Breezing Through Setouchi in Ehime #05
U.S.A. から移住したジェレミーがお届けする
自然豊かな里山を走り抜ける川沿いのライド

これまでの記事で愛媛県内の北西海岸沿いのルートをほぼ制覇したので、次は県の中心部の内陸を縦に走るルート、奥伊予・肱川清流街道を走ることにしました。走ったのは9月でしたがまだ夏の暑さが続いていたので、今回は比較的のんびりとしたルートです。高知県との境にある山側から川沿いに道を下って、前回のライドで通った港町へ戻るという、ほぼ下り坂のルート。もしもう少しエクササイズしたかったら、長浜港からスタートして谷を登る逆ルートに挑戦してみるのも良いと思います。

目次

 1. 鬼子母神からのスタート
 
2. 川へ降りる
 3. 道の駅:清流の里ひじかわ
 4. 小さな城下町、大洲のユニークなホテルに宿泊
 5. ライドの続きに戻る前に、お舟めぐりと、街を散策
 6. 長浜橋へ向けて出発

1. 鬼子母神からのスタート

出発地点は、道の駅「日吉夢産地」。駐車場にある鬼のモニュメントが目印です。可愛い赤ちゃんの鬼を抱いた母子の鬼でしたが、たぶん今まで見た中で一番セクシーな鬼でした(笑)。この不思議なモニュメントの隣にはアイスクリーム屋さんと売店があって、電動自転車のレンタルもできます。

道の駅「日吉夢産地」
https://maps.app.goo.gl/aKhjdDhDMdR4hH5o8

1日目は全長62キロのルートの約3分の2を走って、小さな観光地である大洲の城下町で一泊します。翌日に残りの約20キロを走り切る予定です。

スタートからすぐに、里山の素晴らしい景色が広がります。

2. 川へ降りる

10キロほど進むと、次の道の駅があります。たぶんまだ休憩の必要はないと思うけど、ここには川へ降りられる場所があるので、ぜひ水に足を浸してリフレッシュしてみて。

道の駅 きなはい屋しろかわ
https://maps.app.goo.gl/DUZwutL387Gh8Nmq5

3. 道の駅:清流の里ひじかわ

そこからさらに15キロほど進むと、次の道の駅「清流の里ひじかわ」に到着します。

コースはひたすら緑に囲まれていて、橋や小さな滝、大きなダムを横に眺めながら気持ち良く走ることができます。ただ、少し難点なのは、長くて暗いトンネルが4つあること。トンネル内の照明はすごく薄暗く、照明と照明の間隔も広いので、強力なフロントライトが必須です。僕が使っていた100円ショップのライトでは地面が見えづらくて、不安感が強かったです。また、愛媛のトンネルでは、安心のために、点滅する赤いリアライトを付けることも強くオススメします。

大洲市街までの最後にある道の駅にて。

道の駅 清流の里·ひじかわ
https://maps.app.goo.gl/uR6mBqHKcBtpptVM8

4. 小さな城下町、大洲のユニークなホテルに宿泊

そして、静かな小さな城下町、大洲に到着しました。僕たちが泊まったのは町全体がホテルになっているような面白い場所で、1つの建物ではなく、近隣に点在する多くの古民家が泊まる場所になっている分散型の宿泊施設でした。

泊まった部屋は中庭に入り口がありました。

部屋に入ると、冷えたスパークリングワインのボトル!これは初めての体験でした!
(※公式HPからの予約特典です)

ここは宿泊者が誰でも使えるクラブラウンジのテラス席。ラウンジ内にはウイスキーや焼酎のバーがあって、自分でカクテルを作ることもできます。冷蔵庫には缶のカクテル、ワイン、日本酒、ソフトドリンク、そしてたくさんの瓶ビールが入っていました。さらにミックスナッツのディスペンサーまであって、ゆっくりくつろぐことができます。

Nipponia Hotel 大洲 城下町
https://www.ozucastle.com

僕の好きなビールについて伝えておくと、実はこの町にはクラフトビールの醸造所、臥龍醸造があります。残念ながら現在醸造所に併設しているタップルームは営業休止中だったのですが、観光案内所にある売店で4種類の生ビールが飲めます。自転車での旅行中はあまり飲める時間はないですが、ブルワリーの横のパン屋には瓶ビールを販売しているショップもあるのでお土産に持ち帰ることができます。

臥龍醸造
https://maps.app.goo.gl/t3vfq6Ea2VC45eM28

大洲は小さな町ですが、意外にもディナーの選択肢はたくさんありました。週末に行くなら良さそうなお店は予約しておくことをオススメします。僕たちが行ったのは「ことり」という居酒屋で、肉料理や刺身、揚げ物、そして握りこぶしくらいの大きさの巨大な生牡蠣など、バラエティ豊かでボリュームのあるメニューが揃っていてどれも美味しかったです。(ただ、牡蠣の大きさや入荷状況は季節によると思います。)

ことり
https://maps.app.goo.gl/9eucQX4k5poVDz1EA

5. ライドの続きに戻る前に、お舟めぐりと、町を散策

翌日は少しゆっくりと町を観光してから、ルートの最後の3分の1に向けて再出発することに。川沿いをずっと走ってきたので、その川をじっくり堪能するために町の景色を水上から楽しめる小舟にも乗りました。

大洲のお舟めぐり
https://jp.visitozu.com/archives/feature/1352

夜には「うかい」と呼ばれる伝統的な漁法で漁師がカワウという水鳥をつないで川に放ち、鮎を捕まえる手法を屋形船から眺めるツアーもあります。とても面白そうだったので参加したかったけど参加できなくて残念でした。6月から9月の期間限定なので、夏に大洲へ行くならぜひ参加してみてほしいです。

大洲のうかい
https://ozuukai.com

ランチは「葵CAFE」に行きました。とても独創的なメニューのあるサンドイッチ屋さんで、近くに同名の居酒屋もあります。

柚子胡椒入りのキューバンサンドイッチ
フレンチトーストのチーズ入りBLT

葵CAFE
https://maps.app.goo.gl/6nw5q5TLksgzFvWY8

僕は近くに城があれば必ず立ち寄ります。大洲城は小ぶりでしたが、城を建てる様子を再現した大きなジオラマがいくつかあって、それがとても気に入ったので訪れて良かったです。

6. 長浜橋へ向けて出発

大洲を出発してライドに戻ってすぐに、ちょうど観光列車が大洲城の絶景を望む橋を渡っているところを目撃することができました。橋をゆっくりと渡りながら、この写真を撮った場所からでも聴こえるくらいの音楽が流れていたので、観光列車だとすぐわかりました。

伊予灘ものがたり
https://iyonadamonogatari.com

今回海を見たのはここだけ。遠くに見えるのは前回のライドでも紹介した赤い吊り橋の長浜橋です。

今回のライドはここ、伊予長浜駅で終了です。愛媛県の道をライドする僕のアドベンチャーにお付き合いいただき、いつもありがとうございます!また少し涼しくなったら次のルートを一緒に楽しんでもらえると嬉しいです。

🚲今回のコース


🚲Breezing Through Setouchi in Ehime Series

#01 愛媛・潮風と山を堪能できる11のサイクリングロード
#02 愛媛に行くなら、まずは「しまなみ海道」から
#03 お城に、温泉に、クラフトビール! しまなみ海道から続く愛媛カルチャーを走る
#04 アメリカ人のジェレミーがライド!愛媛の最西端へ!せとかぜ海道をひたすら真っすぐ進む海沿い&魚ライド
#05 自然豊かな田舎を走り抜ける川沿いのライド


Text_ Jeremy Kircher
アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身。約10年間、ハワイ州ホノルルに住んでいた時期もあります。2017年から日本に移住し、現在は香川県高松市でクラフトビールの醸造士として働いています。サイクリングはお気に入りのエクササイズなので、数多くの四国の魅力的なサイクリングルートを紹介したいです。

FEATURE TRIP&TRAVEL
Breezing Through Setouchi in Ehime #04
U.S.A.から移住したジェレミーがお届けする 愛媛の最西端へ!
せとかぜ海道をひたすら真っすぐ進む海沿い&魚ライド

今回は、伊予灘・佐田岬せとかぜ海道と呼ばれるルートで、愛媛県の最西端を目指してアップダウンの激しい半島を横断します。多くの人にとって、ここはちょっと挑戦的なルートかもしれません。僕は、8月の炎天下の中、なんとか約80km以上を走り抜くことができたけど、正直、暑い時期におすすめできるルートではないです。サイクリング上級者で、僕のように過酷なことに挑戦するのが好きなタイプだったら、夏の間に走るのもなかなか燃えますよ、というのは冗談で、もっと気候の良い時期ならまた走りたいというのが本音です。暑くて大変だったという点以外は、とても充実したライドでした。 目次  1. 出発点:しおさい公園 2. 道の駅ふたみ 3. お好み焼きランチと楽しい歩道 4. 有名な下灘駅と近くで発見した面白いものたち 5. 初日の終点:赤い橋 6. えびすや旅館での滞在は心に残るおもてなし 7. 次の日、本当のチャレンジはここから 8. 警告:急勾配の坂道と暗くて長いトンネル続く 9. お疲れさま、ここまで来ればあとはずっと下り坂! 1. 出発点:しおさい公園 このサイクリングルートの出発点は、愛媛県の県庁所在地である松山市の少し南に位置する「しおさい公園」。大きな公園なのですぐ見つけられると思います。 これは、道中で見つけてとても役に立った地図。目印になるランドマークがたくさん載っているので現在地がすぐ分かるのと、標高が書いてあるので、これからどんなアップダウンが待ち受けているのかを知ることができて便利でした。 2日間の事前プランでは、1日目に半分以上先までいく予定だったけど、出発が遅れて予定変更。とにかく時 […]

#Japan
FEATURE TRIP&TRAVEL
Breezing Through Setouchi in Ehime
#01 愛媛・潮風と山を堪能できる11のサイクリングロード

サイクリングパラダイスとして知られる愛媛県、行かれたことはありますか。瀬戸内海を望む温和な気候と自然豊かな風土に恵まれ、CNNの「世界7大サイクリングロード」の一つに選ばれた「しまなみ海道」をはじめ、県内には海と山を走り抜けるたくさんのサイクリングロードがあります。 四国の瀬戸内海側、北西部に位置し、四国4県で一番人口が多い愛媛県。瀬戸内海の海風を感じる穏やかな気候によってミネラルたっぷりの土壌で育つ「みかん」の生産地として有名で、海と山に囲まれた自然が広がります。また、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』のモデルにもなった道後温泉や松山城など歴史を感じる場所も多く残されています。そんな愛媛の魅力的なサイクリングロードを連載でお届けするこの企画。1回目の今回は、県内の11のサイクリングロードを一挙にご紹介します。 目次  1. 別子・翠波はな輪道 2. 石鎚山岳輪道 3. 今治・西条ゆうゆう輪道 4. 今治・道後はまかぜ海道 5. 伊予灘・佐田岬せとかぜ海道 6. 内子・中伊予さとやま輪道 7. 奥伊予・肱川清流街道 8. 宇和海しおさいオレンジ輪道 9. 宇和島・四万十だんだん街道 10. 愛南さんさん輪道 11. しまなみ海道サイクリングロード 1. 別子・翠波はな輪道 スタート地点:マイントピア別子(愛媛県新居浜市立川町707-3)県の東側にある「別子・翠波はな輪道」は、全長87.7kmで、標高1,500~1,700mの山々を囲むように走るコースです。日本三大銅山のひとつである別子銅山跡を利用した道の駅「マイントピア別子」からスタートして、まずは大永山を登ります。 360 […]

#Ehime
FEATURE TRIP&TRAVEL
愛媛県主催
海外メディア向けサイクリングモニターツアー参戦記 #03

*参戦記 #01、#02はこちらからhttps://globalride.jp/trip-travel/ehimemonitortour24_01_jp/https://globalride.jp/trip-travel/ehimemonitortour24_02_jp/ 目次  1. 南予の漁村たちと岬めぐり(宇和島市) 2. 私達の日常が、誰かのエンターテイメントになる(宇和島市〜松山市) 愛媛周遊ツアーも早5日目の朝を迎えた。内子滞在の2日間をお世話になった農村の小さなドミトリー“古久里来(こくりこ)”さんお手製の和朝食を頂きながら、愛媛弁のオーナーご夫妻とのローカルトークにもいよいよ花も咲こうというのに……。早い別れが惜しい。1996年のオープンから、地元に根ざしたグリーンツーリズムを牽引してこられたご夫妻の温かいおもてなしに癒やされた、内子・大洲の滞在だった。同宿のクーパーは、別れを前に涙目だけれど、みなで記念撮影をしてさよならを。思えばこの4日間にしまなみを周遊し、石鎚山系に深山幽谷を駆け、内子や大洲の人と文化にも触れ、すでに愛媛県を2/3周してしいる。この上に何を求めるものがあろう?と、疑問を抱くほど、すでに愛媛に満たされている。が、行程はまだ2日残されている。あらためてルートを眺めれば、地図の上にむくむくあらたな期待が湧き上がる。今回のツアールートに込められた主催者の想い、ただならない。 1. 南予の漁村たちと岬めぐり(宇和島市) その期待の正体を確認すべく、この日に目指すのは、愛媛県南西部、南予地方の中心地、宇和島だ。内子から宇和盆地を抜け、景勝名高いリアス海 […]

#Cycling