ブルックリンの人気サイクリングコース、プロスペクトパーク

ブルックリンのプロスペクトパーク(Prospect Park)は、1867年にオープンした広さ585エーカーの公園だ。セントラルパークを設計した2人組のランドスケープアーキテクト、フレデリック・ロー・オルムステッド(Frederick Law Olmsted)とカルヴァート・ヴォー(Calvert Vaux)が設計したこの公園は、ニューヨークのサイクリストたちにとって人気のサイクリングコースの1つになっている。紅葉の今は特に美しい景観を楽しめる。

マンハッタンから自転車で行く場合は、ブルックリン橋を渡っていく。この橋は歩いて渡れることでも大人気!歩行者専用通路と車専用道路の間に自転車専用通路が設けられている。

ブルックリン橋を渡り終えたら、プロスペクトパークの入り口であるグランドアーミープラザまで20分。ボーラムプレイス(Boerum Place)を南下し、ディーンストリートを左に曲がる。1つめの角、スミスストリート界隈はこじゃれたブティックやレストラン、ベーカリーなどが立ち並ぶ。ブルーコーヒーもこの角のすぐそばにある。この角から南に2ブロック南下したところには、地下鉄のFとGが通るバーゲンストリート(Bergen Street)駅がある。

ディーンストリートをさらに東に行くと、シティーバイクの駐輪場がある。電動バイクでパワーを感じましょうのメッセージにおばあさんのイラストを添えてあるのが楽しい。

ディーンストリートをヴァンダービルトアベニュー(Vanderbilt Avenue)まで行き、右折すると、グランドアーミープラザを象徴する凱旋門が見えてくる。このすぐ南側にプロスペクトパークの入り口がある。ちなみに公園に向かってすぐ左手には、ブルックリン図書館がある。きれいなトイレを使いたかったらここでトイレに入っておくのも一案だ。

いよいよプロスペクトパークでサイクリング開始!ブルックリン在住でプロスペクトパークに頻繁にサイクリングをしに行っているダリルさんは、「早朝はシリアスなサイクリストたちがグループで来るので、カジュアルなサイクリングには向かない。週末の午後はとても混雑する。子供もいるしスケーター、歩行者、犬の散歩する人も多い」とアドバイスしてくれた。

サイクリストは公園の西側をまず南下する。時計と反対回りで走るようになっている。途中、コースから内側にいくと、ドッグビーチがある。この日は水に入っている犬は見かけなかったが、夏は多くの犬たちが池の中に入っていた。この近くには滝もあって、そこも人気のスポットだ。

一番南側に到達したらそのまま東に向かう。そこにはプロスペクトパーク湖があって、そこではカモや白鳥に会える。

さらに北上すると美しいボートハウスがある。カフェがあいていたら、ドリンクと軽食で美しい景色を見ながらのんびりひと休み。ここにも白鳥とカモがいる。

4月から10月までの毎週日曜日は、フードトラックが集まるスモーガズバーグ(Smorgasburg/フードマーケット)が開催されていて、それも見逃せない。焼き鳥やお好み焼き屋さんも!オムそばもあって感激!

土曜日は、プロスペクトパークの北側入り口付近でファーマーズマーケットが開催されている。プロスペクトパークの中には動物園もある。いろいろな楽しみ方ができるプロスペクトパーク。地元の人たちに愛されているのもうなずける。

プロスペクトパークは、花がきれいな春もお勧めだ。5月にはFIVE BORO BIKE TOUR (BIKE NEW YORK)*もあるので、イベントのついでに行ってみてはいかが?

*FIVE BORO BIKE TOUR (BIKE NEW YORK)
https://globalride.jp/category/event/world/bny/

Prospect Park
https://www.prospectpark.org/

Text_Yoshiko Sugimoto

Profile

Yoshiko Sugimoto
東京生まれ。1988年よりニューヨーク在住。ファッション、ファッションビジネス、小売ビジネス、料理、大人のリレーションシップについて執筆してきている。美容食研究家として、料理のレシピ開発も行う。外食、コンサート、観劇など都会生活を楽しむ一方、公園や郊外の自然に癒され、時には卓球に歓声をあげ、タイチ(太極拳)のゆっくりした動きと呼吸で心身を整える日々。

FEATURE TRIP&TRAVEL
New York City 自転車で巡るコンテンポラリーアート

僕はニューヨークに25年ほど住んだことがあったのだが、当時は美術関連の仕事をしていたということもあり、ギャラリーや美術館を見て回るのに自転車ほど有効な移動手段はなかった。周知のとおり、ニューヨークは世界的に有名な美術館や博物館が多い街ということで、今回は自転車でコンテンポラリーアートを巡るお薦めのルートを提案してみたい。 まずは、通称「ミュージアム・マイル(Museum Mile)」と呼ばれているセントラルパーク沿いの5番街と89丁目へ。そこで目にするのが巻貝のような異様な外観が目を引くのが「グッケンハイム美術館(the Guggenheim Museum)」だ。設計はアメリカを代表する建築家フランク・ロイド・ライト。ここは世界遺産にも指定されている凄いところなのだが、その際立った外観から想像できるように螺旋状のスロープを降りながら壁面の作品を鑑賞するという稀有な美術館は必見だろう。 そのまま5番街を南に下りて西47丁目にあるのが、MoMAとして親しまれている「ニューヨーク近代美術館(the Museum of Modern Art)」で、近代と現代アートの世界では最も権威のある美術館であるのは誰もが認めるところだ。コレクションも当然ながら一級品ばかり、ゴッホやピカソやマチスといったヨーロッパの巨匠から、アンディ・ウォーホル、ジャクソン・ポロック、ジャスパー・ジョーンズなど、時代を超えた名作から現代アートの最先端までが一堂に揃うまさにアートの殿堂である。 一方、コンテンポラリーアートのメッカが、空中公園ハイライン(the High Line aerial park)の所在地とし […]

#Red cube
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New York City 自転車で巡る建築

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#The Vessel
TRIP&TRAVEL EVENT
BRISBANE CYCLING FESTIVAL 2024
ローカルサイクリストAYAKAの現地レポート【前編】

ブリスベン在住のAyakaが、パートナーのYoshiと共に地元サイクリスト目線で「ブリスベン・サイクリングフェスティバル」と街の魅力をお伝えします。前編ではブリスベンの川沿いサイクリングとサイクル・エキスポの様子をレポートします。 目次 1  太陽の州・ブリスベン2 日本からブリスベンへのアクセス3 リバーウォークで水上サイクリングを味わう4 ブリスベンにサイクル・エキスポがやってきた! 1 太陽の州・ブリスベン シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第三の都市、ブリスベン。ブリスベンが属するクイーンズランド州は「サンシャイン・ステート」(太陽の州)とも呼ばれるほど、晴天率が高いことで知られています。 そのためか、ケアンズのトライアスロン大会やゴールドコーストのマラソン大会など、スポーツイベントの開催が盛んです。州都でもあるブリスベンでは2019年から3月〜4月にかけ街をあげてのブリスベン・サイクリングフェスティバルが催されます。 2024年は3月15日から4月16日の約1ヶ月間にわたり開催されました。期間中はオーストラリア国内のトラック・チャンピオンシップとロードレースのシリーズ選手権、UCIグランフォンド・ワールドシリーズのほか、サイクル・エキスポ、一般市民も参加可能なライドイベント「ツール・ド・ブリスベン」やファミリーライドなど、自転車関連のイベントが市内各所で催されました。 2  日本からブリスベンへのアクセス 日本の方にとってメルボルンやシドニーはお馴染みでも、ブリスベンという都市は初耳の方もいらっしゃることでしょう。冒頭でもお伝えしたとおり実は大都市で、 […]

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