ホノルルセンチュリーライド2025
5組のライダーが描くトリップノート
#02 5泊7日/小学生の娘2人とペダルを踏む!ホノルル80kmの旅

シリーズでお届けするホノルルセンチュリーライド2025参加ライダーさんによるホノルルライドトリップノート。
第二回目はホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)に何度も参加され、家族旅行でも訪れるほどハワイ大好きなサイクリスト、絹代さん。東武トップツアーズのツアーサポートスタッフとしても帯同され、豊富なライド知識と親しみやすいコミュニケーションで多くのライダーたちに慕われています。毎年ロードバイクで駆け抜けるコースを、今年は「娘と走りたい!」と思い立ち、7歳の娘さんをE-bikeの後ろに乗せるライドを計画しました。ママの誘いで自力でペダルを漕ぐことを決めた12歳の娘さん、ロードバイクで往復のフルコースを走るパパと、フルサポート付きのツアーを利用し、家族4人でハワイに向かう!

お子さんを応援し、応援されながら走った家族のHCRライドトリップノートをここに。

行程
1日目移動夜:日本発
観光午前:ホノルル着 
アサイーボウルでランチ/ワイキキビーチを堪能
2日目ツアー参加買い出し/BBQ/花火鑑賞
3日目ツアー参加自転車講習/出雲大社参拝、ランチやショッピングのショートライド
4日目本番ホノルルセンチュリーライド2025参加
5日目ツアー参加タンタラスの丘、ノースショアへサイクリング
6日目移動ホノルル発
7日目移動夜:日本着

美しい景観が続くオアフ島の東海岸を走るホノルルセンチュリーライド。何度走っても感動と大きな達成感がある。この体験を子供たちにも共有させてあげたい、と走るたびに思っていた。

現地でレンタルできるe-bike(進化型の電動アシスト自転車)の中には、子供を後部に乗せて走れる車体がある。今年小学校に上がった次女が後ろに乗れるなら、小学6年生になった長女と一緒に、コースを走れるかもしれないことに気がついた。
子供たちに相談すると、次女は目を輝かせて賛成し、尻込みすることの多い長女も珍しく乗り気で、早々にこの壮大な挑戦を決行することになった。

Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A

コースは折り返しで設定され、折り返す地点で距離が変わる25、50、75、100マイルから選べる。一番美しいのは、100マイルコースの折り返し近くのクアロアエリアの海岸線。子供たちにあの景色を見せてあげたい。

片道の50マイル分を走り、帰路はバスに乗れるプランがあるため、50マイル走行に挑むことに決めた。ロードバイクで往復のフルコースを走るパパと、フルサポート付きのツアーを利用し、家族4人でハワイに向かう!

絹代さんが参加された東武トップツアーズの皆さん Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A

日常、近場を自転車で移動しているレベルの長女だが、保育園からスイミングを習っており、体力はそこそこあるはず。最初は不安もあったようだが、近所の川沿いのサイクリングコースを走ってみたり、少しアップダウンがある道を抜け、カフェに行ってみたりするうちに、走ることに慣れ、自信もついた様子。コースにはそれほどきびしいアップダウンもなく、ハネムーンで訪れた花嫁がレンタサイクルで参加し、完走する様子を何度も見てきた。きっとハワイの空気が後押ししてくれるに違いない。

ハワイ渡航の日、夜の空港でチェックイン。いろいろと心配で、荷物は多くなったけれど、問題なく預けることができた。ハワイ旅行、さらにその先にある挑戦を控え、緊張と不安と楽しみでいっぱいの子供たちは、やや興奮状態で飛行機に乗り込んだ。

Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A

9/25(木)
ホノルルに到着し、ホテルに荷物を預け、街へと繰り出した。ビーチや緑と店舗が融合したザ・ワイキキの街を散策し、「TROPICAL TRIBE」で、ビーチを眺めながらアサイーボウルでランチ。この店のブラジルのジュースで割ったアサイーは濃厚で、絶品!量も多く、日本で食べるよりむしろ安いのではないかと思う。チェックイン後は、水着に着替えて、ビーチへ出陣!9月末なら、まだ海も温かい。子供たちは時差ボケも見せず、全力で楽しんでいた。

9/26(金)
朝から、パパと子供たちはビーチへ出動。私は、ツアーの参加者の皆さんとアラモアナの公園でBBQをするため、ハワイ在住の知人と買い出しへ。ハワイのコストコでも日本の会員証が使えることに感動。ワイキキでは、食材がお高いが、野菜も果物も段違いに安い!材料を揃え、サイドディッシュの調理をして会場へ。ライドに参加するため日本全国から集まった面々と緑の芝生が並ぶ公園で、豪快に焼き上げられたお肉をいただいた。次第に太陽が傾き、夜を迎え、フィニッシュはヒルトンの花火鑑賞!思い出に残る1日になった。

9/27(土)

朝からカピオラニ公園で講習をし、軽く走ってバイクとカラダのチェックをした後、カカアコ方面に向けて出発!不慣れな右側通行やハワイの車道だが、楽しみながら一緒に走って慣れておこう。ハワイ出雲大社にお参りし、伝統を感じる「リリハベーカリー」で軽くランチ。「ライオン カフェ アンド ジェネラルストア」でコーヒーやお買い物を楽しんだあと、カカアコエリアでウォールアートをめぐりながら周遊し、ワイキキの目抜き通りを走って帰着。小回りが効く自転車ならではのショートトリップを満喫した!

9/28(日)
ついにセンチュリーライド当日。朝起きるのが苦手な長女も4時にぱちりと目を開き「緊張する!」を連発しながら準備。はやる気持ちを抑えながら、親子で日の出前のスタート会場へ向かった。

Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A

私がお借りするバイクは、ポップなオレンジ色にカラーリングされたデラックスなアメリカンe-bike。後部にシートが付き、足置きには木製の板があしらわれている。少々大きいが、タイヤも太く、安定感はバッチリ。二人のライドのよい相棒になってくれそうだ。次女は大喜びでシートに座り、スタートが待ちきれない様子。

太陽が昇る頃、スタート。緊張していた長女も、ほどなくペースをつかみ、安定して走っている。私もアシストとペダルを踏み込む強さとスピードの感覚がわかり、少しホッとした。ギアとアシストパワーをこまめに調整し、バッテリーを節約しながら行こう。時速20km程度で完走できる計算だ。

ダイアモンドヘッドの展望スペースで一呼吸。早朝の太陽に輝く海が美しい。10羽近くのニワトリが木の上で高らかに鳴いていて、異国の朝を感じた。

夢が膨らむ高級別荘地を抜け、フリーウェイへ。警官が立ち、右側一車線を自転車用に管理してくれていた。日常ではゆっくり派の長女が、今日はスイスイと前方に上がって行く。道路が走りやすく、景色の魅力もあってのことだとは思うが、他の仲間と連れ立って走っている後ろ姿を見て、成長を感じた。

Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A

今年は海沿いを行く特別ルートが設定された。ハナウマ湾に向かって上り、海沿いを爽快にダウンヒル。左手には岩山、右手には真っ青な海。最高の景色だ。後ろの次女も大コーフンで「めちゃめちゃキレイ!」と二人で絶叫しあいながら下った。感動を共感できるのが嬉しい。周囲360度の絶景の中に入り込めるのが自転車のいいところだが、早々にこんな経験ができるとは。

第1エイドは、多くの参加者でにぎわっていた。紫のふわふわのマラサダをほおばり、再スタート。完走するためには、ペースを守ることが大切。エイドで休みすぎると、どこかでペースアップが必要になり、大きなダメージになる。

海沿いを走り、マカプウの上りへ突入。長女もしんどい表情を浮かべながらも、どうにかクリア。今年のコースでは、ハナウマとマカプウが2大登坂ポイントであり、これらを越えれば気も楽になる。マカプゥは振り返ると絶景、先を眺めても絶景。登った甲斐のある登坂だ。「このコースってさ、見える海の色がそれぞれ違うんだね」と長女。ここから眺める海は紺色で、先ほどのエイドとも、朝焼けの海とも違う。この先の海はまた違っていて、もっとキレイなんだ。ここからしばらくはビーチパークが連なる海岸線を走る。

海風を楽しみながら走っていると、次女が「カメちゃんいないかなぁ?」確かにどこかにウミガメもいるかもしれない。首からぶら下げたキッズケータイのカメラで美景のシャッターチャンスを狙いながら進むことになった。どこも美しすぎて、どこが撮影チャンスなのかわからないけれど。

ワイマナロのジャングルエリアに入った。茂る木々の間を抜け、動物や鳥の鳴き声を聞きながら走る。「どうぶつ探ししようよ!」と次女。鳥や動物を発見するごとにポイントを付け始めた。「ねぇ、どうしてあの山はあんな形なの?」確かに、富士山が象徴となる日本的山とは形状が大きく違う。縦に刻まれたひだも謎だろう。忘れかけていた地理の知識を掘り起こしながら、火山について話をした。違う国に来て、自転車のスピードで周りを見るって、計り知れない価値のある経験だと改めて感じた。

カイルアの第2エイドへ到着。シェイブアイスがふるまわれ、ブルー(バニラ味!)をセレクト。長女は疲労も出ているようだが、「行ける」体感もある様子。先に進むには、次のエイドに10時半までに着かなくてはいけないが、まだ余裕がある。

ヤシの木々の間を走り、住宅地を抜けていく。ゆるやかなアップダウンはあるけれど、勢いを活かし、テンポよく走れば大丈夫。長女の口数は減っているけれど、ペダルはしっかりと回っていた。

第3エイドに到着。にこやかなスタッフに迎えられ、ココナッツでできたデザート「ハウピア」などをいただく。大会で一番ほがらかなエイドだ。ここから先は絶景エリア!コースの最大の見せ場に向かう。

チャイナマンズハットと呼ばれる帽子型の島の前で記念撮影し、クアロアエリアへ出陣。左手には山並みと馬が草を喰む草地が広がり、右手には美しいスカイブルーの海と白砂が連なる海岸線が伸びている。ここまで走ってきたごほうびともいえる絶景だ。次女は歓声を上げながら美しい海を撮影し「私も自転車でここを走りたい!」と繰り返していた。絶景のど真ん中を駆け抜ける体験は、やみつきになる。後ろに座るより、自分の力で風を切りたくなるのも当然だろう。

Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A
Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A
Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A

ゴールになるスワンジービーチパークに到着!見事完走だ!長女はまだ余裕もあり、走り切れた達成感を味わっている様子。この挑戦が自信にもなったようで、見たことのない表情を浮かべていた。次女は楽しかったそうだが「いつ私は自分で走らせてもらえるの?」と少々不満も残ったようだった。お向かいのコンビニでアイスとドリンクを買い、帰路はバスでゆったりと楽しもう。

Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A

今回は経験と脚力を活かし、バッテリーを節約しながら走り切ったけれど、50マイルを走られる際は、バッテリーが2つ付いたe-bikeを選び、換えバッテリーも用意されると、より快適に走れて、安心だと思う。

親子でセンチュリーライドを走ることで、オアフ島をよりビビッドに楽しめたし、子供たちにとっても、とても意味の深い経験になったと思う。挑戦できたことに感謝したい。いつか、今度は次女が自走できるようになったら、また家族でトライしようかな。

9/29(月)
(編集部注)この日はタンタラスの丘やノースショアでのサイクリングを楽しんだ絹代さん。後日のノースショア特集でお届けします。

9/30(火)
帰国へ。
盛りだくさんだったハワイへの旅もこれで終了。家族旅行は受け身的なものになりがちだれど、冒険みたいに積極的に動いて、五感で感じたり、感動したり、印象深い思い出が刻まれる旅になった。「家族でセンチュリーライド」は、自信を持ってファミリーの皆さんにオススメできる極上の経験だった!

Profile

Kinuyo
サイクルライフナビゲーター。自転車の魅力や効能を伝えるとともに、自転車を軸とした、健康増進や美容、エコのフィールドで活躍中。政府や自治体の自転車政策の検討委員も務め、自転車の安全や、自転車を使った観光や地域振興、自転車教室などの普及活動にも携わっている。

FEATURE EVENT
2024 FUNRIDE PHOTO ALBUM
Honolulu 🇺🇸
NewYork City 🇺🇸
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Brisbane 🇦🇺

2024年がもうすぐ終わりを迎えます。皆さんはどんな年でしたでしょうか? この年の締めくくりとして、Global Ride編集部より海外ファインライドイベント4つのフォトアルバムをお届けします。アメリカからはホノルルの「HONOLULU CENTURY RIDE」、ニューヨークの「BIKE NEW YORK」、オーストラリアからはポートダグラスの「PORT DOUGLAS GRAN FOND FESTIVAL」、ブリスベンの「BRISBANE CYCLING FESTIVAL」です。それぞれの地域の特色を活かしたコースや風景をどうぞお楽しみください。 目次 1 HONOLULU CENTURY RIDE2 BIKE NEW YORK (Five Boro Bike Tour)3 PORT DOUGLAS GRAN FONDO FESTIVAL4 BRISBANE CYCLING FESTIVAL 1 HONOLULU CENTURY RIDE 開催エリア_ハワイ/ アメリカ合衆国開催日_9月29日(日)*毎年9月最終日曜日/2025年は9月28日(日)距離_40km、80km、120km、160km(約)参加ライダー_約1200名 2 BIKE NEW YORK (Five Boro Bike Tour) 開催エリア_ニューヨーク市/アメリカ合衆国開催日_5月5日(日)*毎年5月第一日曜日/2025年は5月4日(日)距離_約64km参加ライダー_約30,000名 3 PORT DOUGLAS GRAN FONDO FESTIVAL 開催エリア_ケアンズ/オーストラリア開催日_9 […]

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