ツール・ド・ブリスベン2025ハイライト
〜家族連れからセミプロまで楽しめるサイクリングフェス【前編】〜

ブリスベン在住のAyakaが、パートナーのYoshiと共に「ブリスベン・サイクリングフェスティバル 」に参加しました。メインとなるライドイベント「ツール・ド・ブリスベン2025」の様子を地元サイクリストの目線からレポートします。

目次

1  ツール・ド・ブリスベン とは?
2 各ライド部門・コースの概要
3 完全封鎖の高速道路・バスレーンで非日常を味わう

4 海外15ヶ国からのサイクリストが参加
5 新しいスタート地点と高まる期待感

1  ツール・ド・ブリスベン とは?

オーストラリア・クイーンズランド州の州都ブリスベンを舞台に開催される「ツール・ド・ブリスベン」は、初心者から本格的なサイクリストまで誰もが楽しめる、完全交通封鎖の大規模な都市型サイクリングイベント。南半球のオーストラリアでは、秋の始めを迎える例年4月に開催されています。

「ツール・ド・ブリスベン」という名前から、どうしても中上級者向けのイベントというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際は、ファミリーライドから本格的なレースまで間口を広く設定し、誰もが楽しめるサイクリングイベントになっています。

2  各ライド部門・コースの概要

ツール・ド・ブリスベンの魅力は、多様な部門・コースが用意されており、体力や経験に合わせて最適なコースを選ぶことができます。

🚲UCI Gran Fondo Worls Series Qualifier/ 120kmLong Ride (グランフォンド)
最長距離を走る本格的なロングライドです。ブリスベンの郊外まで足を伸ばし、最後はブリスベン屈指のヒルクライムスポット、Mt.クーサで脚を競います。120kmのファンライド部門もある一方で、レース部門の方ではUCIグランフォンドシリーズの選考も兼ねており、実業団やセミプロのライダーも多く参加する本格的なレース風景が見られます。

🚲80km Medium Ride(ミディアムライド)
120kmコースから一部の市街コースとMt.クーサヒルクライムを除いた中級者向けのコースで、参加層が特に厚い部門です。集団走行も交えながら、確かな走りごたえを感じつつ、適度な距離と景色の変化を楽しみたい方におすすめです。

「Tour de BRISBANE RIDER GUIDE」より

🚲50km Short Ride (ショートライド)
初心者の方でも挑戦しやすい比較的平坦なコースが中心のショートライド。ロードバイク以外にも、クロスバイクやマウンテンバイク、電動アシスト機能付きのEバイクでの参加者も多く見られる部門です。また、中高校生からシニアまで参加者の年齢層が非常に幅広いのも特徴。観光気分も保ちつつ、街の景色をマイペースに楽しみたい方に最適です。

🚲6.5km Big Family Fun Ride (ビッグファミリーライド)
家族みんなで楽しめる短距離ライド。他の部門と同様、ハイライトとなるストーリーブリッジを走れるとあって人気が高く今年は2,500名が参加。小さなお子様連れでも安心して参加できるコースです。(7歳未満のお子様は保護者同伴が必要です)

3  完全封鎖の高速道路・バスレーンで非日常を味わう

各部門に共通するツール・ド・ブリスベンの最大の魅力はやはり、全ルートを上り・下りとも両側完全封鎖していることでしょう。

日頃は市バスのみが走れるバス専用レーンに、高速バイパス道路、多くのローカルサイクリストの勤務地であるCBD(セントラル・ビジネス・ディストリクト)のオフィス街、ブリスベンのシンボル・ストーリーブリッジ… ローカルサイクリストにとっても生活圏であるエリアが、非日常な空間へと変わる特別な一日です。オーストラリア国外から走りに来た方にとってはなおさら、通常の観光では決して味わうことのできないプレミアムな体験になること間違いありません。

4  海外15ヶ国からのサイクリストが参加

今回の大会にはのべ7,500人のサイクリストが参加。
その中にはブリスベンの地元サイクリストのほか、クイーンズランド州外の他都市はもちろん、海外からも15ヶ国からのサイクリストの姿も。

大会4日前にはオンラインでライダー向けの事前説明会が開催され、場所を問わず参加できる親切な取り組みとなっています。

大会前日のゼッケン受け取り会場となったサウスバンク・パークランズのサイクル・エキスポ会場では、日本語を話すグループの方々も見かけました。

5  新しいスタート地点と高まる期待感

2025年のツール・ド・ブリスベンのスタート地点は、昨年の8月に市内のオフィス・繁華街エリアであるCBD内にオープンしたばかりの複合施設「クイーンズ・ワーフ」でした。カジノ施設「スター・ブリスベン」も入るこのモダンな場所で、まだ薄暗い早朝5時台からのべ7,500人のサイクリストが一斉にスタートを切る光景は、圧巻の一言。
初秋を迎えた少しひんやりとする空気の中、熱気が立ち込めていました。



<後編はこちら>

Text_Ayaka


◆最新情報や詳細については、ツール・ド・ブリスベン公式サイトをご確認ください。
https://tourdebrisbane.org/

◆2024レポート
BRISBANE CYCLING FESTIVAL 2024
ローカルサイクリストAYAKAの現地レポート【前・後編】
前編
後編

◆関連ページ
ブリスベン・サイクリングフェスティバル公式サイト
https://www.brisbanecyclingfestival.com/

Profile

Ayaka(編集者・ライター)
オーストラリア/クイーンズランド州ブリスベン 在住。
2011年に自転車旅に魅了されてから雑誌『Cycle Sports』に世界各地からの自転車旅レポートを寄稿。2017年オーストラリア留学中には「G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより」を『Cycle Sports.jp』で連載。帰国後は英教材編集者、自転車NPOの通訳・MCとして活動。2022年ブリスベンへ移住。日々オーストラリアの自転車の魅力を発信中。

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ツール・ド・ブリスベン初開催レポート②
110km、5時間半の時間制限と戦う
ハードなレース

ツール・ド・ブリスベンの開催日は4月14日(日)。総エントリー数は3,209名と初開催にしては非常に多く、スタート/ゴール地点のあるサウスバンクは、早朝から大勢のサイクリストでごった返していました。まずはロードレースであるUCIグランフォンドがエイジクラス毎にウェイブスタートし、続いてエイミーズライドが距離別に分かれてサウスバンクを出発しました。

#Event #Report
TRIP&TRAVEL EVENT
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ローカルサイクリストAyakaのブリスベン現地レポート【後編】

ブリスベン在住のサイクリストAyakaが、パートナーのYoshiと共に地元サイクリスト目線でブリスベン・サイクリングフェスティバルの様子を前後半にわたりレポートします。後編では、目玉となるイベント「ツール・ド・ブリスベン」の大会レポートをお届けします。※前編はこちら 目次 1  ツール・ド・ブリスベンとは?2 スタート、ゴールはエキスポ会場から3 まるで仮想現実!シティのど真ん中を駆け抜ける4 街を一望するストーリーブリッジとハイウェイ5 シンプルだからこそ味わい深いエイドステーション6 「太陽の州」にて7 進化する自転車都市ブリスベン 1 ツール・ド・ブリスベンとは? ブリスベン・サイクリングフェスティバル期間中、ナショナルトラックレース、ナショナルロードレースにファミリーライドなど、数あるイベントの中でも目玉となるのが「ツール・ド・ブリスベン」です。 コースは50km、80km、110kmの全部で3種類。いずれも一般市民向けのファンライドイベントである上に、110kmコース(獲得標高約1,200m)ではUCI(国際自転車競技連合)グランフォンド・ワールドシリーズの参加者資格取得も兼ねたレース部門も開催されます。 このツール・ド・ブリスベンの何がすごいかと言うと、街の中心部から周辺の山間部をつなぐルートを引き、スタートからゴールまで「完全封鎖の都市型ライドイベント」に仕上げたということです。 ブリスベン中心部のオフィスビル群、バス専用道路、高速道路、街のシンボルでもあるストーリーブリッジをこの大会のためだけに完全封鎖したプレミアムなライドイベントなのです。 2  ス […]

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〜家族連れからセミプロまで楽しめるサイクリングフェス【後編】〜

ブリスベン在住のサイクリストAyakaによる、「ツール・ド・ブリスベン2025」の参加レポート後編をお届けします。昨年は80km、今年は50kmのファンライドをパートナーのYoshiと共に駆け抜けたAyaka。市民が日常的に使用する生活道路やバスレーンを封鎖した、オーストラリアの中でも大規模なライドイベントを、地元サイクリストの目線から切り取ります。 前編はこちらから 目次6 雨上がりのブリスベンを駆け抜ける7 50kmコースのハイライト8 80kmコースの醍醐味9 多様な参加者とそれぞれの楽しみ方10 フィニッシュ後は和やかな祝祭ムード11 日本からの参加について12 2024年、2025年大会を通して感じた魅力 6  雨上がりのブリスベンを駆け抜ける 亜熱帯気候で晴天率が高く「サンシャイン・ステート」の名でも知られるクイーンズランド州ですが、季節の変わり目は雨が続くことも。その影響もあってか、大会前日の午後は強い雨風に見舞われました。 当日の天候が心配でしたが、幸いにも夜中に雨はあがり、スタート時には空に晴れ間が広がっていました。とはいえ日の出前の路面はまだ濡れており、スタート直後は前を走るライダーの水飛沫が顔にあたるほど。斜度15%の下り坂では転倒防止のためバイクから降りてそろそろと進む場面もありました。 それでも、日が昇るにつれて路面も徐々に乾き、スリップの心配も減り、快適な走りを楽しむことができました。木々を激しく揺らした前日の雨風が嘘のような好天候は、まさにこの大会のために用意されていたと思うくらいの完璧なライド日和でした。 7  50kmコース […]

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