りんりんロードライドレポート②
初心者ライダーにもお勧め
廃線を再利用したサイクルロード

目次

1. 二日目の「旧つくば鉄道コース」は、田舎の夏休みのようなノスタルジーライド
2. 廃線の線路がサイクリングロードに。車道や歩道と”併走しない”珍しいコース
3. ホームの面影が残る休憩スポットで自然の木陰に癒される
4. 城跡、牧場、アイスキャンディー、理想的な夏休み!
5. 筑波山を目印にシンプルな一本道は、初心者ライダーでも安心
6. 真壁の昭和な雰囲気の食堂でいただく絶品パーコー麺
7. コースにあふれる花を愛でつつ帰路につく
8. 春は桜の絶景!彩とりどりの景観が楽しめる
9. 一番好きな駅に着いたら、淹れたてのコーヒーでライドを振り返り
10. まとめ
・初輪行&初1泊ライド、最高の経験にしたいなら土浦から始める「りんりんロード」
・早めの出発がオススメです
・季節が変わると楽しみも変わる
・せっかくライドするなら「野点(のだて)コーヒー」でより味わい深く


二日目の「旧つくば鉄道コース」は、田舎の夏休みのようなノスタルジーライド

前回は霞ヶ浦1周111kmのロングライドに挑戦した様子をご紹介しました。
1泊した翌日のライドはのどかな雰囲気に癒される旧つくば鉄道コースの63kmライドレポートをお届けします。

※この記事は2020年6月の記事の再掲載です。

スタートは土浦駅で焼きたてパンの朝ごはん。

朝はプレイアトレ土浦内で7時から開いているパン屋さん「クーロンヌ」へ。クロックムッシュのモーニングでライド前の腹ごしらえです。

駅から5分ほど車道を走ると、自転車歩行者専用道へ。

しばらく走っていくと、先まで見通せる直線に。

ちょうど小さな電車が通れるくらいの道幅。線路跡の特徴があらわれています。

廃線の線路がサイクリングロードに。車道と”併走しない”コース

コースのもとになっている旧筑波鉄道は、国鉄常磐線と呼ばれ、土浦駅と水戸線岩瀬駅を結んでいた線路。1987年まで使われていたそうです。廃線後はこの「車道から完全独立」という特徴を活かしサイクリングロードに生まれ変わりました。
途中には元駅舎を活用した6か所の休憩スポットがあり、憩いの場になっています。

ホームの面影が残る休憩スポットで自然の木陰に癒される

最初にたどり着いたのは「虫掛休憩所」。

道の横に一段高くなっている部分は当時のホーム。またぐように大きな藤棚が木陰を作っています。花の季節は素晴らしい光景でしょうね!

城跡、牧場、自転車…小学生の夏休みのよう

さらにライドを進め、小田城跡でトイレ休憩。城自体はありませんが築城跡は芝生が刈り揃えられ、風が通って気持ちがいい。

コース沿いにある「ももじろう牧場」では、羊とヤギがお迎え。ベビーラッシュだったのか、元気な仔羊に癒されます。

自転車をこぎながら、城跡や牧場で道草…と、小学生の夏休みのようです。

日本百名山の筑波山が目印。シンプルな一本道は、初心者ライダーでも安心

つくづく感心したのは、道のわかりやすさ。
このコースはほぼ一本道で見通しがよく、方向音痴の筆者でも安心して走行できました。

初心者ライダーによくある「ロングライドのコース計画が難しくて挫折」という悩みから解放されます。

コースの東側に位置する大きな筑波山が目印となり、自分の居場所を把握するのも簡単。

真壁の昭和な雰囲気の食堂でいただく絶品パーコー麺

今回の折り返し地点、真壁休憩所に到着。まずはお昼ご飯を食べに「さつき食堂」へ。昭和な趣の定食屋さんにはたくさんの車が。人気店です。

パーコー麺は大きなカツと揚げ油の香ばしいスープが特徴。これで750円!!

塩分をチャージして後半のライドに備えます。

コースにあふれる花を愛でつつ帰路につく

行きのライドを振り返り、たくさんの花が溢れていたことに驚かされ、帰りは花を撮りながら戻ることに。
一番印象的だったのは行く先々にリズミカルに植えられたアジサイでしたが、そのほかにも様々な花が見ごろを迎えていました。






一番好きな駅に着いたら、淹れたてのコーヒーでライドを振り返り

最後の休憩に立ち寄った、土浦駅から二つ目の駅、藤沢休憩所。

携帯ガスバーナーでお湯を沸かし、自分でドリップしてコーヒーブレイクにしました。

お茶請けはプレイアトレ土浦の中で見つけた「かいつか」の干し芋。茨城ならではの携帯食です。

走り抜けるか、立ち止まるかになりがちなロングライドに、「一服する」楽しみが追加できるミニ「野点(のだて)」イベント。良い景色に囲まれて飲むコーヒーは最高だし、カフェイン効果とお茶請けのカロリーでその後のライドも楽になるし、これはライドの定番になりそう。

9時半から走り始め、土浦駅に着いたのが15時半。この日の走行距離は63kmでした。

まとめ

今回の土浦1泊2日の旅で感じたことをまとめてみました。

・初輪行&初1泊ライド、最高の経験にしたいなら土浦から始める「りんりんロード」

土浦から始めるりんりんロードは初輪行旅にピッタリ。電車輪行も、ホテルまでの移動も、これ以上なくシンプル。都心から1時間以内で到着するので現地滞在の時間をたっぷりとることができます。

コース中、車道と併走するシーンもありますが、霞ヶ浦コースも、旧つくば鉄道コースもシンプルな道のりなので道に迷う心配はほとんどないと言えるでしょう。

・季節が変わると楽しみも変わる

今回のライドでも、沢山の花を楽しむことができましたが、りんりんロードが1年で一番人気なのは桜の季節なのだそう。特に筑波山に向かう旧つくば鉄道コースは桜の花道ができ、リピーターになるライダーもいるのだとか。

桜以外にも、見渡す限りのレンコン畑の蓮の花がいっせいに咲いたら…、虫影休憩所の大きな藤棚が時期になったら…など、季節を変えて再訪したくなる魅力があり、予想外のうれしい発見でした。

・早めの出発がオススメです

一日かけて走るライドは、時間帯によって風向きが変わり、走りやすさに影響します。
特に霞ヶ浦の北側は夕方になるにつれて土浦駅方面からの向かい風が強くなる傾向が。夏は夕立を避けるためにも、早朝にスタート&午後明るい時間帯に終了する計画が安心です。

・せっかくライドするなら「野点(のだて)コーヒー」でより味わい深く

今回ライドに携帯して大正解だったのがコース途中で飲んだドリップコーヒー。
ドリッパーを組み立てたり、お湯を注いだりするひと手間と、きれいな景色を見つけてのんびり飲める贅沢さがライドのスパイスになりました。

キャンプでは、ドリップコーヒーは定番中の定番。携帯に優れたコンパクトなアイテムを集め、サドルバッグに収めて走りました。

ステイホーム期間解除後のロングライドは格別の喜びです。
感染予防の注意は必要ですが、最低限の移動でのびのび走れる環境があるなら、楽しまない手はない!
未走破の方はもちろん、輪行初心者の方でも、週末土浦でりんりんロードライドはおススメです!


上野から45分!1泊2日の自転車旅!りんりんロードライドレポート


りんりんロードライドレポートその1

りんりんロードライドレポートその2
TRIP&TRAVEL CULTURE
下町自転車散歩 #02
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1856年。フランスの若き版画家ブラックモンは知人のコレクションの陶磁器を見せてもらう。陶磁器は当時海外との国交を禁じていた日本から輸入されたもので、おそらく西欧では希少なものであっただろう。しかし彼の目を惹きつけて離さなかったのは器ではなく、その包装紙だった。それは、葛飾北斎の『北斎漫画』の1ページ。絵に感銘を受けたブラックモンは、その後苦労して入手した『北斎漫画』をパリの画家仲間たちに広め、やがて北斎はフランスからヨーロッパで広く知られるようになる。 …という話は残念ながら創作といわれていますが、北斎が当時のヨーロッパ、とりわけクロード・モネやフィンセント・ファン・ゴッホといった若き印象派の画家たちに強い衝撃を与えたことは広く知られています。 海外では「The Great Wave」と呼ばれる富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」など、だれもが一度は目にしたことのある北斎の絵。日本が初めて芸術デザインを取り入れた現行のパスポートには富嶽三十六景から16~24作品が掲載され、神奈川沖浪裏は2024年秋からの1000円札の新札の図案となるなど、今や日本を代表する画家である葛飾北斎。そして何より本コラム「下町自転車散歩」的には、彼は生涯町絵師として地元を愛したお江戸下町っ子の大先輩でもあります。 本日は下町っ子の不肖の後輩が、北斎が生まれ暮らした墨田区を中心に、その人生の足跡を自転車で訪ねていきたいと思います。 目次  1. やがて葛飾北斎となる者、川の町に誕生(1歳~) 2. ティーンエイジャー(10歳~) 1、 やがて葛飾北斎となる者、川の町に誕生(1歳~) 誕生江戸と下総の国をつな […]

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