キャロラインが案内する東京・荒川
途切れることない勢い、逆風、そしてタコス

荒川は期待を裏切ることなく、あなたがしばらく夢中になれるサイクリング環境を提供してくれる。

この川は埼玉から東京まで全長173kmを流れる。

経験豊富なライダーなら、新木場から川越、そしてその先まで川を走ることも可能だ。

今回のライドでは清澄白河からスタートし、Allpress Espresso Tokyo Roastery & Caféでコーヒーを飲み、王子まで走り(40km)、Rocco’s(ピザとタコスの店!)に寄ってから再び新木場まで戻ってくる予定だ。

ここは清澄白河にある地元の人気店。バリスタが丁寧に淹れるフラットホワイトやロングブラックが楽しめるニュージーランド発のスペシャルティーコーヒーロースター。ライドのスタートや締めくくりには最適。

オールプレスから川へ向かう。途中には、サイクリングロードがいくつかあるが、幹線道路から分離されているわけではない。川に着いたら左折し、王子方面へ向かう。

荒川は、ランナー、野球チーム、サッカー、フリスビーをする人、散歩する犬、そして本格的なサイクリストからカジュアルなライダーまで、様々な人のホームタウンだ。荒川を走る醍醐味は、東京のような密集した都会ではなかなか味わえない、途切れることのない区間だ。途切れることのない勢いのある瞬間に出会うと、サイクリング魂は安らぎ、ロードと一体化することができる。

東京のすべてのサイクリング・エリアに当てはまることだが、左側を走り、周囲に気を配ることを忘れずに。(特に野球場の近くでは、子供たちが横断しているかもしれない)。

王子に到着し、左折して港北橋で川を降りる。駅の反対側にはラッコズニューヨークスタイルピザと、新しくオープンしたラッコズカリフォルニアスタイルタコスがある。互いに目と鼻の先にある便利な場所にあるので、東海岸か西海岸か、あるいは両方が食べたい気分かによって選ぶことができる。まずはRocco’s Pizzaで、風味豊かで食べ応えのあるペパロニピザを注文する。

もう少し食べたくなったら、Rocco’s Tacos(2022年オープン)へ歩いて行こう。タコスの種類も豊富だ。さらにブリトー、ワカモレ、タコスボウルもあり、カリフォルニアのメキシカンへの欲求を満たしてくれる。1つしか注文しないのはお腹に酷かもしれない。

王子から新木場へ、太陽を背に最高な気分で新木場方面へ戻ってくる(時折向かい風が吹くので、少し前屈みに漕ぐことになる)。

ピクニック、スポーツ観戦、釣り船、頭上の橋を渡る電車の前を通り過ぎると、道沿いに川を楽しむ人たちの姿が目に入り、心が和む。

Text_Caroline McCurdy

キャロライン・M

オーストラリア・メルボルン出身。2013年に来日し、デザイナーやモデルとして活躍。趣味はサイクリングで、東京の街を散策したり、日本全国のサイクリングスポットを巡ったりしています。

TRIP&TRAVEL CULTURE
下町自転車散歩 #02
江戸・下町のレジェンド
北斎の名残をさがして(その2)

葛飾北斎の足跡を自転車でたどる短期連載第2回。今回は、勝川一門に入門し、浮世絵の世界に飛び込んだ20代の北斎から始まります。 目次  1. 相撲の町にて(20歳~) 2. 北斗の人(30歳~) 3. 北斎、葛飾北斎となる(40歳~) 1、 相撲の町にて(20歳~) 北斎は勝川一門に入門わずか1年で勝川春朗を名乗ることを許され、錦絵を製作します。(なお、彼は生涯で画号を30以上変えていますが、本コラムでは北斎で統一します。)当時の浮世絵のモチーフは、美人画、役者絵、そして相撲絵など。 北斎が9歳の1768年、勧進相撲(幕府に認可された公式な相撲)の会場が両国橋からほど近い回向院に移され、以降回向院は1946年まで相撲常設館として賑わいました。当然、北斎も力士の筋肉や動きを観察するため幾度となく通ったことでしょう。 ※訪日外国人の方に向けたドコモバイクシェアの借り方については次のページもご参照ください。訪日外国人の方がドコモバイクシェアを利用する方法 なお、この頃北斎は挿絵の他に匿名で文章も書くことがありました。貸本屋で働いた経験が役立ったのかもしれませんね。 2、北斗の人(30歳~) 破門と天啓 34歳。師匠の勝川春章の没後、北斎の才能を妬んだ兄弟子たちからの嫌がらせなどもあり、北斎は勝川派を飛び出します。その後さまざまな流派の門をたたいて画法を修行しますが、春朗の名前を使うことも禁じられ、唐辛子やカレンダーを売り歩いてしのぐほど極貧の時代だったといいます。 このころの北斎について、柳嶋妙見山法性寺にはこんな話が伝えられています。曰く、北斎が北辰妙見菩薩(北斗七星を象徴した仏)に […]

#Tokyo #Hokusai
TRIP&TRAVEL CULTURE
下町自転車散歩 #02
江戸・下町のレジェンド 北斎の名残をさがして(その1)

1856年。フランスの若き版画家ブラックモンは知人のコレクションの陶磁器を見せてもらう。陶磁器は当時海外との国交を禁じていた日本から輸入されたもので、おそらく西欧では希少なものであっただろう。しかし彼の目を惹きつけて離さなかったのは器ではなく、その包装紙だった。それは、葛飾北斎の『北斎漫画』の1ページ。絵に感銘を受けたブラックモンは、その後苦労して入手した『北斎漫画』をパリの画家仲間たちに広め、やがて北斎はフランスからヨーロッパで広く知られるようになる。 …という話は残念ながら創作といわれていますが、北斎が当時のヨーロッパ、とりわけクロード・モネやフィンセント・ファン・ゴッホといった若き印象派の画家たちに強い衝撃を与えたことは広く知られています。 海外では「The Great Wave」と呼ばれる富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」など、だれもが一度は目にしたことのある北斎の絵。日本が初めて芸術デザインを取り入れた現行のパスポートには富嶽三十六景から16~24作品が掲載され、神奈川沖浪裏は2024年秋からの1000円札の新札の図案となるなど、今や日本を代表する画家である葛飾北斎。そして何より本コラム「下町自転車散歩」的には、彼は生涯町絵師として地元を愛したお江戸下町っ子の大先輩でもあります。 本日は下町っ子の不肖の後輩が、北斎が生まれ暮らした墨田区を中心に、その人生の足跡を自転車で訪ねていきたいと思います。 目次  1. やがて葛飾北斎となる者、川の町に誕生(1歳~) 2. ティーンエイジャー(10歳~) 1、 やがて葛飾北斎となる者、川の町に誕生(1歳~) 誕生江戸と下総の国をつな […]

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FEATURE TRIP&TRAVEL
下町自転車散歩 05
春を味わう本の街 ~神田~

今回は筆者の出身地でもあり、下町を語るのには外せない神田地域を自転車で散策。神田は現在行政区ではなく、皇居のある千代田区の北東部の呼称。ほとんどの町名の頭に「神田」の文字が入っているのが特徴です(話すときは「神田」を省くのが一般的ですが)。春の訪れを感じる風にふかれながら、世界一の本の街とよばれる神保町をぶらぶらしたり、小川町の老舗和菓子店にお話を伺ったり、美術館や神社をめぐったりと、まったりしました。 Text_Shitamachi Kombu 目次 ビジネス街のうるおい、三菱一号館美術館世界一の本の街、神保町御菓子処さゝまにインタビュー梅の季節に神社と聖廟をひと巡り ビジネス街のうるおい、三菱一号館美術館 と、いいつつも始まりは丸の内エリアから。神田のお隣の地域なので、これはもう神田といってもいいでしょう。江戸っ子は細かいことは気にしないものです。 日比谷駅から地上に上がると、交差点にレンガ造りの瀟洒な建物が。明治時代のお抱え外国人建築家、ジョサイア・コンドルの設計によるこの建物は、当初商社の三菱のオフィスとして利用されました。2010年の改装時に、丸の内エリアに必要な施設を熟慮検討の上、ビジネス街にもうるおいをということで、当時のデザインを可能な限り忠実に再現しながら三菱一号館美術館として生まれ変わることに。明治時代の薫香が感じられる建物に飾られた絵や美術作品は、個人的に三割増しくらい魅力的です。今回開催されていたのは、明治~大正時代に日本美術の1ジャンルとなった新版画の展示会。ユニークな試みとして、当館はポッドキャストの配信も開始。学芸員のトークを予習して観覧できるのも […]

#Kanda #Wagashi