「マンハッタンブリッジを封鎖せよ!?」 ニューヨーク5島を独占疾走レポート!(後編)
FIVE BORO BIKE TOUR 2024 🇺🇸

北半球最大のサイクリングイベント『FIVE BORO BIKE TOUR』通称、バイクニューヨーク。
ここからは後編をお送りします。
前編はこちら

クイーンズ橋でロープウェイと並走!

スタートして1時間。レストエリアでもぐもぐ、ごくごくと補給。
全長1,135mのクイーンズ・ボロ・ブリッジを渡って、目指すはクイーンズ。

緩やかな上りがあり、少しゼェハァ、息が上がる。そんな中、パッと左を向くとロープウェイが!
「人生初!ロープウェイとの併走!」そもそも1キロを超える橋を渡ったことも初めて。初めての街を自転車で走ると新しい刺激や体験が次々とやってくる。

上り坂がつづくので息が切れそうになるのだけれど、ロープウェイと並んで自転車を漕いでいることに興奮が止まず、苦しいのに笑みがこぼれるという謎のテンション!
ロープウェイの中に人は乗っているかな〜?こちらの様子は見えているかな〜?
あいにくの曇天で中の様子はあまり見えなかったけど、「見ている人がいるかも?」と思ってついつい頑張っちゃいました。

橋にさよならを告げるとすぐに2つ目のレストエリアに到着。
お菓子にエナジーバーにフルーツに!と盛りだくさん。

シナモン味のお菓子は珍しい? 甘めのクラッカーで、とってもおいしかった!
来年はこのお菓子を買って日本に帰ります!
色とりどりのエナジーバーに思わず「わぁ」と幸せが溢れる。(もしくはよだれかな、、)

特にエナジーバーは普段のライドのときも頻繁に食べるので、どんなものがあるのか気になる、、、
そして全部食べたい、、(でも一本しか食べられなかった。エナジーバーって一本でお腹いっぱいなるようになっていますもんね!)

私が食べたのはグラノーラのバー!お菓子感覚で食べられるし、しっかりエネルギーもある。食べ応え抜群。硬すぎず、柔らかすぎずの食感。味も控えめでちょうどいいのが好みでした。

腹ごしらえを終えて向かうは…次のレストエリア。自分でもどれだけ食いしん坊なんだと思うけど、「自転車に乗るとゼロカロリー♪」。きっとそんなふうに考えている自転車乗りは少なくないと思う。

満腹のなかルンルンと向かっていると、景色が一変。気がつけばクイーンズからブルックリンに入っていた。ビルが立ち並んでいたエリアから、かわいい一軒家や低層マンションがたくさん見えるように。

入り口、扉、表札、窓、テラス、、、全てが理想的な外装にうっとり。

ギャラリーの中を走っているような街

川沿いを進んでいくと、カラフルなコンテナたちが迎えてくれた。役目を終えたコンテナにはグラフィティ・アートがびっしり!日本だとほぼ見られない光景だし、あってもそれが似合う空気感でもなかったり、、でも、この街ではグラフィティが街の雰囲気をつくっていて、世界の人たちがなんとなく想起するニューヨークらしさにつながっているような気がした。(私にそんなことを思わせてくれるのが海外ライドの醍醐味かも!)

どれくらいの距離でコンテナが並んでいただろう。しばらくずっと見ていた。

そして辿り着いた次のレストエリア。ここではオレンジを補給。フルーツはどこのエリアでも何かしら必ずあったけど、後半に差し掛かって、お腹もまあまあ満腹のこのタイミングでのオレンジは非常にありがたい!

意識の高い人たちにこういうさりげないアピールって大切

給水は「NYC Water」 で。
レストエリアでは移動式の蛇口とシンクが設置され、ニューヨーク市の水道水を飲むことができる。
ニューヨーク市の水道水はとても美味しく品質が良いと言われている。普通、都市の水道水は浄水場で消毒・ろ過されるけど、ニューヨークの水はろ過の必要がないとされている数少ない都市のひとつ。水質調査も一日に900回、年に30万回以上行われているそうです!(最近ではペットボトルの水を持ち歩くと微妙な視線を向けられるとも、、、進んでる!)
イベントは楽しい半面、どうしても気になるのがゴミの排出量。日頃からマラソン大会によく出る私は、大規模大会での給水エリアでのゴミが気になっていた。このような大規模イベントで、こういった取り組みがあるととても心地がいい。
あっという間に残りは10マイルほどに。もうすぐ終わっちゃうのかー。「イヤだ!!」。

渋々レストエリアを後にし、ブルックリンの街中へ。
時刻は午前10時30分ごろ。街が動き出し、カフェでモーニングする人の姿も見えた。
信号があればもちろん止まる。その隙に、思わず自撮り。

素敵な街並みとともに撮れて、ニヤニヤしている。多分イエーイ!って言ってる。

BNYでしか味わえない高速道路からの風景

ブルックリンの街並みを楽しみ、最後はながーーい高速道路へ。
反対車線には普通に車が走っている、、、そして、結構な渋滞。きっと日曜日にマンハッタンへと繰り出す渋滞だけど、もし反対車線なら確実に自転車移動の方が早いはず。

午前は街へ向かう上りが渋滞するため、下りを午前中に走るように設計されているのかも

小雨が降り、どんどん視界が悪くなる。
前半張り切りすぎて脚もだんだん疲れてきて、スピードが遅くなる。

そんな中同じペースで走るサイクリストと「ヘーイ!頑張ろう〜〜!」とテンション高めでお互いを支え合う。ちょっと頑張って前に出ても、すぐに追いつかれ、、という繰り返し。そして目を合わせて笑う。

言語が通じなくても、自転車に乗っていたら通じ合えるんだな〜、あぁ〜やっぱり自転車っていいな〜。

ゲートが見え、ライブ音楽が聴こえてきた、、、いよいよフィニッシュ!

やった〜!!!!!
サイクルイベントで初めてメダルをもらった!しかも金メッキとかじゃなくてブラックベースのかっこいいデザイン!マラソンやトライアスロンによく出る私は御朱印のようにメダルが集まってしまうため、普段メダルは飾らないのだけど、このメダルは一生眺めていられるかも!デザインって大事!

ゴールエリアには、ステージあり、食事ありで賑わっている。晴れなら天国間違いなし
黒ベースでデザインされたメダル。毎年集めたくなるコレクト感が素敵

ゴール後のフェリーがご褒美

ゴール地点はスタテン島のため、マンハッタンまで船で移動。晴れていれば自由の女神も見えるというコースだけど、この日はあいにく見られず。でも自転車を傍らに満足気なみなさんと一緒に揺られて帰路につくという体験もFIVE BORO BIKE TOURの名物なのだろう。
ちなみに、レンタルした自転車は乗船前に返却しなければならないのに、私は間違えて船に自転車を乗せてしまったので、下船したあと、さらに30分ほどかけて再びマンハッタンを自転車でクールダウン(自転車屋さんに返さないといけないから)。思わぬおまけライドが付いてきた(みなさんが参加したときは船の前に返却してくださいね)。

ニューヨークを共に周った船友?!

自転車屋さんへ返しに行く途中にスタート地点を通りかかった。今朝のお祭り騒ぎとはうって変わって、すっかり日常の光景に。この効率のよさもニューヨークっぽいと感動してまう。

初めてのニューヨーク、初めてのニューヨークでのサイクリング。そして初めてのFIVE BORO BIKE TOUR。

アメリカをはじめ世界中から自転車好きが集まり、ほとんどの人がタイムを気にせず、大都会ニューヨークを楽しむ。 かっこいい自転車に乗っている人がいたら声を掛ける。写真だって撮っちゃう。耳から入る音は自転車のペダル音、心地よいチェーンの音、苦しくも楽しい息づかいと、時にやんちゃな音楽。なんて平和でスペシャルな時間なのだろう。

日本に帰ってこの原稿を書いていると、いまだに「私、このイベントに参加したのかな?」 と夢心地ではあるものの、レースではないちょうどいいゆとりのおかげで、たくさん撮った写真を眺めて思い出に浸っている。
そして何より手元にあるメダル。ライドだけでなく、初ニューヨークの記憶や感情が閉じ込められているようで感慨もひとしお。メダルって、思い出と共に重く感じるのかも。
そんなことすら思わせてくれるFIVE BORO BIKE TOUR。2025も出たい!


Text_Karen Maruyama

Profile

丸山果恋 / Karen Maruyama
大阪府出身。
2013年に大学入学と同時に上京。2016年東洋大学準ミスグランプリをキッカケに芸能活動を開始。バラエティ番組からラジオアシスタント、DJ、和太鼓ユニットでの活動後フリーに転身。現在「渋谷のラジオ『渋谷自転車部』」でアシスタントを務めながら、「LiveRun」というランナー向けアプリでトレーナーとしてランナーのサポートをしている。自身は2023年の東京マラソンでサブ4達成。ロードバイクや登山、トライアスロンにも取り組んでいる。「Runtrip」「FRAME Channel」などのYoutubeにも出演中。健康的な人生にするためには、適度な運動が必要ということを考えており、あらゆる人に運動の大切さを伝えている。
公式Instagram : https://www.instagram.com/karen_maruyama/
公式X : https://twitter.com/karen_maruyama_

EVENT
2分で分かる!「バイクニューヨーク」

こんにちは。HONOLULU CENTURY RIDE 2023に続き、第二回目の「INFOGRAPHIC GUIDE*」をお届けします。*INFOGRAPHIC_視覚的にわかりやすいイラストやグラフなどを用いて情報を伝える手段 今回は今年の5/5(日)に開催予定の、通称「BIKE NEW YORK」について。このイベントはアメリカ・ニューヨーク市で開催される北半球最大のサイクリングイベントです。5つの区(BORO)を巡ることから大会の正式名称は「TD FIVE BORO BIKE TOUR」と名付けられ(TDはメインスポンサーであるTD Bankの頭文字)、全米のライダーが待ち焦がれる大イベントです。 初開催は1977年。当時は自転車の教育プログラムから端を発したイベントで、参加者は高校生と自転車クラブの会員による約200名でした。5つの区を巡り、距離は50マイルほど。それが翌年のニューヨーク市市長の交代に伴い自転車乗車が促進された影響で、走行距離は家族連れでも走りやすい40マイル(約64km/現在の距離)に制定されたそうです。「FIVE BORO BIKE TOUR」という大会名もこの年から制定されました。 2024年は第46回目の大会となります。現在の主催はニューヨーク市でサイクリングを推進する非営利団体「Bike New York」。コースの一般道や高速道路、橋をカーフリー(自動車通行止め)にするため、初心者や親子でも気軽に参加することができます。コースを見てみましょう。 出発はマンハッタンのダウンタウン、バッテリーパーク。6番街(Avenue of the Ameri […]

#Infographic
EVENT
FIVE BORO BIKE TOUR 2024
PHOTO ALBUM
Bike New York 🇺🇸

日本のGW真っ只中。今年もニューヨークの街中を駆け巡る「FIVE BORO BIKE TOUR 2024」(通称:Bike New York)が開催されました。晴天に恵まれた2023年度とはうってかわって、気温は10℃前後、早朝マンハッタンの最南端バッテーリーパーク付近のバイクレンタルエリアは海風が強く体感温度はもっと低かったように感じました。それでも午前7時30分、スタート地点に並んだ3万人のライダーの熱気が寒さを吹き飛ばしました。 BIKE NEW YORK 20245 May 2023/64km 目次 1. パケットピックアップ2. スタート地点3. ニューヨーク5つの島を巡るファンライド4. ゴール、そしてマンハッタンへ 1. パケットピックアップ 2. スタート地点 3. ニューヨーク5つの島を巡るファンライド 4. ゴール、そしてマンハッタンへ

#New York
EVENT
「マンハッタンブリッジを封鎖せよ!?」 ニューヨーク5島を独占疾走レポート!(前編)
FIVE BORO BIKE TOUR 2024 🇺🇸

非日常体験。マンハッタンを駆け抜ける 毎年5月にニューヨークで開催されている『FIVE BORO BIKE TOUR』通称、バイクニューヨーク。世界中の自転車好きが集まる北半球最大のイベント、およそ3万人が口角を緩めて、集まっていた。もちろん私もそのうちの一人。 みんなどんな自転車に乗るんだろう〜!どんな光景が観れるのだろう〜!と、当日の朝を迎えた。 5:30 ごろ。薄暗い中、まずは自転車をレンタル。身体に合ったサイズの自転車を選んでくれて、サドルまで調整してもらい、スタートから安心感でいっぱい。自分の自転車を持ってきていなくても、レンタルサイクルでイベントに参加できるなんて! いざスタート地点 マンハッタンのダウンタウン、バッテリーパークへ。信号で天気予報をチェック。昨夜確認したときは一日中雨の予報だったのだけど、午前中は持ちそうとのこと。やったー!でも、今日はすごく寒い・・・。でもそんなことはスタートのセレモニーが始まったらすっかり頭の中から飛んでいった。大都会を封鎖し、およそ3万人の、、、つまり、3万台の自転車が走る。言葉を選ばずいうと、「意味がわからない!」。私にとってはとんでもないこと。ましてやここはニューヨーク。夢や映画の世界でだけ存在していると思っていたような場所。この街、本当にあるんだ、、そしてここで自転車に乗る!しかも、3万人もの人たちと(これがまさに夢なのか?)それくらい、私にとっては非日常的な体験だった。(きっと私だけじゃないはず) 昨夜大混雑だった道が自転車専用道に! 7:30 スタートに合わせて、少し前からスタートセレモニーが始まる。参加者の声の盛り上 […]

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