガ会員登録)の方は、一般エントリー(大人)から2,000円引き、VIPエントリー(大人)から8,000円引きhttps://globa […]

#HCR #Mayumi Kamura
CULTURE
CYCLE CINEMA⑲
『イル・ポスティーノ』
詩を運ぶ自転車

1950年代の南イタリア。島で生まれた者にとって、「外」は遠い。マリオの友人たちは次々とアメリカに渡り、島には絵はがきだけが届く。海の向こう「アメリカ」に渡った彼らは、新天地で別の人生を始めている。一方マリオは、漁師の父の手伝いを「風邪気味で」とサボり、行き場のない焦燥感を抱えたまま日々をやり過ごしている。父は言う。「アメリカでも日本でもどこでもいい。とにかく仕事をしろ」。まっとうな意見だ。けれど、まっとうさだけでは届かない場所が、青年のなかにはある。彼はなにかを探している。それがなにかは、まだ彼自身にもわかっていない。 ある日、マリオは自転車に乗って町に出る。入り組んだ海岸線の道を漕ぎ、映画館に入り、ニュース映画のなかにパブロ・ネルーダという詩人を見る。政治的な事情で祖国チリを追われ、この島に身を寄せているという。帰り道、郵便局の前でマリオは一枚の募集要項を見つける。「郵便配達人 募集 要自転車」。応募の条件はたった一つ、自転車を持っていること。これならできる。古い一台の自転車が、彼を世界に接続するための鍵になる。 配達人に採用されたマリオは、毎日パブロの家まで自転車を漕ぐ。最初はぎこちない関係だったが、少しずつ距離が縮まっていく。マリオは取り寄せたパブロの詩集を開き、生まれて初めて「隠喩(メタフォレ)」という言葉に出合う。わからないながらに、言葉の持つ力に惹かれていくマリオ。詩を書きたい、と打ち明けたマリオに、パブロはこう答える。「ゆっくり岸を歩きなさい。周囲を見ながら」。詩は、移動と観察のなかにある。歩くこと、自転車を漕ぐこと、すべてに詩は潜んでいるのだ。 言葉が彼を変え […]

#Cinema
FEATURE NEWS TRIP&TRAVEL CULTURE
海と山がつながる、愛媛のサイクリングガイドブック

「しまなみ海道」から愛媛県内全域へ広がるライドコースを紹介するガイドブックをお届けします。 「Ehimeはとても近い距離に海と山が詰まっている!」「アルプ・デュエズの標高よりも高い、世界レベルのサイクリングロードだ」とはオーストラリアから来日し、愛媛県主催のファムツアー(プレスツアー)に参加したサイクリストからの感想。 「サイクリングと言えばしまなみ海道」が思い浮かぶ愛媛県ですが、ゆめしま海道も加えた瀬戸内海周辺のルートのみならず、四国各県境に広がる山岳ルートやそこに至るまでの道のりも、実は海外サイクリストからの評判も高いスペシャルな環境でした。 2025年の秋、愛媛県主催のサイクリングファムツアーを元に作成した本ガイドブックは、自転車大国であるオーストラリアの各都市から参加したサイクリストたちのコメントや臨場感ある走行写真も掲載されています。「しまなみ海道」から始まり、1日1本のライド、計6本のルートは小さな入江や島々を巡る海岸道から深い山間をくぐりぬける山道まで多彩さを見せ、参加したサイクリストたちからは感嘆の声があがっていました。 国内外のサイクリストの皆さんにもぜひ愛媛の土壌や固有の歴史、お遍路文化などが垣間見える素晴らしい愛媛のサイクリングルートを堪能いただけるよう、巻末にはツアーガイドの問い合わせ先も掲載されています。ゆっくり時間をかけ自転車のみで移動するもよし、サポートカーの手配も選択肢のひとつです。大阪、広島、大分からの船輪行情報も便利なガイドブックを、ぜひご参考にされてください。 *ガイドブックのサイクリングルートはHidden Japan Travel社の協 […]

#Guidebook #Ehime
CULTURE
Music Cycles Around The World
④ Melbourne
Lance Ferguson feat. Rita Satch “My Future”

自転車と共に音楽で世界を走ろうというイメージで、“都市と音楽”をテーマに「Music Cycles Around The World」と題してお届けしています連載コラム。今回は、国際的サイクリング・ツーリズムを推進する愛媛県が、海外メディア向けのサイクリング・モニター・ツアーでオーストラリアのサイクリストたちを招聘したばかりで、南半球で最も大きく最も過酷なMTB大会「Whaka 100」も、ニュージーランドで開催されたばかりということに因んで、ニュージーランド出身でオーストラリア・メルボルンを拠点に活躍するプロデューサーであり、オージー・ファンクの名バンドThe Bamboosのリーダーとしても名高いLance Fergusonの作品を紹介しましょう。 ちょうどイギリスの名門レーベルTru Thoughtsから、彼が2019年より展開している人気シリーズの第3弾となるニュー・アルバム『Rare Groove Spectrum, Vol.3』がリリースされたところで、その中に僕がとびきり大好きな曲の好カヴァーが収録されているからです。“Rare Groove Spectrum”シリーズはいつも、長年DJとしても活動してきたLance Fergusonのクラブ・カルチャー〜レコード・ディガー的な観点での審美眼と、オーガニックなライヴ・バンドによるグルーヴィー&メロウな演奏の魅力が融合された、ファンクやソウル、ジャズやラテンといった様々なジャンルの至宝・秘宝の“再解釈”が鮮やかで、シャープなセンスがとても冴えているのですが、今作で僕が先行公開されたときから強く惹かれているのは、現代を […]

#My Future #Column
CULTURE
CYCLE CINEMA⑱
『レッド・ロケット』
止まらない、ギリギリの速度で

人は、帰りたくない場所へも帰らなければならないときがある。マイキーにとって故郷は、その種類の場所だった。彼が戻ってきたのは、かつて妻と暮らしていたテキサスの家。しかし、関係はとっくに切れている。「しばらく住ませてくれ」と頼むマイキーに対し、妻レクシーは取り付くしまがない。生活に困っているレクシーと義母リルに対して、週200ドルの家賃を払う条件で、マイキーはリビングのソファーを寝床として使うことになる。かつてハリウッドでポルノ俳優として名を知られていた時期もあったが、いまではその栄光は影のようだ。ハリウッドでも居場所を失い、ほとんど無一文で戻ってきたのだった。 週200ドルを支払わなければ、この場所からも追い出される。彼に行く場所はもうない。敷地に放置されていた古びた自転車にまたがり、仕事を求めて面接に向かう。車移動が当たり前のこの町で、自転車は大人の移動手段とは言いがたい。長い年月を経て、彼は元の地点に巻き戻されてしまったかのようだ。荒れた道路の端を汗をかきながらペダルを漕ぐ。自転車は彼の生のかたちそのものだ。前に進んでいるはずなのに何も変わらない。遠くへ行けるわけでもない。今あるものを「とりあえず繋ぎ止める」ためだけの最低限の速度。速度を少しでも緩めると倒れてしまう。自転車は、彼の人生の姿勢をそのまま象徴している。 それでも、彼の中にはかすかな優しさがある。車椅子の人の前では速度を落とす。それは特筆すべきほどの優しさではなく、ただ身体が覚えてしまった癖のようなものだ。決してすさんだ人間ではないのだろう。けれど、その小さな思いやりが彼の人生を大きく修正するほどの力を持つわけでは […]

#Colunm #Red Rocket
CULTURE
CYCLE CINEMA⑰
『国宝』
美しさと恐ろしさの間で

ある歌舞伎役者をインタビューする機会があった。指定された茶室で正座をして窓から外を見ていると、着物姿の人が現れ空を仰ぎ見た。さながら映画のような風景だった。まもなくして茶室に役者が現れた。ふと、私を見て「正座、慣れてないでしょう。どうぞ、足をお崩しになって」と優しく言った。 人間国宝でもあるその役者は、歌舞伎に詳しくない私の質問のひとつひとつに時間をかけ、丁寧に答えてくれた。人間国宝とは、国の「重要無形文化財」に指定された伝統芸能や伝統工芸の分野で、「わざ(技能)」を最高度に体得・実践している個人を指す通称だ。歌舞伎の世界に血筋を持たず、外から歌舞伎の世界に入ったこの役者の苦労はいかほどのものだっただろう。取材は数時間だったけれど、その僅かな時間でも佇まいの美しさや言葉遣い、歌舞伎に対する情熱が伝わってきた。それと同時に、ここに至るまでの努力や時間を想像するだけで恐ろしくなった。この人の美しさは同時に恐ろしさも内包していると感じた。 『国宝』は吉田修一による同名小説の映画化。血筋が支配する歌舞伎の世界に飛び込んだ一人の青年の物語だ。舞台は1960年代の長崎から始まる。任侠の一門に生まれた喜久雄は美しい顔を持つ少年だった。しかし、抗争によって父を亡くし、15歳にして天涯孤独となってしまう。そんな彼の天性の才能を見抜いたのが、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎。半二郎は喜久雄を引き取り、喜久雄は歌舞伎の世界へ飛び込むことになる。 そこで出会ったのが、半二郎の息子・俊介。生まれながらに将来を約束された俊介と、任侠の血を引く喜久雄。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人だが […]

#Hideki Inoue
CULTURE
Music Cycles Around The World
③ Hawaii
Macky Feary Band “Macky Feary Band”

自転車と共に音楽で世界を走ろうというイメージで、“都市と音楽”をテーマに「Music Cycles Around The World」と題してお届けしています新連載の第3回。今回は毎年9月の第4日曜に開催される「ホノルル・センチュリー・ライド」(日本からも多くのライダーが参加する、「ホノルル・マラソン」に次ぐハワイ第2のスポーツ・イヴェントです)にちなんで、僕が愛聴してきたハワイの音楽について綴っていこうと思います(といっても、いわゆるハワイアンではありません)。 すぐに思い浮かんだのは、30年前の夏に友人が確か500円という安価で中古の日本盤レコードを快く譲ってくれて、今も心から感謝しているMacky Feary Bandの1978年のファースト・アルバム『Macky Feary Band』。なぜならこの名作を聴いた感動によって、僕のハワイ産のメロウなアイランド・ミュージックへの好奇心は決定的に火がついたからです。当時を思いだしながら、その広がりを思いつくままに挙げていくなら、まずはMacky Fearyが在籍したKalapanaの最初の2枚。Kirk Thompsonが立ち上げたLemuriaと、やはり彼が制作しBilly Kauiに捧げられた「Words To A Song」やLemuriaとの競作「All I’ve Got To Give」が素晴らしいBabadu。特に思い入れ深いLuiやTender Leafの胸が疼くようなアコースティックなロコAOR。ハワイでコーヒーハウスをやっていたMFQのCyrus FaryarがプロデュースしたCountry Co […]

#Hawaii #Column
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