# Lifestyle

自転車で走ればアートが生まれる。
『TOUR DE TSUMARI/ツールド妻有』主催者、建築家・伊藤嘉朗さんインタビュー(後編)

毎年、新潟県で開催されている『TOUR DE TSUMARI/ツールド妻有』(以下、『ツールド妻有』) は最大で走行距離120kmを走るコース。タイムトライアルではないため、風景や地元の人たちのもてなしを楽しむことができる。特筆すべき点は、このイベントが移動すること自体をテーマとしたアート作品という点だ。発起人は建築家・サイクリストの伊藤嘉朗(いとうよしあき)さん。前回に引き続き、伊藤さんに話を聞いた。 *前編はこちら 展覧会とレースの融合 展覧会というと、美術館での展示を想像する人が多いかもしれない。3年に一度開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は世界最大級の国際芸術祭であり、なんと200の集落に作品を点在させている。美術館での展示を合理的とすると、この観せ方は真逆に位置し、とても非効率的な展示スタイルだ。人々はマップを片手にアート作品を探して回る。とても1日で観回れる規模ではない。作品鑑賞時間より作品のある場所に行く時間の方が長いはずだ。だからこそ、アート愛好家だけではなく幅広い層の知的好奇心を刺激するのだろう。里山を歩き、湧き水を飲み、名産の蕎麦を食べ、地域の人たちに道を尋ねる。自分で楽しさを見つける展覧会なのだ。 当初、伊藤嘉朗さんは、ツール・ド・フランスのような何日もかけて行うレースを構想していた。2年後に予定されていた「越後妻有アートトリエンナーレ」でレースを「アート作品」として開催しようと考えたのだ。しかし、大規模なレースを開催するとなると交通規制や行政などとの様々な調整が必要になる。伊藤さんは2年の時間をかけてコースやイベントの構成を考えた。 […]

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サイクリングがアート作品の一部になる!?
『TOUR DE TSUMARI/ツールド妻有』主催者、建築家・伊藤嘉朗さんインタビュー(前編)

ロングライドはサイクリストの楽しみのひとつだろう。毎年、新潟県で開催されている『TOUR DE TSUMARI/ツールド妻有』(以下、『ツールド妻有』) は最大で走行距離120kmを走るコース。タイムトライアルではないため、風景や地元の人たちのもてなしを楽しむことができる。さらに特筆すべき点は、このイベントが移動すること自体をテーマとしたアート作品という点だ。発起人は建築家・サイクリストの伊藤嘉朗(いとうよしあき)さん。2回にわたって『ツールド妻有』の成り立ちについて伊藤さんに話を聞いた。 *後編はこちら 目次 予期せぬ出合い 何かに出合い、魂を揺さぶられることがある。ゲーム、音楽、映画、ファッション、車、風景、食べ物、動物、仕事、ライフスタイル。それがどんなものかはわからない。理由や論理的なものはないのだ。ただ、好きになる。それも猛烈に。魂の揺さぶりは、その後の人生を変える。 建築家の伊藤嘉朗さんは、大学生の頃にロードバイクに出合った。以来、移動の大部分が自転車になったのはもちろんのこと、サイクリングイベント『ツールド妻有』を開催するまでに至った。これは越後妻有(新潟県)の里山や信濃川の岸辺を自転車で走るイベント。普通の自転車系イベントと違うのは、アート作品や建築作品などを見ながら走ることができるという点だ。タイムを競うレースではない。しかし、最大で走行距離120kmを走るコースが用意されており、走り応えのあるイベントでもある。2006年の開催以降、伊藤さんを中心に、地域の人々の協力のもと、ほぼ毎年開催されている。 きっかけはサッカーだったと伊藤さんは話す。話は19 […]

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海外サイクリング事情2021
台湾ヒルクライムライドレポート編

台湾は、かねてより自転車乗りにとってアツい場所だとご存知でしょうか?この小さな島には富士山より高い山がそびえ、ロングライドと同じくらいヒルクライムが人気のアクティビティ。 さらにロードバイクを一度でも買おうとした人なら誰もが知るバイクメーカー「GIANT」や「MERIDA」をはじめ、自転車メーカー群雄割拠。今回はその台湾に早くから魅せられ、台湾在住15年になる日本人ライダー安田さんから、ヒルクライムの魅力とサイクルライフの様子をご紹介いただきます。※この記事は2021年10月の記事の再掲載です。 目次 台湾ってサイクリストにとってどんなところ? 日本最西端の与那国島からほんの111km先にある、九州本土程度の大きさの島国、台湾。小さいながら国土中央には富士山と並ぶ3,000m級の山々が200以上あり、最大標高の玉山(ユイシャン)は富士山より高い3,952mを誇ります。 海抜0mから標高3200mを走破する壮絶なヒルクライムコースは世界中のライダーから注目されています。加えて、海沿い・川沿い・湖沿い・都市近郊などは風光明媚なサイクリングロードの整備も充実していて、日本から手軽に行ける「自転車天国」として人気です。 台湾での新型コロナの状況 早くから水際対策を徹底し、世界各国でコロナウィルスが猛威を振るう中でも、長い間国内感染を抑え込むことに成功していた台湾。 しかし、2021年5月に台北市を中心に各地へ広がる形で感染者数が上昇、一時新規感染者が800人にのぼる日も出ました。(台湾の人口は2,300万人なので、日本の人口比率だと4,500人程度の感染者数。) それまで入国者の隔離、 […]

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海外サイクリング事情2021
サイクリングコース「パールハーバー・バイクパス」編

アメリカ・ハワイ「ダニエル・K・イノウエ国際空港」の北側エリア、アイエアから、パールハーバー・バイクパスを走ってエワ・ヴィレッジ、カポレイ、コオリナに向かう片道14マイル(23km、往復47km)のライド。日本人が身近に感じる海外「ハワイ」から、ワイキキライド、カカアコライドに続き、ロコ(地元)ライダーのRodさんによる、観光客が知らない人気サイクリングコース「パールハーバー・バイクパス」を紹介します。 ※この記事は2021年9月の記事の再掲載です。 目次 コース紹介 アメリカ・ハワイ「ダニエル・K・イノウエ国際空港」の北側エリア、アイエアから、パールハーバー・バイクパスを走ってエワ・ヴィレッジ、カポレイ、コオリナに向かう片道14マイル(23km、往復47km)のライド。 Makule Riders 集合! 私は普段、顔馴染みの仲間と週末のアクティビティとしてサイクリングを楽しんでいます。一緒に連れ立って走る仲間とは、お互いを「Makule Rider(ハワイ語で「おやじ」の意)」と呼び合う間柄。そんな私たちお気に入りのコースをご紹介します。 まずはオアフ島南側のに位置する大きな湾、「パールハーバー」を臨むアイエア地区の公園、「ニール S. ブライスデル・パーク」に集合。この公園から本日のメインルート「パールハーバー・バイクパス」を走り始めます。 雰囲気のいい静かな公園はピクニックやランニング、ウォーキングを楽しむたくさんのロコに利用されています。そしてもちろんライダーにとっても、この公園はサイクリングのスタート地点になっています。 パールハーバー・バイクパスとは この公園を縦 […]

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海外サイクリング事情2021
ハワイ・カカアコ編

海外になかなか行くことができない現在、日本人が身近に感じる海外「ハワイ」から、ロコ(地元)ライダーのRodさんに、ワイキキライドに続き、サイクリングで人気のエリア、カカアコの様子を自転車を通して紹介してもらいました。 ※この記事は2021年8月の記事の再掲載です。 目次 コース紹介 アラモアナビーチパークをスタートして、カカアコを散策したら、サウスキングストリートの自転車レーンを走ってスタート地点へ戻る13マイル(21キロ)のライド。 アラモアナビーチパークから出発 「アラモアナショッピングセンター」からすぐの「アラモアナビーチパーク」は広々としたビーチが魅力。27℃の明るい天気に貿易風が心地よく、ピクニックや夏休みを楽しむたくさんの人が過ごしていました。 ケワロ・ベイスンは海のアクティビティを楽しむひとでいっぱい アラモアナの隣の船着き場「ケワロ・ベイスン」は、釣りや、カタマラン、船底がガラス張りで海の様子が見えるグラスボトムボートなど、海のアクティビティを楽しむ船がたくさん並んでいます。 ロックダウンの時はたくさんの船がここに停留したままになっていましたが現在はたくさんの観光客でにぎわっています。 ケワロ・ベイスンの横にお弁当(ハワイでもBento Boxと言います)屋さんの小さなテントを見つけました。 なんと5ドルで売っているのだそうで、中身が気になりますね…(ハワイで5ドルの弁当は激安です)。 ロコお気に入りのカカアコウォーターフロントパーク ケワロ・ベイスンをこえて走るとまもなくもう一つの公園に辿り着きます。 ここは「カカアコウォーターフロントパーク」。砂浜のビーチは […]

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海外サイクリング事情2021
ハワイ・ワイキキ編

海外になかなか行くことができない現在、日本人が身近に感じる海外「ハワイ」から、ロコ(地元)ライダーのRodさんに、観光地のメッカ、ワイキキの様子を自転車を通して紹介してもらいました。 ※この記事は2021年6月の記事の再掲載です。 目次 コース紹介 新しいお店も開き、長蛇の列の人気店も 観光客の交通は様変わり 美しいビーチへ到着 動物園も公園も開園中、ですが… ダイアモンドヘッドの定番絶景スポットも少し寂しげ ちょっと横道にそれて、おすすめサイクリングルートへ立ち寄り ワイキキを走って感じたこと ライダー紹介     コース紹介 ワイキキエリアに隣接するアラワイ運河の東からスタート。 西のワイキキビーチウォークからワイキキの中心街とダイアモンドヘッドを一周まわる8マイル(約13km)のライド。 新しいお店も開き、長蛇の列の人気店も 2020年春に始まったロックダウンではすべての観光業・小売業が休業しましたが、その後ロックダウン解除とともに徐々に営業を再開、10月からは観光客もハワイ旅行が可能に。現在はアメリカからの国内旅行者を迎え、賑わいが戻ってきています。 建物内ではマスク着用が必要ですが、街中はマスクをしないで歩くことも許可されています。店舗前にはオープンエアーのイートインスペースが設置され、のびのびと食事を楽しむ人の姿も。 早朝から人が並ぶ人気店もあれば、新たにオープンしたお店も出てきて、観光業が戻りつつあるのがわかります。 素朴な手作りアイスクリームとシャーベットが人気の老舗店「Henry’s Place」(日本人には高橋果実店という名前でおなじみ)の横には新しいケーキ […]

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ツアー・オブ・ジャパン大会ディレクター
栗村修さんによる
メレ・オブ・バイシクリング参加レポート

国内最大規模の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の大会ディレクターを務める栗村さんが「Mele of Bicycling(メレ・オブ・バイシクリング)」に参加してくれました!栗村さんの参加レポートをお届けします。※現在イベントは終了しています。※この記事は2021年5月の記事の再掲載です。 栗村修さん参加レポート グローバルライドイベントさんが企画・運営する新しい形のオンラインイベント「Mele of Bicycling(メレ・オブ・バイシクリング)」に参加いたしました! こちらのオンラインライドイベント、毎年4月にハワイ・オアフ島のノースショアを走るリアルライドイベントの「ハレイワ・メトリック・センチュリーライド」がコロナ禍の影響で開催中止となったため、新たに形を変えての開催となった新様式のオンラインライドイベントなのです。 日本にいながらハワイを満喫できるということで、早速「Mele of Bicycling(メレ・オブ・バイシクリング)」の公式サイトを熟読してみました。 なるほど、これは新しい!普段自分が走っているエリア周辺のハワイを探し、走行ログと写真を送るだけで、オリジナルグッズがもらえるという、コロナ禍にはピッタリのシステムとなっています ということで、早速チャレンジしてみました。 今回私が選択したのは「ハーフメトリックセンチュリー(50km)」コース。 他にも、100km/200km/500kmと走りごたえのある距離を選択可能ですが、ツアー・オブ・ジャパン前ということもあるので、半日で走破できるコンパクトな距離を選んでみました。 そしてまずは地元周辺 […]

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オンラインイベント
メレ・オブ・バイシクリング参加レポート

ゴールデンウィークは、言わずもがなライドにぴったりのシーズン。緊急事態宣言が発出され、たくさんのイベントが中止を余儀なくされていますが、Global Ride 事務局が運営しているメレ・オブ・バイシクリングは、そんな中でも参加可能なオンラインイベント。 日本中お好きなルートを走ってログを申請すると完走が認められるこのイベントは、「ハワイを感じる」をキーワードに完走すると素敵な参加記念品がハワイから贈られるほか、スペシャルエイドとして参加ライダーに特別なサービスを提供しているお店との提携もあり。エイド中の腹ごしらえもハワイアンフードにして、1日ハワイ気分でライドしちゃおうという企画です。 Global Ride編集部も日頃の運動不足を解消すべく、参加者として挑戦してみました♪ ※現在イベントは終了しています。※この記事は2021年5月の記事の再掲載です。 スタートは戸田公園 筆者最寄り駅「戸田公園」からスタート。 今日の目的&ランチはスペシャルエイドに設定されている「コナズ珈琲東浦和店」。片道およそ10kmのライドです。 住宅街を抜けて外環自動車道へ。高架下はJRの線路がずらっと並んでいます。 電車好きとしては、ちょっと萌えスポット(ハワイ関係ないけど…)。 高架を渡りきると突如、BMXコースを発見。コースに囲まれたエリアに時計をくねっと折り曲げて立っているゴリラがいる。 公園の名前はそのものずばり「ゴリラ公園」、なんでゴリラ…? 名前はともかく、このBMXコースは結構長くて起伏に富んでいます。 小さな子供も、大人に交じってオフロードバイクでガンガン走っている。楽しそう!BMXは […]

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秋ライド!
紅葉の聖地日光&奥日光ライドレポート

目次 1.いま一度、奥日光のおさらい 2.ライドの始まりは東武日光駅から 3.まずはド定番日光東照宮へ 4.本日のメインを前に、軽く腹ごしらえ 5.いろは坂ライド、スタート! 6.トンネルをくぐって、ゴール!&奥日光の始まり中禅寺湖 7.第2章スタート・奥日光ライド 8.閉ざされたゲートの先に、映画の世界のようなサイクリングコース! 9.中禅寺湖の反対側、千手ヶ浜に到着! 10.おまけ:帰り道も見ごたえあり 11.まとめ ・見どころと、アップダウンの変化に富んだ日光&奥日光サイクリング ・紅葉への期待感が半端ない! ・千手ヶ浜へ向かうサイクリングコースのとっておき感! ・名所も気ままに楽しむなら早朝スタートが吉 ・ライトは忘れずに! 今年はどこ行く?秋のライド 10月に入りいよいよサイクリングシーズン到来。新型コロナの影響で夏の外出は制限されたけれど、GOTOキャンペーンも始まり、ライドしたい気持ちが高まります! のびのび自転車を走らせながら、これから美しい紅葉を迎える栃木県奥日光を一足お先にライドしてきました。 ※この記事は2020年10月の記事の再掲載です。 いま一度、奥日光のおさらい 日光の中でも紅葉の名所が集まる奥日光は、東武日光駅から西の華厳の滝よりさらに標高が上がる北西部一帯のこと。 「秘境」とも呼ばれるこのエリア、男体山に代表される日光連山のもたらす標高差と、湖・滝・湿原など水源の環境が合わさり、幅広い自然が凝縮されています。 寒暖差によって色づく紅葉は特に鮮やかで美しく、秋にはたくさんの人が訪れる観光スポットで、中禅寺湖の湖畔を彩る紅葉は見もの。今回はこの中禅寺 […]

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りんりんロードライドレポート②
初心者ライダーにもお勧め
廃線を再利用したサイクルロード

目次 1. 二日目の「旧つくば鉄道コース」は、田舎の夏休みのようなノスタルジーライド 2. 廃線の線路がサイクリングロードに。車道や歩道と”併走しない”珍しいコース 3. ホームの面影が残る休憩スポットで自然の木陰に癒される 4. 城跡、牧場、アイスキャンディー、理想的な夏休み! 5. 筑波山を目印にシンプルな一本道は、初心者ライダーでも安心 6. 真壁の昭和な雰囲気の食堂でいただく絶品パーコー麺 7. コースにあふれる花を愛でつつ帰路につく 8. 春は桜の絶景!彩とりどりの景観が楽しめる 9. 一番好きな駅に着いたら、淹れたてのコーヒーでライドを振り返り 10. まとめ ・初輪行&初1泊ライド、最高の経験にしたいなら土浦から始める「りんりんロード」 ・早めの出発がオススメです ・季節が変わると楽しみも変わる ・せっかくライドするなら「野点(のだて)コーヒー」でより味わい深く 二日目の「旧つくば鉄道コース」は、田舎の夏休みのようなノスタルジーライド 前回は霞ヶ浦1周111kmのロングライドに挑戦した様子をご紹介しました。 1泊した翌日のライドはのどかな雰囲気に癒される旧つくば鉄道コースの63kmライドレポートをお届けします。 ※この記事は2020年6月の記事の再掲載です。 スタートは土浦駅で焼きたてパンの朝ごはん。 朝はプレイアトレ土浦内で7時から開いているパン屋さん「クーロンヌ」へ。クロックムッシュのモーニングでライド前の腹ごしらえです。 駅から5分ほど車道を走ると、自転車歩行者専用道へ。 しばらく走っていくと、先まで見通せる直線に。 ちょうど小さな電車が通れるくらいの道幅。 […]

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