
〜ホノルル滞在を楽しむメジャー&オルタナティブスポット〜
*本ページはジェットスター航空のプロモーションを含みます
2025年9月、Global Ride編集部がライド&ランイベント「Port Douglas Grand Fond」の参加取材で向かったのは、クイーンズランド州にあるケアンズ国際空港。現地時間で朝5時前、入国ゲートをくぐると、世界自然遺産の珊瑚礁や熱帯雨林を見るため日本からのツアーでいらしたお客様で大賑わい!機内で寝て、早朝に到着するジェットスターの直行便は大人気。到着後はバスやレンタカーで目的地へ向かい、ゆったりと初日を楽しむことができます。時差もたったの1時間。スポーツイベントに参加される方はなおさらストレスフリーで体調を整えられます。
ケアンズ国際空港到着後、私たち編集部は、同じく「Port Douglas Grand Fond」に参加されるAyanoさん、Yoheiさんとポートダグラスのエントリー会場で待ち合わせることに。ブリスベン在住で建築事務所を主宰するお二人は、ライダーでもあり、自転車から都市や自然を観察されています。イベントとこの土地の見どころ紹介はお二人にお任せすることにしましょう。
中編はイベント初参加のAyanoさんによる、ケアンズと「Port Douglas Grand Fond」のレポートをお楽しみください。
Text_Mayumi Kamura / Global Ride
ブリスベン在住の私たちは、ブリスベン国際空港から大会前日の早朝にケアンズ国際空港へ到着。ケアンズからポートダグラスまでは約70㎞。当初は、自転車で移動できないかとルートを模索していましたが、途中のパームコーブまではある程度遊歩道が整備されているものの、パームコーブから先はハイウェイしかないため断念。シャトルバスもありますが、滞在中、あちこち行くことも考え、空港でレンタカーを借りました。
ケアンズからポートダグラスに行くルートは海岸沿いのキャプテンクック・ハイウェイを行くルート(約1時間)と、世界遺産の熱帯雨林を挟んで内陸側のマリガン・ハイウェイを行くルート(約2時間)があります。キャプテンクック・ハイウェイは大会で走るので、今回は内陸のルートを選択。
ケアンズ周辺でどうしても見てみたかったのがケアンズとキュランダを結ぶ観光鉄道キュランダ高原列車(https://www.ksr.com.au/)。この鉄道は1891年代に開通した元産業鉄道で、州遺産にも登録されている歴史ある路線です。当時の技術水準において驚異的な土木工学の偉業とされるほど、険しい熱帯雨林の山岳地帯を通過する鉄道は見どころがたくさん。1日あればケアンズから往復することができます。今回は時間の都合上、鉄道には乗車せずにキュランダ駅とバロン渓谷のみ訪問して次の目的地、マリーバへ。
ロードトリップはオーストラリア旅行の醍醐味。海岸沿いを行けばリゾート地をめぐる旅になるし、内陸側を行けば様々な産業の町に出会うことができます。マリーバの街で最初に見かけるのがコーヒー農園。テーブルランズと呼ばれる周辺地域は肥沃で水はけのよい火山性土壌であり、国内コーヒー生産量の約85%を占めているともいわれています。コーヒー文化が世界的に有名なオーストラリア。しかしほとんどが輸入品のため、国産のコーヒー豆を入手できるのはかなりレア。コーヒー価格の高騰もあり、国内生産を拡大しようという動きが高まっているので今後に期待。
町の歴史に興味のある人にお勧めしたいのがマリーバ・ヘリテージ・ミュージアム(https://www.mareebaheritagecentre.com.au/)。かつて使われていた建物が移築され、村のようになっている地域博物館で、入植当時の暮らしや産業の歴史を知ることができて楽しい。週末にはマーケットも開かれています。
ちなみにここは観光案内所も兼ねており、マリーバとアサ―トンを結ぶアサ―トン・テーブルランズ・レールトレイル(https://www.railtrails.org.au/trails/atherton-tablelands-rail-trail/)のスタート地点にもなっています。片道約40㎞なので日帰りで行くもよし、アサ―トンで一泊するもよし、自転車があればオーストラリアの広大な内陸の風景を楽しめそう。近くには、ディンデン国立公園の麓を走るデイヴィスクリーク・マウンテンバイクパーク(https://parks.qld.gov.au/parks/davies-dinden-bare-hill/things-to-do/mountain-bike)もあります。
あちこち寄り道をしていたら日が暮れてきてしまったので、急いでポートダグラスへ。ロードトリップの道中、是非立ち寄ってみてほしいのが時折みかける直売所。スーパーでは買えない素敵なローカルプロダクトに出会えます。
高級リゾートタウンとして有名なポートダグラスはとにかく宿が高い…。ということで、エコノミカルな旅をしたい方にはキャラバンパークがお勧め(https://tropicbreeze.com.au/)。キッチンやベットが備わっているキャビン、電源付きのキャンプサイト、電源なしのキャンプサイトの3種類があり、それぞれ料金が異なります。
キャラバンパークの一番の魅力はとにかく様々な人と出会うことができること。ワーキングホリデーで周囲のホテルで働きながら長期滞在しているフランス人の若者たち、オーストラリアに住む家族に会うために1ヶ月旅行しているイギリス人とベルギー人のカップル、老後のロードトリップを楽しんでいるドイツ人の老夫婦、そしてグランフォンドに参加するためにケアンズから来たおじさんなど、滞在理由も期間も皆それぞれ。距離の近さから自然とコミュニケーションが始まります。ポートダグラス周辺で行くべき場所やお勧めの自転車コースなど、情報交換の場としても最適です。
なかにはキャラバンパークに宿泊して、食事は近くのリゾートホテルで楽しむ、という人も。旅慣れしている人の話は色々と参考になります。多くのキャラバンパークは街中の便利な場所にあり、設備も整っているのでキャンプ初心者にもお勧めです(テントと寝袋一式は要持参)。
残念ながら4年目となる今回で最後となってしまったポートダグラス・グランフォンド。レースではなく様々な参加者に開かれたイベントで、136㎞と100㎞のグランフォンド、60㎞セミフォンド、48㎞メディオフォンドから選択できます。普段は趣味でグラベルバイクに乗る程度で、ロードバイクのイベントに参加するのは初めて。やや緊張しながら100㎞コースに参加しました。平均時速15㎞以上で走れば大丈夫ということなので、最後尾でゆっくり走ることに。前日からの悪天候が心配されるなか、9月14日午前6時25分、夜明けと同時にスタート。
グレート・バリア・リーフ・ドライブとも呼ばれるハイウェイ。通常は車の往来が多く自転車で走ることが難しい海岸道路を独り占めできる、とても贅沢な時間。サンゴ海と世界最古の熱帯雨林を交互に感じながら、緩やかなアップダウンを繰り返すコース。坂道を上りきった先ではご褒美のように美しい海岸の風景が。
約20㎞ごとにエイドステーションがあり、様々な風景を楽しみながら休むことができます。やさしく声をかけてくれるボランティアの方々に本当に感謝。内容は水、フルーツ、ケーキ、ナッツバー、補給ジェルなどとてもシンプル。私たちは各自ミニおにぎりを5個持参。ライドの補給食にはもってこいです。
海岸道路以外にも農道を通るセクションがあり、オーストラリアの夏らしいちょっとした風景に心が動かされます。
約6時間(走行時間5時間)でゴール。ほぼ最後尾だったせいかゴール地点の人もまばらだったので、近くでひらかれていたマーケットへ。アイスコーヒーを飲みながら一休み。
参加者が少なめでアットホームな雰囲気が逆に初心者の私たちには走りやすかった今大会。ポートダグラス周辺の豊かな自然に後押しされて人生初の100㎞を完走する貴重な経験になりました。
Text_Ayano Toki
Profile
Ayano Toki
ブリスベンを拠点とする建築設計事務所Parafeeld共同主宰。オーストラリアに移住後、ツーリングバイクに乗り始める。自転車を介して都市と自然の関係やその歴史を学ぶことに関心があり、時折クリーク・ライドやレールトレイル・ライド、バイクパッキングに出かけている。
投稿日:2025.10.22