Breezing Through Setouchi in Ehime
#03 アメリカ人のジェレミーがライド!
お城に、温泉に、クラフトビール!
しまなみ海道から続く愛媛カルチャーを走る

本格的なサイクリストや自転車好きにとって、愛媛県と言えばしまなみ海道を思い浮かべると思いますが、それだけがライドコースではありません。今回は、県内で最も有名なしまなみ海道の起点である今治市から県庁所在地の松山市まで南下し、日本最古の温泉地・道後温泉を目指すルートを紹介します。このルートは「今治-道後はまかぜ海道」と呼ばれています。
この道は日常的に使われているため車の交通量が多く、沿岸の景色を楽しめるのはコースの半分ほどなのですが、たくさんの素晴らしい歴史的名所や、魅力的で個性的なランチスポット、そして楽しい夜も過ごせる街へ続く重要な道となっています。

目次

 1. ルートの下見と今治城
 2. ユニークな外観のドライブインでランチ
 3. 素敵なサービスのホテルにて
 4. 街を散策、そして美味しいクラフトビールを探し求めて
 5. 温泉と足湯
 6. パンク修理のヒーロー
 7. 日本最高の城のひとつ、松山城
 8. 海風を感じるハワイアンスタイルのカフェで
 9. そして、ひたすら海沿いを走る

1. ルートの下見と今治城

時間の制約とこのルート上の多くの名所を見たいという理由で、初日は今治から自転車を後部座席に乗せて車で下見をしました。松山空港に飛行機で来る場合でも、電車やバス、または、しまなみ街道から自転車で今治に来る場合でも、その先で自転車をレンタルするなら、いずれにしても借りたお店に自転車を返す必要があります。今後の記事で、いくつかのサイクリングロードをつなげていき、楽しく挑戦的な周遊コースで愛媛県を自転車で走破する方法をお伝えできればと思います。

今回の「今治・道後はまかぜ街道」は片道2〜3時間程度。1日で往復するのもそれほど苦にはならない距離です。

まずは今治城。しまなみ海道から来た場合、今治側の入口から自転車で20〜30分ほどの距離にあり、松山に向かう前に立ち寄るのに良いスポットです。逆に松山から今治へ向かうなら、遅くとも午後4時頃には到着するように計画したほうが良いです。「日本三大海城」「日本百名城」の一つでもあるお城は午後5時に閉まります。大きな城ではありませんが、天守閣からの眺めが美しく、内部にはサムライの装束や模造刀を手に取ってその重さや感触を確かめられる展示、そして地元の動植物を展示した剥製コーナーを構える博物館があります。

今治城の天守閣からの眺め。しまなみ海道の入り口が遠くに見えます

今治城
https://maps.app.goo.gl/MEjfPHvwWqz2111u7

2. ユニークな外観のドライブインでランチ

この日のランチは、「今治・道後はまかぜ海道」沿いにあるユニークな外観のドライブインで楽しみました。様々なスタイルで提供する美味しいホットドッグの専門店です。主な来客はバイクのライダーで、店主もバイク好きのようでした。

DRIVE-IN OUT THERE
https://maps.app.goo.gl/5qcsKJRj61gu1pha8

ここからホテルにチェックインするために松山市街へ向かい、市内を自転車で走ります。

3. 素敵なサービス満載のホテルにて

私たちは道後での宿泊に「ホテル道後 やや」を選びました。この自転車ルートの終点である地域に位置しているだけでなく、とても魅力的なホテルだったからです。正直なところ、少し贅沢な選択でしたが、その価値は十分にありました。
素晴らしい内装デザインで、私たちのフロアはもちろん、ロビー以外のすべてのフロアもエレベーターの入口から客室まで畳が敷かれていました。泊まった部屋は広々としており、リビングルームとベッドルームが分かれていて、温泉風のバスルームがあり、ビンテージ風のバスタブが印象的でした。
また、駐輪場には自転車を固定するスタンドがなかったのですが、ホテルのスタッフがオフィスで自転車を預かってくれるという優しいサービスまでありました。

そしてこのホテルのもうひとつの魅力は、蛇口から提供されるみかんジュースの飲み放題があることです!愛媛は全国的にみかんの産地として有名で、街を探検していると至るところで色々なみかんジュースが飲めます。

また、チェックイン後に利用できる無料のドリンクバーがあり、スパークリングワインやノンアルコール飲料、軽いスナックなどが楽しめます。さらに、歩いてすぐの道後温泉へ持って行けるように、さまざまな手触りの今治タオルもロビーに用意されています。そして、朝10時まで食べられる朝食ビュッフェは本当に美味しかったです。特に一口サイズのフレンチトーストがおすすめです。

フレンチトースト以外は日本風の洋食という感じで、欧米人としてはあまり一般的な朝食ではありませんでしたが、とても美味しかったです。

ホテル道後やや
https://www.yayahotel.jp/english/

4. 街を散策、そして美味しいクラフトビールを探し求めて

ホテルをチェックインした後は、街の雰囲気をつかむために市街地を少し自転車で巡りました。

道後エリアはかなり丘陵地帯ですが、手に負えないほどではありません。それ以外の市街地の道は平坦で、広い通りや歩道が多く、自転車専用レーンも充実しています。自転車専用レーンがない場合でも、車道の路面に分かりやすくブルーライン(サイクリストのために走行位置、目的地までの距離や方向を示すライン)が引かれていることが多く、自転車で移動するのにとても便利です。初めてでも、この地域を走るのにすぐ慣れると思います。

さて、ここからは僕の愛するクラフトビールの話題です。長い間行きたいと思っていた松山の「ローカルブルワリーDD4D Brewing」にようやく行くことができました。期待を裏切らず素晴らしい場所でした。ここはアパレルショップにブルワリーとクラフトビールバーが併設されたハイブリッドな店舗。服が表側に並び、奥に行くと美味しいビールがあるというシームレスな空間が見事でした。10種類のオリジナルの生ビールに加え、持ち帰りできる瓶や缶はさらに多くの種類のビールがあるので、誰でも好みのスタイルのビールが見つかるはずです。もしビール好きの友達がいたら、お土産にぜひ。

ディナーは、居酒屋スタイルのクラフトビールのお店「BOKKE」へ。全国の信頼できる醸造所から取り寄せたバランスの良い7種類の生ビールに、創意工夫が効いた日本らしい創作料理のメニュー、そしてスタッフはみんな気配りが行き届いていて、親しみやすいオーナーシェフが直接料理の感想を聞きに来てくれました。良いお店であるポイントがたくさん!四国でおそらく一番のガストロパブです。BOKKEさん、ありがとうございます! 席は午後7時までは予約できますが、それ以降は先着順なので、待たないといけないかもしれません。忙しいお店のようですが、それも納得の良さです。

BOKKE
https://maps.app.goo.gl/8qmJ4frsLS2SmYUk6

5. 温泉と足湯

翌日は、ホテルを出た直後にちょっとしたトラブルがあったものの、町を自転車で巡りながらこのルートの反対側の景色を楽しむことにしました。まずは道後エリアの興味深いスポットをいくつか見て回りました。

残念ながら「道後温泉本館」は改装中で、この日は営業していませんでしたが、そのすぐ横の丘を上ったところに足湯がありました。そこでアイコニックな道後温泉の建築を眺めながら、疲れた足を浸すことができます。

足湯のある場所から眺めると、映画『千と千尋の神隠し』に登場する温泉を思い出すことができます

道後温泉本館
https://dogo.jp/onsen/honkan

もう一つ近くにある「飛鳥乃湯泉」も行く価値があると思います。まず外観がとても目を引きました。そして、もし知らない人たちとお風呂に入ることに抵抗があるなら、ここはオンラインで家族風呂も予約できます。ただし、予約がすぐに埋まってしまうので、できるだけ早めに予約することをおすすめします。

道後温泉別館 飛鳥乃湯泉
https://dogo.jp/onsen/asuka

それはさておき、この時点で、どうやら後輪のタイヤをパンクさせてしまっていることに気づきました。

6. パンク修理のヒーロー

車に予備のタイヤを乗せてこなかったことを反省しましたが、幸いにも道後温泉から20分ほど歩いたところに修理店がありました。最初は10分ほどの距離にある大手の自転車店へ行ったのですが、すでに当日の修理の予約がいっぱいとのことで、翌日以降になると言われてしまいました。そんな経験は初めてでした。

とはいえ、そのあとInfinity Cycleに歩いて行ったところ、店主が自転車のホイールを外さずにチューブを取り出し、漏れを見つけて10分もかからずに修理してくれました。料金はたったの600円! インフィニティーサイクルさん、ありがとうございました!

INFINITY CYCLE
https://maps.app.goo.gl/DFHCViRgZv4rKhbRA

7. 日本最高のお城のひとつ、松山城

タイヤの修理が終わった後は、ロープウェイに乗って松山城に向かいました。小さな子どもがいない場合は、一人用のリフトに乗って山を上り下りするのも楽しそうでした。

松山城は、これまで日本で訪れた城の中で、間違いなく最も楽しくて興味深いものでした。その主な理由はおそらく、全国でほぼ完全な形で残っている12の城のうちの一つだからだと思います。実際にこの場所を攻撃したり防御したりしていた感覚をしっかりと感じることができます。銃や弓のための塔や、内外の曲がりくねった緻密な通路を見て、自分が攻撃側だったら勝ち目はないだろうと思ったほどです。

松山城
https://maps.app.goo.gl/uAikpHaTMDXyo1FA9

街を色々と走り回ると、こんなみかんジュースの蛇口に時々出くわすと思います。箱にコインを入れて、一杯どうぞ!

8. 海風を感じるハワイアンスタイルのカフェで

この日のランチは、松山城から約10キロメートルの距離で、今治・道後はまかぜ海道沿いにあるNorth Shoreというお店に行きました。日曜日の午後の交通渋滞のため、松山城から車で向かった家族より先に到着することができました。ハワイに住んでいたので、海沿いのロケーションにあるハワイアンスタイルのカフェを選びました。

ロコモコプレートと、本場ハワイのマノアにある小さなお店を思い出させるツナサンドイッチを楽しみました

North Shore Ehime
https://maps.app.goo.gl/dSFSx4bnnt3SZRdp6

9. そして、ひたすら海沿いを走る

このコースは、今治・松山間を移動することが主な目的のルートです。いくつか前方が確認しにくい急な曲がり道があるので注意が必要ですが、全体としては気軽に走れます。約65キロメートルで、比較的平坦な道が多く、急な坂もほとんどないので初心者にもおすすめできます。

写真は、はまかぜ海道の途中にあるサイクリストと車の両方に便利な休憩スポット(道の駅)

道の駅の通りの向かいには、夏の間に泳ぎたいときにぴったりな素敵なビーチもあります。

道の駅 風早の郷
Roadside Station
https://g.co/kgs/YnXkLBs

今治・道後はまかぜ海道を進む際は、目的地までの距離をカウントしながら進めます。

それから周りをよく見渡したら、海の綺麗な景色だけでなく、道中には興味深くてちょっと変わった景色が色々ありました。例えば、崖の端に今にも海に落ちそうな小さな廃墟があったので探してみてください。戻って写真を撮ればよかったと後悔しています。

遠くに見える墓石のスカイライン

それではまた次の記事で!


🚲今回のコース

🚲Breezing Through Setouchi in Ehime Series
#01 愛媛・潮風と山を堪能できる11のサイクリングロード
#02 愛媛に行くなら、まずは「しまなみ海道」から
#03 お城に、温泉に、クラフトビール! しまなみ海道から続く愛媛カルチャーを走る
#04 アメリカ人のジェレミーがライド!愛媛の最西端へ!せとかぜ海道をひたすら真っすぐ進む海沿い&魚ライド
#05 自然豊かな田舎を走り抜ける川沿いのライド


Text_ Jeremy Kircher
アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身。約10年間、ハワイ州ホノルルに住んでいた時期もあります。2017年から日本に移住し、現在は香川県高松市でクラフトビールの醸造士として働いています。サイクリングはお気に入りのエクササイズなので、数多くの四国の魅力的なサイクリングルートを紹介したいです。

FEATURE TRIP&TRAVEL
Breezing Through Setouchi in Ehime #05
U.S.A. から移住したジェレミーがお届けする
自然豊かな里山を走り抜ける川沿いのライド

これまでの記事で愛媛県内の北西海岸沿いのルートをほぼ制覇したので、次は県の中心部の内陸を縦に走るルート、奥伊予・肱川清流街道を走ることにしました。走ったのは9月でしたがまだ夏の暑さが続いていたので、今回は比較的のんびりとしたルートです。高知県との境にある山側から川沿いに道を下って、前回のライドで通った港町へ戻るという、ほぼ下り坂のルート。もしもう少しエクササイズしたかったら、長浜港からスタートして谷を登る逆ルートに挑戦してみるのも良いと思います。 目次  1. 鬼子母神からのスタート 2. 川へ降りる 3. 道の駅:清流の里ひじかわ 4. 小さな城下町、大洲のユニークなホテルに宿泊 5. ライドの続きに戻る前に、お舟めぐりと、街を散策 6. 長浜橋へ向けて出発 1. 鬼子母神からのスタート 出発地点は、道の駅「日吉夢産地」。駐車場にある鬼のモニュメントが目印です。可愛い赤ちゃんの鬼を抱いた母子の鬼でしたが、たぶん今まで見た中で一番セクシーな鬼でした(笑)。この不思議なモニュメントの隣にはアイスクリーム屋さんと売店があって、電動自転車のレンタルもできます。 道の駅「日吉夢産地」https://maps.app.goo.gl/aKhjdDhDMdR4hH5o8 1日目は全長62キロのルートの約3分の2を走って、小さな観光地である大洲の城下町で一泊します。翌日に残りの約20キロを走り切る予定です。 2. 川へ降りる 10キロほど進むと、次の道の駅があります。たぶんまだ休憩の必要はないと思うけど、ここには川へ降りられる場所があるので、ぜひ水に足を浸してリフレッシュしてみて。 道の駅 き […]

#Guide #Cafe
FEATURE TRIP&TRAVEL
Breezing Through Setouchi in Ehime
#01 愛媛・潮風と山を堪能できる11のサイクリングロード

サイクリングパラダイスとして知られる愛媛県、行かれたことはありますか。瀬戸内海を望む温和な気候と自然豊かな風土に恵まれ、CNNの「世界7大サイクリングロード」の一つに選ばれた「しまなみ海道」をはじめ、県内には海と山を走り抜けるたくさんのサイクリングロードがあります。 四国の瀬戸内海側、北西部に位置し、四国4県で一番人口が多い愛媛県。瀬戸内海の海風を感じる穏やかな気候によってミネラルたっぷりの土壌で育つ「みかん」の生産地として有名で、海と山に囲まれた自然が広がります。また、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』のモデルにもなった道後温泉や松山城など歴史を感じる場所も多く残されています。そんな愛媛の魅力的なサイクリングロードを連載でお届けするこの企画。1回目の今回は、県内の11のサイクリングロードを一挙にご紹介します。 目次  1. 別子・翠波はな輪道 2. 石鎚山岳輪道 3. 今治・西条ゆうゆう輪道 4. 今治・道後はまかぜ海道 5. 伊予灘・佐田岬せとかぜ海道 6. 内子・中伊予さとやま輪道 7. 奥伊予・肱川清流街道 8. 宇和海しおさいオレンジ輪道 9. 宇和島・四万十だんだん街道 10. 愛南さんさん輪道 11. しまなみ海道サイクリングロード 1. 別子・翠波はな輪道 スタート地点:マイントピア別子(愛媛県新居浜市立川町707-3)県の東側にある「別子・翠波はな輪道」は、全長87.7kmで、標高1,500~1,700mの山々を囲むように走るコースです。日本三大銅山のひとつである別子銅山跡を利用した道の駅「マイントピア別子」からスタートして、まずは大永山を登ります。 360 […]

#Guide #Ride
FEATURE TRIP&TRAVEL
Breezing Through Setouchi in Ehime #04
U.S.A.から移住したジェレミーがお届けする 愛媛の最西端へ!
せとかぜ海道をひたすら真っすぐ進む海沿い&魚ライド

今回は、伊予灘・佐田岬せとかぜ海道と呼ばれるルートで、愛媛県の最西端を目指してアップダウンの激しい半島を横断します。多くの人にとって、ここはちょっと挑戦的なルートかもしれません。僕は、8月の炎天下の中、なんとか約80km以上を走り抜くことができたけど、正直、暑い時期におすすめできるルートではないです。サイクリング上級者で、僕のように過酷なことに挑戦するのが好きなタイプだったら、夏の間に走るのもなかなか燃えますよ、というのは冗談で、もっと気候の良い時期ならまた走りたいというのが本音です。暑くて大変だったという点以外は、とても充実したライドでした。 目次  1. 出発点:しおさい公園 2. 道の駅ふたみ 3. お好み焼きランチと楽しい歩道 4. 有名な下灘駅と近くで発見した面白いものたち 5. 初日の終点:赤い橋 6. えびすや旅館での滞在は心に残るおもてなし 7. 次の日、本当のチャレンジはここから 8. 警告:急勾配の坂道と暗くて長いトンネル続く 9. お疲れさま、ここまで来ればあとはずっと下り坂! 1. 出発点:しおさい公園 このサイクリングルートの出発点は、愛媛県の県庁所在地である松山市の少し南に位置する「しおさい公園」。大きな公園なのですぐ見つけられると思います。 これは、道中で見つけてとても役に立った地図。目印になるランドマークがたくさん載っているので現在地がすぐ分かるのと、標高が書いてあるので、これからどんなアップダウンが待ち受けているのかを知ることができて便利でした。 2日間の事前プランでは、1日目に半分以上先までいく予定だったけど、出発が遅れて予定変更。とにかく時 […]

#Ehime #Japan