ホノルルセンチュリーライド2024 ライダーインタビュー企画
ハワイで感じる風、そして…
〜なぜ、ハワイで自転車に? 上級者編~

「ホノルルセンチュリーライド2024」参加ライダーインタビューの最終回は、上級者のライド記で締めくくります。
常連ライダーの皆さんは5回、10回と参加を重ねるこの大会に、何を感じ、どのような部分に惹きつけられているのでしょうか。「地球上で最高のライドイベント」とも言われるホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)に幾たびと参加するその魅力や楽しみ方を伺いました。
「あなたはなぜ、何度もハワイで自転車に?」

目次

1 新入社員が初ライドした理由/Keisukeさん
2 2025年へ持ち越したゴール/Kenjiさん、Keikoさん
3 ひとりでも、一人じゃないドラマがある/だんきち さん

1 新入社員が初ライドした理由/Keisukeさん

「ホノルルセンチュリーライドを社員旅行にしようと思って、スタッフ全員に声をかけたんです、そうしたら手を挙げたのが彼だけで笑」

九州地方で病院を経営されているKeisukeさんは、大のホノルルセンチュリーライドファン。昨年も100mile=160kmを完走されていた。

「一度走ったらわかる、こんなに気持ち良いライドができる場所は他にないですよ。社員旅行に誘ったらみんな行きたい!と言うかと思ったけれど、そんなことなかったんですよね〜」
それはがっかりですね…でも、今どき、なんて太っ腹な!

残念そうな表情で話すKeisukeさんは常連さんだけあって、HCRをよく見ている。インタビュー中もホノルルやイベントについての話が尽きず、このままポキ丼でも食べに行こうかと思ったくらいだ。
「日本国内でイベントに出ようとすると飛行機を使うでしょ、本番前後で必ず1〜2泊はするし、食事、お土産、なんだかんだでけっこうかかるじゃないですか。同じくらいお金をかけるならハワイに来て走った方が圧倒的にいいでしょう。こんなにいい風も吹いてるし!」
出走前からHCRへの情熱がダダ漏れている。

Keisukeさんの情熱はさておき、お仕事仲間の自転車未経験者にとってライドイベント、ましてや海外のハードルは高かったらしい。院長の提案虚しく…という雰囲気の中、参加の手を挙げたのが新入社員のSeikenさんだった。

「ハワイのきれいな海を見ながら走るのは気持ちよさそうだったので」

ロードバイク初心者ながら、今回のために練習もし、参加に臨んだ。
しかも、院長と二人でオアフ島へ来島し、宿泊や連日のスケジュールも共にしたという。ハワイまで来て上司と二人なんて普通は避けたいシチュエーションだが、Seikenさんは苦にならないらしい。なんて素敵な関係だろうか。

社員旅行にはならなかったものの、夢を叶える第一歩を作り出してくれた社員が一人でもいたことは提案した側にとっては意義深い。

二人で100マイルを走り切った大会は記念となった。ゴール後、完走の嬉しさが滲み出ていたSeikenさんの横でKeisukeさんの言葉に自然と力が入る。「このイベントの良さをみんなに話してもらってね、ぜひ次回は社員旅行で来たいですね〜!」

夢は続く…!

2025年はスタッフ全員のご参加をお待ちしています🌈

2 2025年へ持ち越したゴール/Kenjiさん、Keikoさん

2024年のHCRでアクシデントを乗り越えた二人組があった。
それぞれ、7回目の参加となるKenjiさんとKeikoさんのお二人だ。
編集部や運営事務局スタッフとも顔見知りで「今年もお会いできましたね!」と言葉を交わさせていただくライダーのうちのお一組。

本番中もエイドステーションで他のライダーを声援したり、フードを満喫したり、イベント自体を余裕で楽しみながら走られていた印象が強い。ハワイ来訪も数多く、自転車以外にも山登りなど少し長めの充実した滞在が恒例のようだった。
「HCRを中心にハワイを楽しむことを1番の楽しみに毎年来ているんです」と話されるお二人の、今年のサブイベントは160km完走後にピルボックス*の一つに登頂することだった。

そして迎えた本番当日、お昼すぎのこと。

編集チームは100mileの折り返し地点であるSwanzy Beach Parkでの取材を終え、ゴール会場を目指しメディア車両でハイウェイを走行していた。早いライダーはもうゴールし始めるかも…などと考えていると、サイレンを鳴らした救急車とすれ違う。

後で分かることになるが、その救急車は転倒したKenjiさんを迎えに行く途中だった。
Swanzy Beach Parkまであと少しという場所で道路の割れ目にはまり、全身を投げ出されたKenjiさん。
「気付いたときには救急車が迎えに来て、その後の記憶がなかった」

Makapuu岬を上り切ったところで

命に別状がなかったことが不幸中の幸いだった。車両はすぐに市内のERへ向かい、その後は運営事務局スタッフが駆けつけ、自転車をゴール会場まで運ぶなどの手配がとられていた。真っ先に救急車を呼んだのは現地ボランティアだった。

退院されてからホテルで破損した自転車を見たあと、「いやいや派手にやっちゃいましたね。自分でも驚きです」とおっしゃっていたことからも、転倒の衝撃は相当だったと伺える。そしてヘルメットの激しい傷を見て装備の必要性を痛感されたとのこと。ご無事で良かった、という想いに尽きる。

速いペースで上りきるKeikoさん

自転車に限らず、スポーツイベントはアクシデントがつきものではある。お二人が大事故で大変な思いをされたことには変わりはない。ただ、運営側と顔見知りであったことで、ほんの少しでも通常のやり取りに添えられるものがあったように思う。

参加回数を重ね、ライダー仲間がたくさんいらっしゃったお二人と運営スタッフは、イベント終了後も身内のようにコミュニケーションをとっていた。ホノルルセンチュリーライド自体が持つハートウォーミングなムードもそうさせているのかもしれない。

交流パーティーでスタッフと談笑していたお二人。Kenjiさんは自転車を7台持ち、ご自身でカスタマイズされるほどのライダー。Keikoさんはマラソンランナーの顔も持つ

楽しみであったピルボックス登頂が叶わなかったお二人だが、昨年末のTOKYO RAINBOW RIDEを完走されて、2025年のHCRもすでに申し込まれたそう。今年はぜひ、2年分のゴールと共にハワイを存分に楽しめることを、編集部一同、心から願っています。

*ピルボックス_第二次世界大戦中に作られた、機関銃を配置した小型シェルター。高台にあるため、現在は絶景を眺められる観光地として名残をとどめている

3 ひとりでも、一人じゃないドラマがある/だんきち さん

ホノルルセンチュリーライド(以下HCR)の公式スポンサーであるJAL主催のVIPパーティーにお一人で参加されていた、だんきちさん。
大会参加回数は30代の頃から数えて14回目という。

「僕のように毎年参加されている方がいらっしゃるんです。今年は会えるかな〜という期待を抱きながらハワイに来るので、ひとりでも楽しめます」

初出場は2009年。ロードバイク未経験であっただんきちさんは、雑誌でHCRの記事を読み、これは!と魅入られたそう。すぐに出場を目指してバイクを購入、練習を開始した。ハワイの風と空気を受けたあと、あまりの感動にそこからHCR参加がほぼ毎年の恒例行事となった。

「冗談抜きで毎年ここに来るために仕事を頑張っているようなものです」

ライドのみならず、完走の気持ちよさはひとしお(左端がだんきちさん)

13回も出場しているとさまざまなことがある。HCRは基本的に好天に恵まれるイベントだが、2015年はオアフ島が嵐に遭遇した。エイドで顔見知りのライダーに会うたびに、「雨やまないねー」「今回はきついねー」と凍えながらお互いを励まし合いながら走った。
また、換えのチューブがすべて無くなり道中に買う場所もなくずっとヒヤヒヤしながらゴールした年も。無事に完走した、では終わらないドラマがそれぞれにある。
それでも「今年も」と思うのは、他のイベントでは代えがたい景色と、この大会の明るくフレンドリーな雰囲気があるから。

100mileの道中はパンクや故障があってもおかしくない。しかしながら、通りがかりのライダーが足を止めて助けてくれることが多いのもホノルルセンチュリーライド

「ひとりで来ても楽しめるのがハワイとホノルルセンチュリーライドかな」

基本はひとり。でも仲間がいる。
ベテラン経験者であるだんきちさんはそんなふうにHCRを楽しんでいる。
2025年はどんなドラマが生まれるのだろうか。

Photo_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A



🚲ホノルルセンチュリーライド2024 ライダーインタビュー
● 初出場者編①
● 初出場者編②
● 中級者編
● 上級者編

FEATURE EVENT
海外でもロードバイクに乗ってみたい
Honolulu Century Ride 2023 参戦記
#4 初めてハワイでのライド 試走編

ひょんなことからハワイで9月に行われるホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)に参加することになった。自分のロードバイクを輪行で持ち込み、外国で走るのは初めての経験だ。 ここまでは、日本からの輪行、そしてハワイ到着後に感じたことを書いて来た。今回は、ハワイで初めて自転車に乗ったときの感動編。

#How to #Japan
NEWS EVENT
ホノルルセンチュリーライド 2025年 本エントリー開始!

ホノルルセンチュリーライド(HCR)2025の本エントリー受付が始まりました。今年は「ハナウマ湾」を通るルートに変更され、よりハワイの大自然を体験できるコースに!今まで参加されていた方も、是非新コースをお楽しみください。*なお、今回から時期別にエントリー費が変動するため、参加予定の方はアーリーエントリー料金が適用される5月31日までに申し込まれることをオススメいたします。 実施概要 【開催日時】2025年9月28日(日)  午前6時15分スタート *予定【開催場所】アメリカ合衆国/ハワイ・ホノルル【距  離】25マイル(約40km)/ 50マイル(約80km) / 75マイル(約120km) / 100マイル(約160km)【参加者数】1,000名(2024年実績)【申込期間】エントリー : 2025.03.10 – 09.05【主  催】Hawaii Bicycling League 参加費などの詳細は公式サイトでご確認ください。 ※ホノルルセンチュリーライド2025にプレエントリー頂いた方へプレエントリーいただきありがとうございます。本エントリーがスタートしましたので、プレエントリーをされた方につきましては、 お手数ですが以下のサイト(GoPlayEvent)より改めてエントリーをお願いいたします。※プレエントリーのみでは受付完了とはなりません。本エントリーでの登録、お支払いをもって受付完了となりますのでご注意ください。プレエントリーの特典は、今後決定次第改めてお知らせさせていただきます。 公式サイトはこちらhttps://globalride.jp/ […]

#Entry #News
FEATURE EVENT
速報 ホノルルセンチュリーライド2025
ペダルを踏めば、あなたの知らなかったハワイに包まれる!

9月28日午前5時45分。ここはホノルルのワイキキビーチ沿いにあるカピオラニ公園。開幕まで30分を切ったスタートゾーンでは、「一年ぶり!元気でした?」「今年も無理せずがんばろうね!」など、まるで旧友との再会を喜ぶような挨拶、「彼、今年やっと初参加なのよ」といった新しい出会いが誕生する会話で溢れていました。 まだ暗く、お互いの顔も会場に取り付けられたライトで見えているくらいの時刻。しかし、スタートゾーンの雰囲気は極めて明るい。これからそれぞれが「ホノルルをライド」という年に一度のご褒美を享受しに出かけることを、称え合うような、祝い合うような、そんな明るさです。 とくに、今年は天気にも恵まれました。日中の気温は約34度、湿度は52%。例年より少し暑く湿気が多いものの、イベント中はまったく雨が降りませんでした。雨であっても、ハワイを感じる喜びに変えられるホノルルセンチュリーライドですが、今年、晴れであったことには大きな意味がありました。 それは、新設されたハナウマ湾ルート。過去に一度だけ州警察から許可が降りたことがあったのですが、曲がりくねった下り坂のうえ、道幅が狭く、交通量が多いということもあり、その翌年から解放されることはありませんでした。 ところが、今年はイベントを主催するハワイバイシクリングリーグの懸命な働きかけがあって、車両を通行止めにしたうえで開放されました。そのルートの美しさといったら……。 とにかく、2025年のホノルル・センチュリーライドも、スタート前とスタート直後から「来てよかったー!」と叫びたくなるような(実際に言葉にならない感嘆の声をあげている人が続出)、最高 […]

#Ride #Brompton