サーフィンの聖地へバスで日帰りライド。

今年も世界最高?のライドイベント、ハワイの楽園を走るホノルルセンチュリーライドの募集が始まりました。
日本から参加を重ねるライダーも多いホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)は今年で43回目の開催を迎えます。3度目の参加と、常連ライダーとなったGlobal Rideの河瀬大作コミュニケーションディレクターは、イベントの前後にどんなハワイを満喫しているのでしょうか?

その答えは、「ノースショア」にありました!

日帰りでの往復ができ、ホノルルとは違ったローカルな雰囲気が漂う人気スポット。2回連載で、常連ライダーのノースショアトリップをお届けします。



Text & Photos by Daisaku Kawase

ワイキキというのは観光客にとって実によくできた街です。南国リゾートの究極の完成形ともいえます。ただそれだけに、すべてがソフィスティケートされていて、いわゆる”ハワイらしさ”というかローカルならではのゴツゴツ感はあまりありません。

でも、もっとローカル感を感じたいという人、いますよね。

そんなあなたにおすすめなのが、ノースショアです。

えーでも、行くのが大変そうっていう声が聞こえてきます。レンタカー借りるのは大変そうだし、タクシーだと高そうだしって、尻込みしちゃうかもしれません。そんなあなたに朗報です。ノースショアへはバスで輪行がサクッとできるのです。ワイキキからは、THE BUSで2時間。HOLOカードを買う必要がありますが、ワイキキの至る所にあるABCストアでゲットできます。1日券が7.5ドルです。しかもTHE BUSは自転車をそのままのっけても大丈夫です。

ノースショアは、サーフィンの聖地であり、ホノルルでは感じられない素朴さを感じられます。

というわけで、ノースショアへブロンプトンを持って行ってまいりました。

出発したのは朝8時。ほぼ1時間おきにバスはある感じです。バスに乗り込むと乗客はまばら。ブロンプトンはシートの隙間にすぽっとはまります。
うつらうつらしていると、途中のバス停で、高校生やら、労働者やらが、どかどかと乗り込んできます。生活感がバス中に充満する。途中、大きな工場があったり、ドールバナナのプランテーションがあったり。ワイキキでは見ることのない飾らないハワイがつぎつぎと現れてきます。

そうそう、旅ってこういうのが面白いんだよなぁ。

HOLOカード。ホテル近くのABCストアでゲット
乗り場はアラモアナセンターの裏手にある52番
ブロンプトンにぴったりの隙間
THE BUSの車内。地元の人たちの生活の足。観光客はほぼいない
途中で乗ってきた少年。ローカルの高校生だろうか

ホノルルを出発して、およそ2時間。ハレイワタウンにバスが到着。この先もバス停がありそうだったけれど、とりあえず降りてみることに。

まだ10時を少し回ったぐらいで、ほとんどお店は空いていません。しかし、ものすごく旨そうな匂いを発生させている一角があります。もうもうと煙をあげて何かを焼いています。近づいてみるとそれはチキン!金属の長い棒に、丸鶏が数羽ぶっささっていて、電動でなのかクルクルまわっています。まるでヨーロッパでよくみる、サッカーゲームみたいです。棒をくるっと回すと選手も回転して、ボールを蹴るやつ。これがフリフリチキンか!
その周りを野生の鶏がコケッコッコと歩き回っています。君たちもまもなく…と想像してしまうなかなか野趣溢れる光景でした。
ものすごく旨そうだったのだけれど、サンドイッチとコーヒーが食べたかったので、パス。今思うと、お腹がはち切れてでも食べておけばよかったとちょっと後悔。それほどに旨そうだったんだよなぁ。

オープンエアのフリフリチキン。匂いに釣られて次々と客が訪れる
機械仕掛けで自動でぐるぐるまわる。猛烈にいい匂いを発生させて客を引き寄せる
改修工事中の由緒ある教会
サーフィン専門のパタゴニア。店員さんがブロンプトンに興味津々だった

ハレイワタウンは1本道の両側に広がる小さな街です。自転車なら5分もあれば一周できます。ウインドーショッピングをしながら11時になるのを待って、お目当てのベーカリーショップ、Waialua Bakery & Juice Barへ。手作り感万歳の可愛らしい建物が目印です。
サンドイッチは、まず具材を選び、そのあとパンの種類を選びます。僕はチキンとアボカドに、パンはWheat、そしてコールドブリューコーヒーにミルクをいれてもらいました。店先のテラスに腰を下ろして、早速いただきます。トマトやレタスなどの野菜もたっぷりと入っていて食べ応え十分。コールドブリューのコーヒーがはげしく旨い。香りがグッと立っていて、それでいて深みがある。このコーヒーだけでもバスに揺られてここまできた甲斐があります。
店先でくつろいでいると、地元のサーファーっぽい人たちは、次々とやってきます。さすがサーフィンの聖地です。この場所で、ずっとサーフィンをしながら働いて、歳をとっていく人生もあるんだなぁ、と自分とは違う世界線で生きる人たちに思いを馳せたりもしました。

サンドイッチが人気のWaialua Bakery & Juice Bar
地元のサーファーが腹ごしらえに立ち寄っていた
Roasted Chiken Avo.(12ドル)とコールドブリューコーヒー(4ドル)
アボカドがかぶりつくとはみ出すので、食べるのに一苦労だが、最高に美味です

ハレイワタウンでもう一軒、目星をつけていた店がありました。服などの雑貨を扱う NEMBER808です。店内には、ショップオリジナルのTシャツや、オーナーがセレクトしたセンスの良い新品と古着が置かれています。The SmithsやThe Jesus & Merry ChainなどのバンドTシャツやカセットテープなども置かれていて、サーフィン一色のハレイワタウンではちょっと異彩を放つお店です。それにしても、808ってなんなんだろうと、女性のオーナーさんに聞いてみると、これはハワイの市外局番なの、と教えてくれました。お土産にオリジナルTシャツを2枚ほど買いました。オーナーは気さくな方で、ついつい話し込んでしまいました。

お店の隅々までセンスがよい
オリジナルTシャツは種類が豊富
20分ぐらいいたのだが、観光客と地元客が数組訪れるほどの人気店だ
気さくなオーナー、名前を聞けばよかった

せっかくノースショアまで来たんだから、海もみたいと思い、google mapを開いてみると、砂浜で日光浴をしているウミガメに出会えるラニアケアビーチを見つけました。ハレイワタウンからはおよそ4km、自転車ならあっというまです。こういう時のフットワークの軽さが自転車のいいところです。

走りはじめて5分もすると海沿いの道にでました。サーフショップが立ち並び、サーファーがわんさといます。きっと世界中から集まっているんだろうなぁ。

ラニアケアビーチは、週末だということもあってか、多くの人たちが詰めかけていました。この時期はウミガメに出会いやすいとあったので、ビーチを少し歩いてみましたが、残念ながら出会うことはありませんでした。
ビーチには「Sensitive Habitat(配慮を要する生息地)」と書かれた看板がありました。3メートル以内に近づかない、と書かれています。日本なら間違いなく立ち入り禁止だと思います。自然と暮らすハワイのおおらかさを感じました。

川ではサップをしている人たちがいっぱいいた
ラニアケアビーチ
こんな看板がいくつかおかれていた
ウミガメの暮らすビーチでくつろぐって映画みたい
素敵な自転車ね、っていろんな人から声をかけられました

この日の14時にワイキキで、友人との約束があり、ノースショアの冒険はここまで。バスだとギリギリになってしまうので、Uberを呼んで帰ることにしました。

たった半日のショートトリップでも、ワイキキとは全く違うハワイと出会うことができます。それに自転車があれば行動範囲が広がり、より楽しみもふえます。ノースショアに限らず、ホノルルからは輪行可能なバスが他にもたくさんでています。みなさんも、バス輪行のショートトリップ、トライしてみてはどうでしょう。

Profile

河瀬大作/Daisaku Kawase
フリープロデューサー、(株)Days 代表、GlobalRide コミュニケーションディレクター
愛知県生まれ。ロードバイク歴16年、絶景ライド好き。仕事の合間を縫い、自転車担いで全国へ出かける。愛車はトレック。NHKでプロデューサーとして「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」「おやすみ日本 眠いいね」「あさイチ」などを手がけたのち2022年に独立。番組制作の傍ら、行政や企業のプロジェクトのプロデュースを行う。

FEATURE TRIP&TRAVEL CULTURE EVENT
Travis Counsell氏インタビュー
誰もが自転車ライフを楽しめるハワイへ

9月の最終日曜にあたる29日。今年で41回目を迎えた「ホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)」が終了しました。 GR編集部スタッフがたくさんの参加ライダーと言葉を交わした中で、数名の方から頂戴した質問がこちら。「こんな最高なライドイベントは、そもそもどのような団体が主催しているのか?」 ということで、本大会を主催する団体・Hawaii Bicycling Leagueのエグゼクティブディレクターを務め、自身も自転車を愛してやまないトラヴィス・カウンセル(Travis Counsell)氏に、インタビューを行いました。最後に参加者の方へのメッセージも頂戴しましたのでどうぞご覧ください。 _Global Ride編集部(以下GR)大会概要を改めて。 _Travis氏(以下敬称略、Travis)本大会はハワイで最大規模のロングライドイベントです。1981年に初開催し、41 年にわたる歴史があります。イベントの主催は私たち「Hawaii Bicycling League(以下HBL)」で、非営利団体です。2003年より日本での受付を開設し、HCR ジャパンオフィスであるHM-Aと協力し、大会を運営しています。主要なスポンサーにJALが入っているので日本からの参加ライダーも多いです*1。 *注1_ホノルルセンチュリーライドと日本の深い関係は別記事でお届けします。お楽しみに! _GR  HBLの活動理念は? _Travis 「Share the Road (道路の共有)」。 Health、Recreation、Transportの3つをキーワードに、ホノルル及びハワイが自転車と歩行者に […]

#Hawaii
FEATURE TRIP&TRAVEL EVENT
ホノルルセンチュリーライド2025
5組のライダーが描くトリップノート #05-1
4泊6日/南の島のカメハメハ・ロード、王道は想像以上に王道だった

シリーズでお届けするホノルルセンチュリーライド2025参加ライダーによるホノルルライドトリップノート。最終回の第五回はThe Japanese Odysseyレポートやローヌ川ライド紀行などをはじめ、海外のサイクリストやサイクリングルートとも接点が多い下城英悟氏によるフォトレポートをお届けします。ザ・ハワイ、ザ・アメリカ、なライド写真の数々。本当はもっと掲載したいのですがページの限りがあるので…(あるのか?)、それはまた別な機会に。珠玉のフォトレポートです。2026年のホノルルセンチュリーライドへの妄想にぜひ! Note by Eigo Shimojo 2025年、うだる真夏の某日、GR編集部よりホノルルセンチュリーライド(HCR)取材の依頼がくる。実走してレポートしてほしいとのこと。輪界(自転車業界の通称)の最末席に陣取り、レースや文化界隈の重箱の隅を暴走してきた筆者に、いよいよこの時が…、ひとり感慨深い。”ホノルル・センチュリーライド”の伝統と輝きは心得ている。ハワイという特別な立地に長らく根付く伝統の100mileは、この種のイベントの王道と言って良いだろう。自転車仲間や同業者の多くが、過去に何度となく参加していたし、その体験を人づてに浴びてきたので、参加した気でいるくらいだった。獣道を来た筆者にはひときわ眩しいが、満を持してお鉢が回ってきたとなれば、ハワイの王道を自ら走り、人づてのバーチャルで矮小なる夢などは、しっかり塗り替えなくてはならない。取材日程は、4日間。ハワイアンライドの魅力を、Dole社のパイナップルジュースよろしく、ぎゅぎゅっと高濃縮してダイアリー、いざ! […]

#Hawaii #Trip