目次 1 誕生の地、ストラスブール2 エココンシャスな仲間3 ウルトラディスタンスへ 1 誕生の地、ストラスブール さて、このあたりでTJOの主催者、謎掛けの真犯人について、すこし話すべきだろう。 世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスを擁するフランス。1791年にパリで自転車の原型が発明されて以来、その伝統と格式、そして誇りを、この国ほど体現し守ってきた国もない。ツールを頂点としながら、フランス全土で催されるレースやイベントの中には100年を超える歴史を持つものもザラだ。そういう文化的土壌が、かのブルベの様式や、その頂点パリ=ブレスト=パリなどを育くみ、世界の自転車文化を牽引してきたといえる。フランス人の中で、それは乗り物以上の存在と言えるのかもしれない。 さて、日本の自転車イベントの話が、なぜかフランスに飛んでしまったが、これには深いワケがある。 場所はフランスの北部、ドイツとの国境地帯アルザス地方の主要都市ストラスブール。この地で物語は始まった。自転車を楽しむに最適な、美しい丘陵が織りなすこの地に育ったエマニュエル・バスチャンとギョーム・シェーファーの2人が、なにを隠そうこの物語の編み手である。 2 エココンシャスな仲間 話は飛ぶが、90年代〜00年代初頭、北米のストリート発のサイクルメッセンジャーカルチャーが世界を席巻していた。サイクルメッセンジャーとは、簡単に言うと都市型自転車宅急便である。インディペンデントかつ実践的なサイクリストコミュニティに根ざしながら、創造的なDIY精神や、今日のSDGs哲学にも先駆けたエコ思想を、サイクリストの体一つで深め、体現しようと […]
今年もホノルルセンチュリーライドが、つい先ほど終わりました。去年に引き続き、今年も絶景を駆け抜けたり、思わぬ出会いがあったりで大満足な1日でした。HCRに参加される皆さんは、翌日の夜、ないしは明後日の便で帰宅される方が多いようですが、最後の1秒までホノルルを楽しんでもらいたい、と思い、GRコミュニケーションディレクターの河瀬が自分の足で稼いだ、とっておきの情報をシェアしますね。 まずは別の記事でも紹介したカカアコ地区のSALT、その中にあるのがハワイアンフードを食べさせてくれるHigheway Inn。ワイキキからは6キロぐらいの距離、自転車なら20分ぐらいですかね。 日系人のご夫婦が始められたお店で、伝統的なハワイアンフードからロコモコまで、ハワイのご飯が揃っています。おすすめは、ラウラウやポイなどハワイの伝統食が食べられる、Higheway Inn Tasting Plate(28.99ドル〜)。4人でこれをとってシェアして、あとはロコモコとかビーフシチューとか好きなものを一品ずつ食べれば、お腹いっぱいになります。僕が大好きなのは、Hawaiian Beef Stew Plate(16.99ドル)、ご飯は白飯か玄米、付け合わせはポテトサラダかマカロニサラダから選べます。ああ、ハワイを離れる前にあの牛肉ゴロゴロシチューを、もう一度食べたい。 🍴 ハイウェイ イン カカアコ / Higheway Inn Kaka’ako 同じくカカアコ地区の地ビールの人気ブリュワリー、Honolulu Beerworks。ここで作りたてのビールが、ハワイ料とともにいただけます。ビー […]
今年もホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)がまもなく開かれるオアフ島に滞在中のGlobalRideコニュニケーションディレクターの河瀬大作です。大会が開かれるオアフ島はワイキキ以外にも、魅力的な街が沢山あります。せっかくハワイに来たなら足を伸ばさない手はありません。 コミュニケーションディレクターの私がお勧めしたいのは、オアフ島の東海岸に位置するカイルア地区です。ワイキキからは、海沿いを行けばおよそ40キロの距離。HCRの2つめのエイドステーションがあるのがカイルアです。オバマ元大統領と大変にゆかりの深い土地でもあり、センスのよいショップが集まるビーチタウンでもあります。シェアバイクのbikiで行くにはしんどいですが、ロードバイクならワンデイライドにはちょうどいい場所です。 カイルア地区までは、海沿いのルートがおすすめ。実はHCRでもカイルア地区まで海沿いを走るルートが組み込まれているのですが、前半のハイライトのひとつが、マカプウ岬のルックアウトからの絶景です。去年、初めてHCRを走った僕が最も心を動かされたのが、ここからの風景です。高く切り立つ山、グラデーションが美しい海、その端境(はざかい)の道を下る時には思わず「最高!」と声がでたのを覚えています。 カイルアはワイキキとはちがって小さな街。歩いてまわれるエリアにショップやレストランが集まっています。 地元の人たちの憩いの場所になっているのが、ChadLou’s Coffee Roasters。自家焙煎の美味しいコーヒーが飲めます。スタッフにおすすめを聞いたら、バニラフレイバーのラテを勧めてくれました。アイ […]
今年もまもなく、ホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)が開催されます。起伏にとんだ160キロのコースは最高に気持ちがいいです。でもせっかくホノルルまで来たのであれば、街も楽しみ尽くしたいですよね。そこで提案したいのが街を自転車で走ること。片道10キロの軽い道のりなら、長時間のフライトの疲れをリカバーできるし、右側通行のアメリカの道路にも慣れることができ、安心してHCR本番に望むことができます。 ただ観光でハワイに行くというあなたもワイキキとアラモアナセンターだけじゃない、自転車にのれば、素顔のホノルルが楽しめちゃいます。簡単に借りられるシェアバイクも街のあちこちにあります。 今回は、Global Rideでコミュニケーションディレクターを務める私がナビゲートする、気軽に楽しめる街チャリ旅 in ホノルルです。 でも、あんまり遠くに行くのは不安だし、坂道とかイヤですよね。そんなあなたにおすすめの目的地が、ホノルルのダウンタウン。 ワイキキからの距離は片道10キロほど。コースによっては、絶景ビーチも見られるし、カメハメハ大王にも会えるし、ローカルフードも、おしゃれな雑貨屋さんも、楽しいことが盛りだくさん。それもこれも自転車で回るからこそなんです。 あまり知られていないですが、実はホノルルって自転車用の道が案外、整備されているんですよ。 ホノルルの街にはバイクスタンドがあちこちにあります。これはクレジットカードで簡単に借りられるbikiというシェアライド自転車です。都度利用、1日利用、3日利用という借り方ができます。日本語でも説明が書かれているのですごく借りやすいです。 今回は、 […]
こんにちは、温玉ねぎとろです。輪行ガイド(国内編 #01)に続き、本記事では主にバスを利用する際の注意点と宿泊施設について解説します。*2024年8月現時点での調べ 目次 2. 国内輪行のルールと状況 2-6 バス(高速バス・空港連絡バス) 2-7 バス(路線バス) 2-8 飛行機3. 輪行の受け入れ態勢/宿泊施設4. まとめ 2-6 大型バス(高速バス/空港リムジンバス/共同運行バス) 高速バス<専用の輪行袋の使用規定>・輪行袋に収納している・混雑時は使用できない可能性がある 基本的には電車と同じ場合が多いです。輪行袋に収納しているということを条件に許可をしている場合もありますので、使用される予定のバス会社の規定を確認しましょう。 <バスでの輪行について>現在の日本国内ではバスで輪行する長距離移動は少し難しい状況にあります。というのも、以前までは数社の高速バス会社で輪行の受け入れを行っていたのですが、現在はサービスが終了している場合が多いです。そのため、バスで輪行する場合はしっかりと該当路線の規定を確認し、必要であればバス会社に電話をして確認をしましょう。2024年現在、高速バス・都市間バスなどの長距離移動をするバスでは輪行を受け付けていない場合が多いです。 また、規定としては以下のような場合が多いです。 ・輪行袋に収納している・混雑時は使用できない可能性がある バスの場合はトランクルームのサイズに限りがあるので、なるべくコンパクトに収まるように工夫をしましょう。基本的にはトランクがあるバスの一部で輪行可能な場合があるという認識です。都市間バスに関しては、鉄道在来線が衰退もし […]
目次 1 チェックポイントとセグメント2 ルートの「妙」 1 チェックポイントとセグメント 2016年のイベントは東京日本橋を出走し、全国各地に散りばめられた11箇所の山岳チェックポイント(以下CP)を経て、会期2週間以内に終着地大阪道頓堀を目指す。 総距離にして約2500~3000kmの道程になるだろうか。 前年に増してクレイジーの度合いが増している。 日本橋〜道頓堀といえば、よく知る東海道で、国道1号線を使えば550kmほどの距離のハズ。 が、何をどうしたら3000kmなのか。謎を解く鍵はやはりCPだ。 以下に2016年の完走要件となったCPを挙げてみよう。 The Japanese Odyssey 2016 全チェックポイント ①草津白根山(群馬)②榛名山(群馬)③大河原峠(長野)④入笠山(長野)⑤乗鞍山(長野)⑥木曽御嶽山(長野)⑦大台ヶ原山(奈良三重県境)⑧剣山(徳島)⑨天狗高原(高知県)⑩篠山(愛媛・高知県境)⑪安蔵寺山(島根) 変態好事家サイクリストたちをなら存分喜ばせる自転車的名所と言えなくもない、いずれも長距離登坂をともなう高強度な峠の難所である。 それらが本州~四国にかけて幅広く、また意地悪く分布する。 参加者は事前ルート設定に相当苦しんだことは想像に難くない。 ブルベと同様、この手のレースの通例として、参加者各々のルート設定は当然各人の準備に任されている。 だが、相手はブルベを遥かに凌ぐ長大な道のりである。 2週間の長い期間と3000kmの総距離を通じて、CPをいかに効率よく、または効率無視で面白くつないでルートを切るか、各サイクリストの経験はもちろん、6 […]
目次 1 変わらず見えない全容2 「ドット」ウォッチャー 1 変わらず見えない全容 年が明け、前年のリベンジに手ぐすねを引いて待つ僕に、第2回The Japanese Odyssey (以下、TJO)は随分優しかった。 公式サイトは情報の厚みが増し、細かなルート情報まで載っていた。 出発は日本橋。/The event starts at Nihonbashi. イベントの理念や概要といったテキストの端々に、開催地である日本に対する主催者の熱意と敬意が、前年にまして込められていると感じる。 英語版サイトのみなのは、やはり広くグローバルに参加者を募っているのだろう、これは他のウルトラディスタンスレースと同様だ。 しかし前年に続き日本語サイトは見当たらない。 そもそも主催に関して日本人は介在するのか、その余地はあるのか?という疑問符も、前年に続き点滅している。 ともかくなんとか全容を掴みたい。 この年は取材敢行を心に決めた。 2 「ドット」ウォッチャー 取材の事前準備として、まずルールを確認し、次に規定されたチェックポイントの精査と、ルートの予想に取り掛かった。 TJOの特色のひとつに、チェックポイント方式がある。 公式設定されたチェックポイント地点を全て通過(クリア)しないと、最終的な完走は認められない。 この通過を確認するため、参加者全員は出走前に貸与される公式GPSデバイスを自転車に取り付けて出走しなければならない。 GPSにより出走者全員のリアルタイムな位置情報が、インターネット上の公式トラッキングサービスが提供する地図情報の上に、個人アイコンとともに反映されるのだ。 これに […]
こんにちは、温玉ねぎとろです。 今回は国内で自転車旅行やイベント参加する際には避けては通れない国内輪行について、国内外を自転車で旅した経験を基に簡単にご紹介したいと思います。自転車は飛行機や電車、フェリーなど様々な乗り物と組み合わせて移動することができる自由度の高い乗り物です。上手く交通機関と組み合わせることで、ちょっと遠いと感じていた地方のイベントにも足を運んでみましょう!*2024年8月現時点での調べ 目次 1. 輪行の歴史と文化2. 国内輪行のルールと状況 2-1 JR 2-2 新幹線 2-3 私鉄各社 2-4 サイクルトレイン 2-5 フェリー・渡船 現在の日本国内では自転車と共に移動する「輪行」が可能です。在来線、新幹線、一部バス、飛行機、フェリーなど多くの交通機関では自転車の両輪を外して「輪行袋」という専用のケースにいれることで交通機関に自転車を持ち込むことができます。ちなみに、海外では電車やバスにはそのまま持ち込めることが多く、輪行袋を珍しがられることも少なくありません。 1 輪行の歴史と文化 そもそも「輪行」は競輪選手が競技場まで移動するための手段として登場しました。その後、日本サイクリング協会と国鉄との交渉によって1970年代に自転車を分解して袋にいれることを前提として、一般のサイクリストの乗車も許可されました。これが現在の輪行文化の発端になります。海外では輪行袋を使用する文化はなく、路線や国にもよりますが基本的には自転車を解体せずに持ち込むことができる場合が多いです。日本では先人たちの活動の積み重ねが輪行という形となり、私たちが交通機関と自転車を組み合わせて […]
ブリスベン在住のサイクリストAyakaが、パートナーのYoshiと共に地元サイクリスト目線でブリスベン・サイクリングフェスティバルの様子を前後半にわたりレポートします。後編では、目玉となるイベント「ツール・ド・ブリスベン」の大会レポートをお届けします。※前編はこちら 目次 1 ツール・ド・ブリスベンとは?2 スタート、ゴールはエキスポ会場から3 まるで仮想現実!シティのど真ん中を駆け抜ける4 街を一望するストーリーブリッジとハイウェイ5 シンプルだからこそ味わい深いエイドステーション6 「太陽の州」にて7 進化する自転車都市ブリスベン 1 ツール・ド・ブリスベンとは? ブリスベン・サイクリングフェスティバル期間中、ナショナルトラックレース、ナショナルロードレースにファミリーライドなど、数あるイベントの中でも目玉となるのが「ツール・ド・ブリスベン」です。 コースは50km、80km、110kmの全部で3種類。いずれも一般市民向けのファンライドイベントである上に、110kmコース(獲得標高約1,200m)ではUCI(国際自転車競技連合)グランフォンド・ワールドシリーズの参加者資格取得も兼ねたレース部門も開催されます。 このツール・ド・ブリスベンの何がすごいかと言うと、街の中心部から周辺の山間部をつなぐルートを引き、スタートからゴールまで「完全封鎖の都市型ライドイベント」に仕上げたということです。 ブリスベン中心部のオフィスビル群、バス専用道路、高速道路、街のシンボルでもあるストーリーブリッジをこの大会のためだけに完全封鎖したプレミアムなライドイベントなのです。 2 ス […]