フォトグラファーが指南する、
GO! GO! 海外輪行!

はじめての海外輪行、憧れの地のサイクリングに胸膨らませながらも、不安の暗雲が晴れません。愛車を担いで海外輪行…、果たしてオレ(ワタシ)にやれんのか?と。旅の荷物に加えて、自転車持ってくわけだから、すごい荷物です。気が重くなって当然。ビギナーも、エキスパートも、海外輪行はみんなに平等に大変なのです。日本がはぐくんだこの大変面倒なる「輪行」スタイルは、「RINKO」として、いまや世界共通の自転車用語となりました。巨大な”面倒さ”の中に隠された、計り知れない魅力に、世界は気づいてしまったのかもしれません。かくして、「輪行/RINKO」に憧れ、国内外問わず試行錯誤を重ねる筆者の、ささやかなる輪行豆知識をシェアリング!お役に立てばコレ幸い!

Text&Photos_Eigo Shimojo

目次

ケース選びが、第一歩
輪行ケースの最適解
段ボール箱最強説
シン・段ボール箱
箱の中身


その他の輪行記事のご紹介


ケース選びが、第一歩

人生に得難い体験をもたらしてくれる海外輪行ですが、基本が大荷物となる海外輪行では、機材選び、梱包と運搬、空港チェックインなどなど…、立ちはだかる壁は多い。荷物の絞り込みは大命題になります。備えあれば憂いなしとはいえ、不安に備えすぎると荷物は重く、煩雑になるばかり。気持ちも、荷物も、シンプルに整えるのが、上手な旅の秘訣です。そんな心構えを整えたら、海外輪行一歩目に、まず輪行ケースを選びます。なぜか?それは、空港で輪行バッグを預ける際、荷物サイズに上限があるから。まず輪行パッキングの入れ物を決めてしまいましょう。

おおよその航空会社に当てはまる荷物の制限サイズが、下記になります。

サイズ
3辺合計203cm以内

重量
20kg〜23kg以内(エコノミー)
32kg以内(ビジネス等各社プレミアムカテゴリー)

例外はありますが、おおむねこのサイズに収めれば無料で荷物預け入れが出来ます。制限を超える場合は、別途超過料金が発生して高額になることもあるため、上限内に収めるのがベターです。まずケースを決める理由は、ここにあります。

輪行ケースの最適解

世に様々なタイプの輪行ケースがありますが、ナイロンバッグ系、キャスターバッグ系、ハードケース系の3つがその代表でしょう。それぞれに一長一短がありますが、僭越ながら筆者の経験を元に最適解を導いてみます。

まず、最も一般的でなナイロン製輪行バッグ

バリエーションも多く、軽量で使い勝手良く国内輪行で大活躍。なのですが、海外輪行となると避けたいチョイスです。理由は、海外の空港は貨物扱いが荒く、ときに放り投げられ、巨大スーツケースの下敷きになるようなことも…。

ソフトなナイロンバッグの構造では、たとえ厚い保護パッドがあっても、バッグ内部の車体にかかる圧力や衝撃から守りきれないのです。パーツ類を極力外す、緩めるなど対策出来ますが、再度の組み立てを思うとビギナーにおすすめできない手間となります。

ならばハードケースではどうか?確実に自転車を守り、最強の堅牢性を誇るものの、ケース自体がとても重く、しかもたためないので旅先では絶望的にかさばります。自転車以外の収納スペースが少ないのも、手荷物増加の理由となる。結果ハードケースも最適解にはなりづらい。

もっとも使い勝手が良かった、個人的最適解は、「箱」でした。自転車を収納できる「段ボール」、自転車販売店さんの店先でみかけるデカいアレです。ダッ、段ボール箱かーい!とお叱りの言葉も聞こえます、が、その通り。それを承知で、なお「段ボール」推し!その理由とは…。

Photo by 温玉ねぎとろ「輪行プロフェッショナルがお届けする輪行ガイド(海外編)」より

段ボール箱最強説

ずばり、海外輪行で段ボールが最強な理由とは、軽量、堅牢、収納力、そしてなによりそのコスパです。ハードケースに劣るものの、段ボール箱が自転車を守る能力は、物流現場でも使用されている事実からも明白です。コスパに至っては、自転車屋さんで譲っていただけた時点で、全てに勝ちます。かつ軽量で、最悪ガムテがあれば畳んで何度でも再利用可能。

段ボールそのほかのパッケージを使用した輪行記事はこちら
「輪行プロフェッショナルがお届けする輪行ガイド(海外編)


なによりの推しポイントは、収納力です。立方体内側の隅々まで存分に荷を詰められる、これが全ての市販輪行ケースを凌ぐアドバンテージだと、個人的に思います。荷物も思考も煩雑になりがちな海外輪行では、放り込んでおけばどうにかなる「箱」の安心感は、海外で頼りになります。こうしてたどり着いたファイナルアンサーが「段ボール箱」なのです。ただ、段ボール箱で海外旅行という、一抹の寂しさのようなものが、いつだってつきまとっていたのは事実。

シン・段ボール箱

こうして段ボールを愛用していたある時、アマゾンにて真の最適解の発見に至ります。輪行専用に最適化されたプラ段ボール製の輪行専用ボックスがそれです。

ファイナルアンサー、キター!と早速ポチっとな。軽量丈夫で繰り返し使え、さらにコンパクトな収納性が秀逸で、輪行先で小さく折り畳める構造はすばらしい。白く輝くプラ段ボールには、茶色い段ボールが持つ寂しさはもうありません。サイズも、航空輪行の制限サイズに適合した複数サイズが展開され、ユーザーごとの輪行スタイルで選ぶこともできます。

開発元は台湾メーカー。さすがは自転車大国台湾です。海外含めて何度か輪行に使用し、暫定ファイナルアンサーは、コレだ!との思いを強くしています。

プラ段ボール箱は、最強最良の輪行ケースと思いますが、コスパでは断然、段ボールに軍配!これから海外輪行をされるみなさんのお好みで、ご検討いただけたら幸いです。

箱の中身

使用航空機のカテゴリーをエコノミーとした場合、輪行ケースの上限は20~23kgほどが一般的。カンタンに内訳を想定すると以下になります。

・一般的ロードバイク_重量_8~10kg
・ケース(段ボールケース想定)_重量_3~5kg
・その他(サイクルウエア/各種ギア/シューズ/ヘルメットなど)_重量_5~8kg
total 20~23kg

自転車とケースを差し引いた、約5〜8kg程度が、輪行ケースに詰められる荷物の許容量になります。この重さをイメージして、輪行の荷物を厳選しましょう。

ここで荷物の軽量化にまつわる豆知識を、2つほど

1つ目。ウエア類のせレクトには、”兼用”の視点を持ちましょう。つまりライドのウエアと、普段着の併用を図って、荷物の減量を狙います。目的地をイメージして、ウエアを探すのも、モチベーションアップにつながります。オシャレと軽量化を兼ねた兼用ウエアはおすすめです。

2つ目。自転車に装備するバッグ類、バイクパッキングギアも、海外輪行にとても有用です。ライド中に煩わしいバックパックいらずで、エイドキット、補給、カメラ、レインウエアなどをスッキリ収納でき、輪行時には収納バッグとして荷物整理に役立ちます。

さて、皆様の海外輪行が、かけがえのない素敵なものとなりますよう、Be Prepared!そして、Bon Boyage!

<掲載製品情報>
使用車両:
Cannondale
Topstone Carbon 3

使用輪行BOX:
QBICLE(台湾)
自転車産業大国台湾発のブランド。
軽量かつ頑丈な輪行専用プラ段ボール製キャリーボックス。組み立てはいたってカンタンで、さらにコンパクトな収納性が秀逸。

BIKE PORTER PRO
展開時
幅100cm × 高70cm × 奥行28cm
三辺合計_198cm

折畳み時
72cm × 46cm × 12cm


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輪行プロフェッショナルがお届けする輪行ガイドシリーズ
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Profile

下城 英悟/Eigo Shimojo
1974年長野県生まれ
IPU日本写真家ユニオン所属
2000年フリーランスとして独立、幅広く写真・映像制作を扱うグリーンハウススタジオ設立。ライフワークとしてアンダーグラウンドHIPHOP、世界の自転車文化を追いかける

EVENT
噂のThe Japanese Odysseyとは?#02
2015年、7月18日を目指す

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噂のThe Japanese Odysseyとは?#01
ウルトラディスタンスという世界へ

遠くへ。 10年ほど前からロングディスタンスの域を超え、ウルトラロングディスタンスと言われるイベントやレースが世界各地で立ち上がり始めた。その距離、数千キロ。1週間〜半月くらいかけて国々や県境を渡り、峠や河川を越えていく。エイドステーションも警護車もなく、ゴールに辿り着くまでは自分自身でだけが頼り。その界隈のサイクリストにじわじわと注目を集めている、過酷なライドだ。日本では「ブルベ」が名を知られているが、近年、マニアックなサイクリストに熱い視線を注がれているのが「The Japanese Odyssey」。親日家のフランス人2人組が立ち上げた、アブノーマルな道も含む行程で日本国内数千キロを漕ぎ進むというイベント兼レースだ。 本連載では、このイベントに魅せられ、追い続けてきた写真家・下城英悟氏による、The Japanese Odysseyのドキュメンタリー風エッセイをお届けする。 目次 1 プロローグ・オン・ザ・ロード2 道路元標0地点3 “黒船来襲” 1 プロローグ・オン・ザ・ロード 東京日本橋、午前3時。 橋上に立つのは、世界各地から集う名もなきアマチュアサイクリストたち。 やがて夜明けの闇が白む頃、オーガナイザーのエマニュエルが、その刻を告げるべく腕を振り上げた。無言に振り下ろされるその腕をチェッカーフラッグにして、集団は走り始める。2週間後の約束の地を目指して。 折から紅葉に染まりゆく日本列島約3000kmの山河を人知れず深く分け入って、散りぢり駆けていく車輪の群れ。出走の瞬間からゴール到達までは、昼夜もないレースタイムだ。いや、レースと形容するには語弊を伴う、伴走者も […]

EVENT
The Japanese Odyssey Report Season 2
クレイジーな旅が再び〜2025年へ漕ぎ出す〜 #06
300km/日の最速エンジニア 🇬🇧
禁欲のバイク中毒者(主催者その2) 🇫🇷
“ハルキスト”なルートメイカー(主催者その1) 🇫🇷

2025年の秋に開催されることが決定したThe Japanese Odyssey(以下、TJO)第二弾、今回は2016年イベント最速の男とフランスからやってきた主催者二人のライド哲学や装備のこだわりをお届けします。ウルトラロングライドの挑戦に興味がある方は必見!彼らのバイクパッキングも参考に、一緒に走ってみませんか? *前回のエッセイはこちら 300km/日の最速エンジニア/TOM WILLARD(England) 出走前も早朝の日本橋に一番乗りし、そのまま2016年TJOダントツの所要10日間でゴール地の道頓堀に到達したのは、ポールトゥウィンの英国人、トムさん。GPSの記録で1日300km超を走るペースは、この年の最速。ふだんから、在住の南ロンドンに拠点するオダックス(ブルベを開催する)に籍を置き、週末を中心に日に2~300kmを走るランドナー。笑顔の明るさ、実直な語り口の彼に、日本を走った印象を訊ねると、なぜか日本の工業技術の偉大さについて熱めに語り始めました。「日本の自然の景色マッチした、橋梁、道路、トンネルが素晴らしかった。工法も興味深かったね。話は違うけど家電も最高。景色もさることながら日本は技術力が素晴らしい」と。電気系エンジニアでフルタイムワーカーとのことで、なるほど腑に落ちました。TJOのルートは、多くの川を渡り、山間深く分け入り、交通治水の核心的構造物の多くを横目に駆け抜けていきます。構造物、地形、歴史好きなある種の人々にはたまらない、自転車版ブラタモリルートでもあるので、トムさんはそんなところにも惹かれたのでしょう。愛車はSPECIALIZED、野心的グラベ […]