ホノルルセンチュリーライド2025
5組のライダーが描くトリップノート #05-1
4泊6日/南の島のカメハメハ・ロード、王道は想像以上に王道だった
シリーズでお届けするホノルルセンチュリーライド2025参加ライダーによるホノルルライドトリップノート。
最終回の第五回はThe Japanese Odysseyレポートやローヌ川ライド紀行などをはじめ、海外のサイクリストやサイクリングルートとも接点が多い下城英悟氏によるフォトレポートをお届けします。
ザ・ハワイ、ザ・アメリカ、なライド写真の数々。本当はもっと掲載したいのですがページの限りがあるので…(あるのか?)、それはまた別な機会に。珠玉のフォトレポートです。2026年のホノルルセンチュリーライドへの妄想にぜひ!
Note by Eigo Shimojo
2025年、うだる真夏の某日、GR編集部よりホノルルセンチュリーライド(HCR)取材の依頼がくる。実走してレポートしてほしいとのこと。
輪界(自転車業界の通称)の最末席に陣取り、レースや文化界隈の重箱の隅を暴走してきた筆者に、いよいよこの時が…、ひとり感慨深い。
”ホノルル・センチュリーライド”の伝統と輝きは心得ている。ハワイという特別な立地に長らく根付く伝統の100mileは、この種のイベントの王道と言って良いだろう。自転車仲間や同業者の多くが、過去に何度となく参加していたし、その体験を人づてに浴びてきたので、参加した気でいるくらいだった。獣道を来た筆者にはひときわ眩しいが、満を持してお鉢が回ってきたとなれば、ハワイの王道を自ら走り、人づてのバーチャルで矮小なる夢などは、しっかり塗り替えなくてはならない。
取材日程は、4日間。ハワイアンライドの魅力を、Dole社のパイナップルジュースよろしく、ぎゅぎゅっと高濃縮してダイアリー、いざ!
4泊6日/南の島のカメハメハ・ロード、王道は想像以上に王道だった
Note by_Eigo Shimojo
| 日 | 行程 | |
|---|---|---|
| 1日目 | 移動 | 夜:日本発 |
| 撮影準備 | 午前:ホノルル着 打ち合わせ/ロードバイクの組み立て | |
| 2日目 | 撮影 | ノースショアへ |
| 3日目 | コース下見 | コース下見/パケットピックアップ |
| 4日目 | 本番 | ホノルルセンチュリーライド2025参加 |
| 5日目 | 移動 | 自転車を輪行用にパッキング/夕方の便に搭乗 |
| 6日目 | 移動 | 夜:日本着 |
DAY_1/9月25日(木)
ホノルル空港到着は午前中。
今日は準備日、そのままワイキキのホテルへ向かう。絵画のような晴天に、白昼夢のようなに眩しい光が踊り、背の高い椰子の木々が、いたるところで風に悠々と揺れている。その揺れのようにゆったりした島の空気は、ホテルの部屋にも流れ込んでくる。ライドを思いはやる気持ちを抑えて、まずは荷を解く。輪行した自転車を組まねば。
今回持ち込んだのは個人的推しバイク、御当地米国産キャノンデールのグラベルバイクTOPSTONE。独特なフレームジオメトリー、専用設計の”キングピン”サスペンションシステムなど、ご当地アメリカンな先進性と遊び心が光る。流行りのグラベルカテゴリーをも軽々超えていくマルチタレンテッドな自転車だ。HCRのコースにグラベルパートはないのだが、島特有の路面に真価を発揮してくれるだろう。
明日からのあれこれを夢想しながら、自転車を組みすすめる。この時間は、海外輪行ならではの高揚感に満ちた贅沢な時間だ。六角レンチを片手に、窓の外、暮れゆく夕景は、色鮮やかな南国のそれだった。
DAY_2/9月26日(金)
せっかくのハワイ輪行だから、存分にその実を味わいたいと、滞在中はできるだけライドと撮影を詰め込んだ。本番HCRはオアフ島南東部がメインルートなので、今日は島の北部まで足を伸ばことにしていた。”ノースショア”ライドが目的だ。
*ノースショアライドについてはノースショア特集でお届けします。お楽しみに!
DAY_3/9月27日(土)
いよいよHCR本番を明日に控えたこの日は、事前のルートチェックを予定している。僕が走るのは、HCR最長の100mileルート、つまり総距離は約160km。ライダーとしてみっちり走り、かつ参加者視点で内側からイベントを切り撮るのが狙い。ぶっつけ本番も面白いが、しっかり準備してのぞむのがベターに違いない。GR編集部2名(編集M女史&私)で車に乗り込んだ。
ハワイを走るのははじめてではないが、長年HCRの舞台となっているワイキキ〜東海岸ルートを走るのははじめてのこと。あらためて地図を確認しながら、ハワイアン・ロードサイクリングの王道ともいえるコースに、背筋が伸びる思いがする。
早朝、本番同様に出発地点のカピオラニ公園から、規定のルートを辿ってドライブする。車窓から見える海岸線から丘陵まで、早起きの散歩者、ランナー、サーファー、そしてサイクリストが、明け方まだ仄暗い島を、早くも楽しんでいる。遠く波間、小さな漁船にも人影が揺れている。通年おだやかな気候だが、日中の日差しは厳しい。つまりハワイは朝がもっとも活動しやすい。早起きは至極当然なのだろう。
夜明けのダイヤモンドヘッドに差し掛かる。崖下のサーフスポットでは、無数のサーファーが波待ちしている。朝焼けが、彼らの影をオレンジ色に照らし出した。閑静な住宅地カハラ地区を抜け、ハイウエイへ。そして今年初めてルートに組み込まれた、ハナウマ湾自然保護区からコーコーヘッド周辺の雄大な海岸線を、撮影ポイントをチェックしながら進む。この美しいパシフィックコーストラインは、サイクリスト必須科目だろう。序盤から見所山盛りで、撮影ポイントが絞り込めず、うれしい悲鳴が出る。もう諦めて、景色を楽しむことに切り替えた。本番も、半端な審美眼より、直感を信じて、ただ猫のように素早くシャッターを押しまくろう。
さて、”ハワイ”といえば海のイメージだけれど、ルートは程よく内陸にも切り込んで、ハワイの火山性の丘陵や山の魅力もたっぷり感じさせてくれる。切り立つ岩陵のすぐ麓を縫う山村の田舎道に、バナナの葉が揺れる。ハワイは、山もステキだ…、などなど、次々あらわれるスポットをチェックしながら、決して短くない往復100mile(160km)のドライブを、難なく走り切っていた。
HCRの長い伝統に、今年は新しさも織り込まれ、ルートメイクの妙を感じる、ハワイアン・センチュリー(100mile)だった。さあ明日が本番。ライドが待ち遠しい。
🚴♂️ホノルルセンチュリーライド2025 5組のライダーが描くトリップノート
01 5泊7日/50年来の旧友と
02 5泊7日/小学生の娘2人とペダルを踏む!ホノルル80kmの旅
03 2泊4日/仲間と紡ぐ、優しく美しいライド体験
04 5泊7日/人生を変える絶景…ハワイを堪能するなら80kmがおすすめな理由〜3度目のホノルル旅〜
05-1 4泊6日/南の島のカメハメハ・ロード、王道は想像以上に王道だった
Profile

下城 英悟
1974年長野県生まれ
IPU日本写真家ユニオン所属
2000年フリーランスとして独立、幅広く写真・映像制作を扱うグリーンハウススタジオ設立
ライフワークとしてアンダーグラウンドHIPHOP、世界の自転車文化を追いかける
投稿日:2026.01.30