ローカルサイクリストAyakaのブリスベン現地レポート【後編】
BRISBANE CYCLING FESTIVAL 2024
ローカルサイクリストAYAKAの現地レポート【前編】
ブリスベン在住のAyakaが、パートナーのYoshiと共に地元サイクリスト目線で「ブリスベン・サイクリングフェスティバル」と街の魅力をお伝えします。前編ではブリスベンの川沿いサイクリングとサイクル・エキスポの様子をレポートします。
目次
1 太陽の州・ブリスベン
2 日本からブリスベンへのアクセス
3 リバーウォークで水上サイクリングを味わう
4 ブリスベンにサイクル・エキスポがやってきた!
1 太陽の州・ブリスベン
シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第三の都市、ブリスベン。
ブリスベンが属するクイーンズランド州は「サンシャイン・ステート」(太陽の州)とも呼ばれるほど、晴天率が高いことで知られています。 そのためか、ケアンズのトライアスロン大会やゴールドコーストのマラソン大会など、スポーツイベントの開催が盛んです。
州都でもあるブリスベンでは2019年から3月〜4月にかけ街をあげてのブリスベン・サイクリングフェスティバルが催されます。
2024年は3月15日から4月16日の約1ヶ月間にわたり開催されました。
期間中はオーストラリア国内のトラック・チャンピオンシップとロードレースのシリーズ選手権、UCIグランフォンド・ワールドシリーズのほか、サイクル・エキスポ、一般市民も参加可能なライドイベント「ツール・ド・ブリスベン」やファミリーライドなど、自転車関連のイベントが市内各所で催されました。
2 日本からブリスベンへのアクセス
日本の方にとってメルボルンやシドニーはお馴染みでも、ブリスベンという都市は初耳の方もいらっしゃることでしょう。冒頭でもお伝えしたとおり実は大都市で、アクセスも便利です。
2024年6月現在、成田空港からカンタス航空とジェットスターが週7便(毎日)、関西空港からはジェットスターが週4-5便、それぞれブリスベン空港まで直行便を就航しています。
フライト時間は約9時間。ブリスベンは日本+1時間と時差は少ないため、時差ぼけもなく快適に旅行できます。
南半球のため季節こそ日本と反対であるものの、クイーンズランド州は亜熱帯気候に属し、年間を通して比較的温暖であるのが特徴です。
ブリスベン・サイクリングフェスティバルが開催される3月〜4月は秋にあたり、最低気温は18度、最高気温は27度前後といったところ。
半袖ジャージで走れる、快適な季節です。
3 リバーウォークで水上サイクリングを味わう
ブリスベンは「リバーシティ」の名でも親しまれていて、その名の通り街の中心をゆっくりとブリスベン川が蛇行しています。
シティの中心部には、南北をつなぐデザインがユニークな橋がいくつもかかり、ブリスベンを象徴する景色の一つにもなっています。
ブリスベンの中心部のうち、川の北側はいわゆるシティ、CBD(Central Business Disrict:中心業務地区)と呼ばれる繁華街やビジネスエリアがあり、南側には美術館や博物館、芸術劇場が集まるカルチュラルセンター、人工ビーチを備えた公園やリバービューのレストランが並ぶサウスバンクと呼ばれるエリアとなっています。
川沿いを中心に、市内各所には自転車・歩行者専用道が整備されており、各方面から専用道だけでアクセスできるスポットも多くあります。
自転車専用道路(バイクウェイ)はアクティビティとしてのサイクリングはもちろん、自転車通勤にも多く使われ、市民の生活道路にもなっています。
せっかくブリスベンに来たのなら、ライドイベントだけでなく、ぜひこのような道路も走ってみると地元サイクリスト気分を味わえて発見が多くあるはずです。
市内に張り巡らされた自転車専用道の中でも、特におすすめしたいのが水上散歩気分を味わえる「ニューファーム・リバーウォーク」です。数あるブリスベンの特徴的な橋の中でも、ブリスベンのシンボル的な存在であるストーリーブリッジの麓から続くのがこの道。
リバーウォークの名の通り、川の上に自転車・歩行者専用道が設置されています。
リバーウォーク上からは青空に映えるストーリーブリッジ、橋の下をゆっくりと抜けていく市の水上バス「シティキャット」や「シティホッパー」を眺めることができます。
リバーウォーク沿いには色鮮やかなブーゲンビリアの花と共に、リバービューの家々が立ち並びます。
リバーウォークはニューファームエリアの市街地へと続き、ニューファーム・パークへと入っていきます。
このニューファーム・パークはジャカランダの名所としても知られ、毎年10〜11月(春)になると公園一面がジャカランダの花によって透明感のある紫色に染まります。
ニューファーム・パークを抜けるとブリスベン・パワーハウスの敷地へと続きます。
パワーハウスはかつて発電所でしたが、現在はミニシアターとして使用されています。
ブリスベン・コメディフェスティバルなど、年間を通して様々な舞台や催し物が開催されています。
毎週土曜日の午前中にはパワーハウスの敷地内でローカルマーケットが開かれます。
新鮮な野菜や果物はもちろん、淹れたてのコーヒーやマフィン、デニッシュなど地元のお店のフード出店もあるので、サイクリング後に一息つく場所としてもおすすめです。
コーヒーよりビール!という方には、リバーウォークのスタート地点、ストーリーブリッジの麓にある「フェロンズ・ブリューイング」がおすすめ。
川沿いのテラス席や、芝生の上のソファー席でゆったりくつろぎながら、作りたてのクラフトビールを味わえます。
4 ブリスベンにサイクル・エキスポがやってきた!
ローカルな自転車散歩を楽しんだところで、サイクル・エキスポへと足を運んでみましょう。
サイクリングフェスティバルの期間中、4月12日(金)〜14日(日)には「アクティブライフスタイル・エキスポ」として、いわゆるサイクル・エキスポが開催されました。
会場となったのはブリスベン・ショーグラウンド。
毎年8月にクイーンズランドの博覧会「ロイヤル・クイーンズランド・ショー」(通称Ekka)が開催される大規模な展示会場です。
エキスポにはクイーンズランド州の各種自転車団体、バイクメーカー、アパレルブランドなど35団体ほどが出展しました。
メーカーの最新機材の展示販売や、アパレルブランドの限定ポップアップストア、毎年9月に開催されるケアンズの自転車イベント「ポートダグラス・グランフォンド」のブースなど、一つひとつ見て歩くだけで「オーストラリアの自転車の今」を感じワクワクします。
日本の各都市で開催される展示会や、アデレードで毎年1月に開催されるUCIロードレース「ツアー・ダウンアンダー」での展示会に比べると決して大きいとは言えませんが、それでもここ、ブリスベンでサイクル・エキスポが開催されるようになったことは大きな一歩。
2032年の夏季オリンピック・パラリンピック開催も見越した、ブリスベン、そしてクイーンズランド州の熱意を感じます。
同会場内に設営されているツール・ド・ブリスベンの事務局にて、ライダーズキットを受け取ります。
ゼッケンやナンバリングステッカーの他、参加賞として可愛いウォーターボトルも入っていました。
「せっかくなので大会公式ジャージを着て走ろう!」ということで、Yoshiは今年の公式ジャージを購入。
私はサイズがなくて困っていたところ、隣のチャリティー団体のブースでは昨年大会の公式ジャージが割引で販売されているのを発見。
「あら、あなた日本人?去年のジャージがとってもお得よ!Good for Omiyage!!」と日本語と英語まじりでスタッフのオージー女性に勧められるがままに購入しました。
デザインは毎年更新されるものの、どれも大会テーマカラーのビビッドピンクを基調にしており鮮やかさが目を惹きます。
二人とも良い買い物ができたところで、あとはメインイベントであるツール・ド・ブリスベンを全力で楽しむのみ!
後編レポートへと続きます。
参考
※2019年のレポートはこちらから
https://globalride.jp/event/2019tdb_report_1/
◆関連ページ
ブリスベン・サイクリングフェスティバル公式サイト
https://www.brisbanecyclingfestival.com/
ツール・ド・ブリスベン公式サイト
https://tourdebrisbane.org/
Text_Ayaka
Profile
Ayaka(編集者・ライター)
オーストラリア/クイーンズランド州ブリスベン 在住。
2011年に自転車旅に魅了されてから雑誌『Cycle Sports』に世界各地からの自転車旅レポートを寄稿。2017年オーストラリア留学中には「G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより」を『Cycle Sports.jp』で連載。帰国後は英教材編集者、自転車NPOの通訳・MCとして活動。2022年ブリスベンへ移住。日々オーストラリアの自転車の魅力を発信中。
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投稿日:2024.08.28