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アメリカ最大の自転車エキスポ
BIKE NEW YORK EXPO
text by 丸山果恋
夢のようなバイクニューヨークから一年。
会う人皆から「ニューヨーク行ってたよね!」と聞かれるが、それがまだ夢のようで。。
「やっぱり私、あのニューヨークを、、、自転車で走ってたよね!」と都度確認してしまう。
それくらい夢のようで、楽しくて、充実した旅だった。
家族に相談はしたけど、ダメと言われても行くつもりだったから、、、
(というか、ダメと言っても行くのわかっているから、行っておいで!と送り出された、、感謝ですね)
最高の経験をさせてもらったし、あの景色をまた見るため、そして新たな目標のためにまた頑張ろうって背中を押されるようなエネルギーを感じた。
今年(2025年)のエントリーが始まったバイクニューヨーク。
少しでも気になったという人は、ぜひ行ってほしい。間違いなくあなたの人生を素晴らしい方向に導いてくれる経験が待っているから。
ここでは、ほんの少し私が昨年体験できたことをシェアしようと思う。
2024年5月3日、羽田発。
およそ13時間後にNYのジョン・エフ・ケネディ空港へ。 時差の関係で、到着時間は5月3日のお昼。
飛行機ではワクワクしすぎて、遠足前日の子どもみたいに寝ることもできず、ひたすらソワソワ。
到着後寝不足のままホテルにチェックイン。すぐに、先に到着していた日本チームと合流し、気がついたらもうセントラルパークを自転車で走っていた。
全てが心地よい。 アルベルトさんに案内いただきながら、公園内をサイクリング。
道路に出ても、サイクリングロードが広く、スイスイ。その日の夕方にはエントリーをして、
2日後のイベント本番に向けての準備完了。
BNY当日。3時30分に目覚め、ルンルンで着替える。
レースとなると緊張するが、イベントとなると、リラックスして走れるので鼻歌が止まらない。
まだ日の出前の暗いなか、5時すぎにレンタサイクル。
北半球最大のバイクイベントとあって「世の中にこんなに自転車あるの?」ってくらい自転車がズラリ。
自転車のレンタルが終わったらスタート地点まで20分くらい移動。
その間にほどよく体が温まって日も出てくるので気持ちいい。友人のいるVIPエリアをこっそり覗きに行くと、そこにはおいしそうなベーグルやクロワッサン、フルーツにヨーグルト、温かいコーヒー⋯VIP羨ましすぎる。
午前7時、いよいよ開会式からのスタート。
BNYで印象に残っているシーンはたくさんあるが、まずはこのスタートの瞬間。
参加者の声の盛り上がりに加え、自転車についているベルの音がいろんな場所で鳴っている!
それにつられて私も全力で「リンリン!」
3万人を超える人と3万台の自転車が、ここに集まり、まもなくスタートというシーン。
この空気を忘れないようにと、大きく深呼吸をした。
ニューヨークの5つの区をめぐる『FIVE BORO BIKE TOUR』通称、バイクニューヨーク。
交通規制がなされ、各レンタサイクル屋さんから集めた自転車を借りることができ、誰もが安心して参加できる。州が一つになり、迎え入れてくれる、そんな感覚。
区が変わるごとに、雰囲気が一変。それをそれぞれのペースで、見渡すことができる。
スタートは、マンハッタン。
前日に車で通ったのに「本当に明日のコースなの?」と思うほど、クラクションが鳴り止まない、渋滞し放題の場所。それがイベント当日になると、自転車専用の道路になり、自転車を漕ぐ音と参加者の高揚の声に変わっていた。
空気も視界も綺麗でうっとり。昨夜は目の前の渋滞に驚いてあまり周りをみれていなかったのだが、ここは映画でよく見る景色ばかり。 「あれ私、今現実の世界にいるんだっけ?」
日本の何かに例えられるような景色はなく、すべてが初めて。
建ち並ぶビルにもアートが散りばめられており(中には違法なものもあるのかもしれないが、それも質によっては文化として許容されている感じ)、街全体がアートそのもの。
みんなで自転車で走ると、自分たちもアートの一つになっているかのようだった。
あっという間にセントラルパークへ。新緑の木々が迎え入れてくれた。ここは一段と空気が美味しい。道路よりも大きく横に広がることもでき、いろんな自転車と並走できる。
リカンベントバイク、小径車、ロードバイク、クロスバイク、MTBのようなものも。
なんだか「自由でいいんだ〜」って感じた瞬間だったなぁ。
終始ニヤニヤしながら、セントラルパークを後にし、ブロンクスを通り抜け、次に目指すはクイーンズ!
そして、忘れてはならないのが、レストエリア。
気持ちがあがる音楽でDJが迎え入れてくれるから、ここがレストエリアだとすぐにわかる。
休憩中にも音楽が流れているのは、日本のマラソン大会をよく走る私にとって初めての経験。
大量のバナナ、お菓子が用意されており、リペアブースも。
楽しいはずの海外でのイベント参加、「おっと、自転車が、、」と不安になってもレストエリアにいけばリペアブースがあるというのも心強い。間違いなく推しポイントです!
レストエリアを堪能し、クイーンズへ。
2つ目の橋クイーンズ・ボロ・ブリッジ!
全長1,135mのこの橋を渡ってクイーンズに入るのだが、ちらりと左側をみると、ロープウェイが。
ここではクイーンズに向かうロープウェイと並走することができる。
心の中では「えっさほいさ」と頑張って橋を上っていたが、並走するロープウェイに乗る人にかっこいいところを見せたい、そんな気持ちが出てクールにペダルを回してみたり。
クイーンズに入り、すぐ2つ目のレストエリアに到着。
エナジーバーにクッキーにフルーツにドリンクに、と種類がたくさん。
全部食べるぞ!と思っていたが、エナジーバーはさすが。
オーツのグラノーラバーを食べたが、1つでお腹いっぱい。
このイベントに出ると、お腹すいた〜というシーンが一度もない。こちらも推しポイント。
満腹な私は再び自転車にまたがり、3つ目の区、ブルックリンへ。
住宅街に入っていくのだが、思わず「かわいい〜」と声を出してしまう建物たち。
住居なのだが、とにかく可愛くて理想的。きっとベランダからの眺めもいいんだろうなぁ〜。
自転車に乗りながら、街さんぽ。なんとも贅沢な時間だった。
住宅街を抜けると現れるのが、コンテナ。それも距離にして1キロ?もっとあったかな?
ずらっと並ぶコンテナにはグラフィティ・アートがびっしり。
どれもおしゃれで個性があって、ずっとみてられる。
さらに進むと今度はビルやカフェが。
ちょうどモーニングの時間帯だったからか、カフェに向かう人たちがたくさん歩いている。
街の日常に溶け込むみながら、地元の人々の暮らしを見ることができる。
次のレストエリアでは、ナッツやドライフルーツが待っており、しっかり補給した!
ブルックリンも後半へ。再び街に出るのだが、このエリアには高い建物も多く、壁に描かれたアートにも釘づけ。
イベント終盤に差し掛かっていてもなお、五感をどこまでも刺激してくるのがニューヨーク!
さらにそこから。
まさかの高速道路へ。反対車線では車が普通に車両が走っており、私たちが走る方向だけ、自転車のみ。
なんとも不思議な光景にニコニコを通り越して、ヘラヘラしちゃった。
街並みを高速道路から眺めながら、安心してライドする。
この感覚は、BNYを走って感じてほしい。
小雨が降ってきた。疲れも多少ある。でもテンションは変わらない。なぜなら周囲がみんなハイテンションだから。
「ふ〜〜!」「へ〜〜い!」「ワハハ!」NY走ってたらみんなこうなるよ、とあとから振り返ると思う。
ゴールするのが寂しいと思うほど、あっという間の40マイル。
普段のライドはガッツリ走るタイプではないので、距離的に心配ではあったが、あっという間に感じさせてくれたニューヨークの街と、サイクリストたち、そしてこの時の相棒のレンタサイクル。
大人も子どもも、普段自転車に乗らないという人も、自転車の楽しさを知ることができる最高のイベント。
BNYに参加するとできること、それはもちろんNY観光。
気になっていたベーグル屋さんを探しに一人で街を歩いてみたり、
スーパーのオーガニックコーナーにはどんなものがあるんだろうと回ってみたり(日本とは比べ物にならないくらいの充実度!)。
SOHOエリアを日本チームの皆さんと回ってみたり、BNY当日の午後には、MoMAに行ったり(1日じゃ廻りきれん!)。
また、偶然にブロードウェイを観ることができたり(演目はあの『BACK TO THE FUTURE』!最高!)。
もちろんイベントに参加することが最大の目的だったのだけど、
とにかく五感を刺激され、インスピレーションの源がたくさん。今後やってみたいこと、知りたいことが浮かびすぎて渋滞するほど。
人生を楽しもう、自分の人生を生きよう、と思わせてくれた街、NY。 そのきっかけをくれた、BNY。参加してよかったと心から思っています。
Profile
丸山果恋 / Karen Maruyama
大阪府出身。
2013年に大学入学と同時に上京。2016年東洋大学準ミスグランプリをキッカケに芸能活動を開始。バラエティ番組からラジオアシスタント、DJ、和太鼓ユニットでの活動後フリーに転身。現在「渋谷のラジオ『渋谷自転車部』」でアシスタントを務めながら、「LiveRun」というランナー向けアプリでトレーナーとしてランナーのサポートをしている。自身は2023年の東京マラソンでサブ4達成。ロードバイクや登山、トライアスロンにも取り組んでいる。「Runtrip」「FRAME Channel」などのYoutubeにも出演中。健康的な人生にするためには、適度な運動が必要ということを考えており、あらゆる人に運動の大切さを伝えている。
公式Instagram : https://www.instagram.com/karen_maruyama/
公式X : https://twitter.com/karen_maruyama_
投稿日:2025.02.21