地元ライダー 石塚裕也が案内する
北海道・札幌から巡る石狩エリア100kmライド

みなさん、こんにちは。
札幌を中心に北海道全域でサイクリングガイドを務める石塚裕也です。本日は、北海道最大の大都市である札幌市の周りに広がる、北海道らしさ全開の絶景サイクリングルートにご案内いたします。
札幌市といえば、テレビ塔や時計台、繁華街として有名な「すすきの」に代表されるような大都会のイメージがあるかと思いますが、実は札幌市から車で30分も走れば、北海道らしい大自然が広がっています。
本日のコースは、札幌の北端である「あいの里」を発着とする、約100kmの快適なサイクリングコース。海外からのお客様へもよくご案内差し上げるツアールートです。
スタート地点は、「JRあいの里公園」駅の横にある、株式会社サイクリングフロンティアの札幌サイクリングツアーステーションです。

サイクリングツアーの拠点となる施設は、ロードバイクやクロスバイクのレンタサイクルも可能(要事前予約)

5分も走れば、石狩川の堤防上に設けられたサイクリングコースに入ります。

スタートしてわずか2kmほどでこの景色。遠く札幌の街を望みます。牧場の馬たちがお出迎え。

突然に登場する、広大な石狩川の風景と地平線に感動されることでしょう。

石狩川沿いの道で見られる、圧巻の地平線。

堤防沿いのおよそ10kmの直線が終わり、石狩河口橋を渡り、石狩川の河口近くに進みます。石狩川最下流部の荒涼とした風景は、普通の旅行ではなかなか見ることができません。
石狩川を離れ、海岸線を北に進むと、今日初の登り坂が登場します。
小さな丘を登った先に広がるのが、望来(もうらい)地区の海岸風景です。

望来ビューと言われる、日本海の海岸風景。空気の澄んだ日には、100km近く離れた遠く雄冬岬まで望む絶景。

これまでは交通量皆無の快適な道でしたが、ここから約12kmの区間は幹線道路を走るので車に注意しましょう。
道の駅「あいろーど厚田」では、この地でしか食べることができないニシンのバッテラをご賞味ください。地元の蕎麦粉を使った蕎麦屋さんもおすすめです。

チューブの販売などもある、サイクリストフレンドリーな道の駅
ご当地名物のニシンと数の子を使った、この地でしか食べられないニシンのバッテラ。数の子のコリコリとした食感がたまらない!
厚田の海を眺めながらしばし休憩

厚田の町を抜けて道道11号線に入り、内陸に向かいます。
ここから先は、コンビニはおろか民家すらまばらになるので厚田でしっかり補給をします。道道11号線は交通量がほとんどなく、路面状態も良く、サイクリスト向けのナビラインもある極めて快適な道。徐々に標高を上げていきます。

交通量皆無で快適な登り
石狩市を中心とした地元行政のサイクルツーリズム推進のおかげで、走行環境整備が急速に進む

約3kmの登りの後は、快適な下りを経て道道28号線に合流。
「当別ダム」のほとりも快適な道で、少しずつ下りながら当別の街を目指します。

当別ダムのほとりを走るサイクリスト

当別の街の少し手前には絶品のソフトクリームを売る店があるので、立ち寄りましょう。

サイクルラックもありサイクリストフレンドリーな店構え。近年、増えてきました
別海町の牛乳を使ったソフトクリーム。濃厚な味わいは、ザ・北海道!

札幌に戻る少し手前、太美という小さな集落にある寿司屋「銀鱗」にも寄ってみます。

サイクリストでもあるマスターが握る、ランチ寿司セット。カニやホタテなど北海道らしいネタが新鮮で豪快に厚切りされ、サイクリングのランチとしては最高!胡椒でいただくあら汁も名物です

そして、北海道名物の一つでもあるロイズのチョコレート工場が銀鱗寿司の目と鼻の先に!
これは寄るしかありません。 なんと、本日2度目のソフトクリーム!
さすが、美味しいものが豊富な北海道のライド。走ったカロリー以上に食べてしまいます。

サイクルラックも完備しているロイズの工場。おすすめはロイズ自慢のチョコレートを使用したソフトクリーム。チョコの苦味と甘さが程よくバランスされた。ここでしか味わえない絶品ソフトです!

ロイズを出たら、少し遠回り。
「北生振(きたおやふる)」地区の地平線も堪能しましょう。
5km以上の直線が北海道を感じさせますが、ここが札幌の隣町とはにわかに信じ難いものがあります。

直線のライドが気持ちの良い石狩市北生振エリア。ザ・北海道の空気を満喫できます

北生振から少し走って、札幌大橋で石狩川を渡り、ジャスト100kmの絶景コースもいよいよ終了です。
全体的に交通量が少ない上に信号もほとんどなく、地平線や海岸、美しい山岳地帯に湖と変化に富んだ景色、消費カロリー以上に食べてしまう食の数々と、実に魅力的なコースです。
ぜひ北海道へお越しの際は札幌発、石狩エリアのライドをトライされてみてください。

サイクリングフロンティアではこちらのコースでプライベートサイクリングツアーも連日開催中。みなさんのご参加をお待ちしております!!

http://hokkaido-cycling.jp/tour/cycling-tour/summer-cycling/1487.html

石塚 裕也 / Yuya Ishizuka

サイクリングフロンティアの創業者であり、一般社団法人 日本サイクリングガイド協会 技術委員。幼少期から釣りと自転車の毎日。中学の時にランドナーで北海道一周、高校から本格的に自転車競技に。海外チーム、実業団などを経て、現在も趣味でレースに参加。
四半世紀の長きにわたる三流選手生活で、ゆっくり走るサイクリングの奥義を会得。

TRIP&TRAVEL
地元ライダー・ノリコが案内する
北海道グルメロードto屈斜路湖

こんにちは! 北海道、オホーツク地方の地元ライダー・ノリコです。流氷も去り、雪どけも進み、いよいよ自転車シーズンが始まります!今回は、シーズン最初なので車でワープしながら自然の息吹を感じるコースをお届けしたいと思います。 ではさっそく、女満別空港からスタート! 気候の良いこれからの季節は緩やかに伸びる道、大自然の北海道を気持ちよく走ることができます。道の駅「メルヘンの丘めまんべつ」、「メルヘンの丘」というビューポイントを通り、まずは呼人(よびと/網走市)にある「ジェラテリアRimo」を目指します。 ジェラートの本場イタリアの国際コンテストで日本人として唯一、2冠を達成しているマエストロがいるお店です。 これからの季節にはほかにもたくさんの味が登場します。 あっさり目で美味しいショコラータ、ミルク感たっぷりで後味がさっぱりとした桜のかすかな風味が特徴的。ふんわりと柔らかな食感、少々小ぶりなサイズということもあり、あっという間に食べ終えました。 糖分を補給したら次の目的地の天都山に向かって山の方に走ります。 左手に網走湖が見えて眺めのよい緩やかな坂です。交通量も少なく走りやすいのですが、頂上まで上り続けるためそれなりにキツイです。その分、上り切った時の景色は素晴らしい! 自転車の時期到来としましたが、オホーツク海側の常呂ではファットバイクを使って「流氷ライド」を楽しむことができます。また、「流氷明けの毛ガニ」といわれ流氷が運んできたプランクトンなどの栄養分をたっぷりとった大変美味しい「毛ガニ」もあります。そして、その本物の「流氷」がここ流氷館に展示されています。毎年、3月中旬に流氷 […]

#Kussharo Ko
FEATURE TRIP&TRAVEL
Breezing Through Setouchi in Ehime
#01 愛媛・潮風と山を堪能できる11のサイクリングロード

サイクリングパラダイスとして知られる愛媛県、行かれたことはありますか。瀬戸内海を望む温和な気候と自然豊かな風土に恵まれ、CNNの「世界7大サイクリングロード」の一つに選ばれた「しまなみ海道」をはじめ、県内には海と山を走り抜けるたくさんのサイクリングロードがあります。 四国の瀬戸内海側、北西部に位置し、四国4県で一番人口が多い愛媛県。瀬戸内海の海風を感じる穏やかな気候によってミネラルたっぷりの土壌で育つ「みかん」の生産地として有名で、海と山に囲まれた自然が広がります。また、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』のモデルにもなった道後温泉や松山城など歴史を感じる場所も多く残されています。そんな愛媛の魅力的なサイクリングロードを連載でお届けするこの企画。1回目の今回は、県内の11のサイクリングロードを一挙にご紹介します。 目次  1. 別子・翠波はな輪道 2. 石鎚山岳輪道 3. 今治・西条ゆうゆう輪道 4. 今治・道後はまかぜ海道 5. 伊予灘・佐田岬せとかぜ海道 6. 内子・中伊予さとやま輪道 7. 奥伊予・肱川清流街道 8. 宇和海しおさいオレンジ輪道 9. 宇和島・四万十だんだん街道 10. 愛南さんさん輪道 11. しまなみ海道サイクリングロード 1. 別子・翠波はな輪道 スタート地点:マイントピア別子(愛媛県新居浜市立川町707-3)県の東側にある「別子・翠波はな輪道」は、全長87.7kmで、標高1,500~1,700mの山々を囲むように走るコースです。日本三大銅山のひとつである別子銅山跡を利用した道の駅「マイントピア別子」からスタートして、まずは大永山を登ります。 360 […]

#Guide #Ride
TRIP&TRAVEL CULTURE
下町自転車散歩 #02
江戸・下町のレジェンド
北斎の名残をさがして(その3)

北斎の全盛期である後半生を自転車でたどる、北斎自転車散歩最終回。漫画、アートパフォーマンス、富岳三十六景、富士山への憧憬。本所地域から浅草地域を巡り、北斎の名残を探します。 目次  1. 「漫画」の生まれた日(50代) 2. その男、変わり者につき(60代) 3. The Great Wave(70代) 4. 絵と旅する男(80代) 5. 忘れられた巨人(90代) 『ドラゴンボール』、『Drスランプ』などを生み出した漫画家、鳥山明氏が2024年に亡くなり、世界中でその別れが惜しまれました。「漫画(Manga)」は世界でも共通語となった日本発のカルチャーですが、その言葉を生み出した人物をご存じでしょうか。 1、 「漫画」の生まれた日(50代) 55歳。依頼されて書き溜めたスケッチ集、『北斎漫画(海外では北斎スケッチ)』シリーズを刊行すると、これが予想外の大ヒットします。版元からどんなタイトルが良いかと問われた北斎は、「漫ろに(=自由に)書いた画なので、漫画がよい。」と名付けたそうです。「漫画」という言葉はこの時初めて誕生したそうなので、北斎はいわば漫画の名付け親ですね。 北斎の伝記を著した19世紀フランスの作家エドモン・ド・ゴンクールは北斎漫画を、「魔法じみたスナップショット」と評しています。 パフォーマー北斎なお、北斎は絵を公開制作するという現代アート的なパフォーマンスも行っていました。名古屋逗留の際には、本願寺名古屋別院にて、120畳(約186㎡)もの大きさの絵を描いたそうです。地面から見ている人々には何が描かれているかわからず、高い場所から見下ろしてようやく達磨の絵だと分か […]

#Tokyo #Hokusai