眠らない街を3万人のライダーが力走。
Bike New Yorkのコースをハイライトで紹介

2020年5月3日(日)開催のBike New Yorkは、ニューヨーク州にある5つの区(boro)、「マンハッタン」「ブロンクス」「クイーンズ」「ブルックリン」「スタテンアイランド」を自転車でめぐるライドイベント。そのためアメリカ本国では「Five Boro Bike Tour」と呼ばれています。

日本人にはほとんど知られていませんが、3万人以上の参加者が全世界から集まる超巨大な規模のイベント。コースは、40マイル(約64km)。自動車などは交通規制され、のんびりと走るこができます。
本記事ではニューヨークがぎゅっと凝縮した魅力たっぷりのコースをハイライトでご紹介します。

※この記事は2020年2月の記事の再掲載です。


旅の始まりはソーホー(ヒューストンストリートの南側)エリア。3万台以上の自転車が通りを埋め尽くす圧巻の光景!

VIPエントリーの参加者へは朝食のサービス。コーヒーやマフィンなど、ニューヨークらしい朝ごはんを楽しむことができます。

いよいよスタート!
6thアベニューとキャナルストリートの交差点に位置するゲートから走り始めます。

レンガの建物が並ぶオシャレな6番アベニューは、普段タクシーや車が忙しく往来しています。今日だけは排気ガスフリーのリラックスした雰囲気。
奥にはミッドタウンのビル群が。手前にある時計台はジェファーソン・マーケット図書館。

高層ビルが道の両側にそびえてくると、いよいよマンハッタンの中心地にいる実感が増してきます。この1つ先のブロックがブロードウェイと交差するウェスト34thストリート。世界で最も有名なクリスマス映画の一つ『三十四丁目の奇蹟』の舞台となるデパート、メイシーズの所在地です。

ちなみにこの交差点で右を向くと、ニューヨークを代表する超高層ビル、エンパイア・ステート・ビルが目の前に迫ります。1931年に竣工された102階建ての建物は、『アメイジング・スパイダーマン』『キングコング』『めぐり逢えたら』『インデペンデンス・デイ』など名だたる映画に登場。

さらに15ブロックほど進むと、右手にはラジオシティ・ミュージックホールが。1932年、石油王ロックフェラーによって建てられた劇場は、今でも有名アーティストのコンサートやトニー賞の授賞式に使われています。

優美なアール・デコ様式の建築に赤いネオンサインがフォトジェニック!

ウェスト55thストリートと6thアベニューの交差点に差し掛かると右手に見えるのが「LOVE」のモニュメント。
アメリカ人のポップアーティスト、ロバート・インディアナの彫刻『ラブ スカルプチャー』は、ニューヨークの定番写真スポット。

間もなく6thアベニューから緑深いセントラルパークへ差し掛かると、雰囲気がガラッと変わります。
大都市の真ん中にある最大の公園はランニングや散歩コースとしても人気。メトロポリタン美術館やジャクリーン・ケネディ・オナシス貯水池の横を通って公園内を縦断します。

パークを出て北上してゆくと、まもなくハーレムへ。ウェスト135thストリートを東に向かい、3rdアベニュー・ブリッジとマディソンアベニュー・ブリッジを渡ってハーレム・リバーを登り、マンハッタンとクイーンズを結ぶクイーンズボロ・ブリッジへ。

『ホームアローン2』や『ダークナイト』にも使われているこの橋は、1909年に建てられました。網目のような構造が落とす繊細な影がライダー達を迎えます。

橋を降りたらクイーンズランド。ドラマや映画の撮影所「シルヴァーカップ・スタジオ」をぐるっと回って、ブルックリンへ。

レンガの橋が印象的なブルックリン・ブリッジのたもとから、イースト・リバー沿いに南下し高速道路へ。

ブルックリンを見下ろす高速道路からスタテン・アイランドへ渡るヴェラザノ=ナローズ・ブリッジわたってフィニッシュ!

フィニッシュエリアのバッテリー・パークではバンド演奏を聞きながら芝生の上でのんびり。

VIPエントリー参加者向けのエリアではケータリングランチがいただけます。

※オマケ
多くのライダー達はスタテンアイランドの北エリアへさらに自転車を走らせ、マンハッタン島へ戻るフェリーに乗船します。
船から見える自由の女神や、マンハッタンのスカイスクレイパー(摩天楼)がニューヨークの一日のライドを締めくくります。

Bike New Yorkのコースご紹介、いかがだったでしょうか。
まだまだ日本人には馴染みの薄いイベントですが、これほどの規模や濃縮されたコースを持つファンライドイベントは世界でも類を見ません。
この日はニューヨーク自体にとっても「自転車都市」として世界から注目が集まる、年に一度の特別な機会になっています。

たった1日で、ビジネスや観光の世界的な中心地や、最近ますます人気が高まるおしゃれエリアなど、ニューヨークの持つ様々な側面を肌で感じることができる本イベント、2020年のBike New Yorkは5月3日(日)開催。

Bike New York|公式サイト


ルートマップはこちら
※2019年のコースをご紹介しています。コースは変更となる場合があります
※本記事及び動画で紹介に利用している画像は過去数年のイベントから引用しております。

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TVプロデューサー河瀬大作 Bike New York参戦記!
恋するニューヨーク vol.6
それは人生最高のライドだった。

誰しも憧れの場所があるだろう。 僕にとってそれはずっとニューヨークだった。アンディ・ウォーホルやルー・リードが暮らし、ジョン・レノンが凶弾に倒れ、ブレイクダンスが生まれ、数えきれない映画の舞台になった街だ。 その街で開かれるロングライドのイベントがある。FIVE BORO BIKE TOUR。通称、バイクニューヨークと呼ばれる。 マンハッタンからブロンクス、クイーンズ、ブルックリン、そしてスタテンアイランドまでの64kmのコース。交通規制により車を締め出して行われる。チケットは発売と同時に瞬殺。参加者は3万人をこえるという北半球最大のライドイベントだ。憧れの街を自分の自転車で走りぬけるなんて、考えただけでもワクワクする。 2024年5月5日の本番当日。朝5時過ぎにホテルを出発。心配された雨は、降らなかったが、かなり寒い。長袖ジャージにジレ、ウインドブレイカーを羽織っていても、冷たい空気が刺すように入り込んでくる。会場に着くと、映画でよく見る蒸気がもうもうと立ち上っている。そうそう、これこれ。こうでなくっちゃ。ここはニューヨーク。その寒さすら僕の心を踊らせるのだ。 会場には、すでに多くのライダーが集まっていた。 スタートラインの近くには、VIPエリアが設置されていた。ソーセージなどのホットミールからフルーツ、そしてグラノーラまで、食べ物が豊富に用意されている。かなりの豪華さだ。ゲストライダーである僕もVIPに混じって、ベーグルとフルーツをいただいく。 朝食を終えて、スタート地点に向かうと、夥しい数のライダーが集まっている。通りのずーっと奥までヘルメットで埋め尽くされていて、胸が熱 […]

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TVプロデューサー河瀬大作 Bike New York参戦記!
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ブロンプトンにひとめぼれ。

それはひとめぼれだった。出会ってすぐに恋におちた。「次はあの子とどこに行こう」って、ふと考えてしまう自分がいる。こんな昂ぶりは、いつぶりだろう。お相手は人ではない。 ブロンプトンだ。そして今、ブロンプトンとの生活を、そして旅を心から楽しんでいる。折りたたみ自転車は、ずっと気になっていた。でもロードバイクに比べたら、小径車なんて物足りないんじゃないかって思っていた。ロードバイクのようなスピードもでないだろうし、長い距離を走るのにも向かないだろう、と。ロードバイクこそ”King of Bicycle”。そんな固定観念を持っていたのだ。 でも、ロードバイクにだって苦手はある。それは、街中を走ることだ。都心の幹線道路を走っていると、信号に頻繁にひっかかり、時にうんざりする。車輪の大きなロードバイクはストップアンドゴーを得意としていない。止まるたびにビンディングシューズを着脱するのも面倒くさい。 だからある時、街乗り用の自転車を探してはじめた。探していたのは、小径車のE-bikeだ。いくつかのショップを巡っていたのだが、なかなかこれ、というバイクには出会えない。そんなある日、棚にずらりと並んでいる自転車が飛び込んできた。 色とりどりの車体が、棚に所狭しと陳列されている。その佇まいの美しさに心が躍った。それがブロンプトンだった。 出会いの場所は、西荻窪の「和田サイクル」。ブロンプトンをはじめ小径自転車を扱うお店としては、東京屈指、いや日本屈指自転車屋だ。 店員の西久保さんが折りたたみを実演してくれた。その動きの無駄のない美しさ、素早さは芸術的ですらあった。 もちろん、試乗もした。軽く踏んだ […]

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NY自転車生活・上級編 SOHOへ自転車で買い物へ

前回、セントラルパークをサイクリングしたことで、にわかニューヨーカーとなったぼくらには、次なる計画があった。 SOHOへ自転車で買い物へ出かける。 知らない街を旅する時には、地下鉄やバス、そしてUberなどに頼ることになる。しかしそうなると「ちょっと寄り道」みたいなことができないし、街全体を把握するのも難しい。だから今回は、自転車でマンハッタンを移動しようと考えた。ぼくは日本から持ってきた、ブロンプトンで。仲間たちはciti bikeという街中にポートがあるシェアサイクルを借りることにしたのだ。それはそれとして、にわかニューヨーカーにはやるべきことがあった。 朝ごはんにベーグルを食べる。自転車には関係ないですね笑 ニューヨーカーって、ベーグルのイメージありますよね。これは通らねばならない道だ。早起きし、歩いてホテル近くにある、人気のベーグル屋さん「ブルックリン ベーグル & コーヒー カンパニー」へ。僕が食べたのは、サーモンとクリームチーズの挟んである”BKBAGEL CLASSIC”というやつ。カリッと焼き上がっていて中はモッチモチ、サーモンもチーズも惜しげもなくたっぷり。素晴らしくおいしかった。ひとつ15.95ドル。ひええええ。日本円にして軽く2000円をこえる。円安とアメリカのインフレのダブルパンチでニューヨークは何もかもが高い。まあでも本当においしかったから、よしとする。 集合時間は午前10時。まずはニューヨークで一番有名な本屋さん「ストランドブックストア」を目指す。 出発してまもなく、思いがけない出会いがあった。チェルシーのフリーマケットを通りがかった時のこと […]

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