観光都市ニセコと2つのライドイベント②
日本で唯一、UCIグランフォンド世界選手権の予選として認定されたニセコクラシック

さて、ファンライドにおけるお楽しみの一つがエイドステーションでの補給食です。このイベントにはイオン北海道が特別協賛していることもあり、イオンPBのゼリーやドリンク、バナナなどが大量に配られ、参加者の走りをサポートしてくれました。

※この記事は2019年7月の記事の再掲載です。

コース上には曲がるべきポイントに必ず立哨スタッフが配置されているほか、メカトラブルに対応してくれるスタッフが同行するなど、サポート体制が充実しているので参加者は走ることだけに集中できます。ちなみにこの時期、あまり見られないという羊蹄山が姿を現したこともあり、北海道らしい広大な風景と合わせて非常にいい思い出を作ることができたようです。

なお、参加賞としてオリジナルTシャツが配られたほか、ゴール後のイベントでは主催の池内グループが取り扱うアウトドアブランドの各種アイテムが抽選会の景品として提供されていました。さらに、道中で撮影された画像は自由にダウンロードできる予定。SNSが大好きな現代のサイクリストにとってはうれしい特典と言えるでしょう。

続いてニセコクラシックについて。この市民レースは毎年11月に沖縄県で開催されるツール・ド・おきなわをお手本に、まずはヒルクライムレースで実績を積み、6年前から一般公道を封鎖して行われる本格的なロードレースへと成長。UCIグランフォンド世界選手権(以下、UCIGFWS)の予選戦に組み込まれて今年で4シーズン目を迎えました。この予選戦、2019年シーズンは世界各地21か所で行われ、アジア圏で開催されるのはここニセコとインドのみ。各カテゴリーでトップ25%の順位に入った競技者は、決勝大会(2019年はポーランドのポズナン)への参加権を得ることができます。

そのため、この決勝大会への進出を狙うべく海外からのエントラントも多く、ロードレース部門の参加定員1200名のうち、今年は何と2割が外国人でした。シンガポールや台湾に次いでオーストラリアからの参加者が多かったのは、冒頭でも説明したようにやはりニセコという土地柄でしょうか。


EVENT
観光都市ニセコと2つのライドイベント①
ライト層も楽しめるニセコ羊蹄ファンライドを体験

7月最初の週末、北海道のニセコエリアで二つのサイクリングイベントが開催されました。一つはUCI公認の市民レースであるニセコクラシック、もう一つは羊蹄山をぐるりと一周するニセコ羊蹄ファンライドです。海外からのエントラントも多く、ニセコらしい国際色豊かな二日間となりました。

#Report #Japan
EVENT
噂のThe Japanese Odysseyとは?#01
ウルトラディスタンスという世界へ

遠くへ。 10年ほど前からロングディスタンスの域を超え、ウルトラロングディスタンスと言われるイベントやレースが世界各地で立ち上がり始めた。その距離、数千キロ。1週間〜半月くらいかけて国々や県境を渡り、峠や河川を越えていく。エイドステーションも警護車もなく、ゴールに辿り着くまでは自分自身でだけが頼り。その界隈のサイクリストにじわじわと注目を集めている、過酷なライドだ。日本では「ブルベ」が名を知られているが、近年、マニアックなサイクリストに熱い視線を注がれているのが「The Japanese Odyssey」。親日家のフランス人2人組が立ち上げた、アブノーマルな道も含む行程で日本国内数千キロを漕ぎ進むというイベント兼レースだ。 本連載では、このイベントに魅せられ、追い続けてきた写真家・下城英悟氏による、The Japanese Odysseyのドキュメンタリー風エッセイをお届けする。 目次 1 プロローグ・オン・ザ・ロード2 道路元標0地点3 “黒船来襲” 1 プロローグ・オン・ザ・ロード 東京日本橋、午前3時。 橋上に立つのは、世界各地から集う名もなきアマチュアサイクリストたち。 やがて夜明けの闇が白む頃、オーガナイザーのエマニュエルが、その刻を告げるべく腕を振り上げた。無言に振り下ろされるその腕をチェッカーフラッグにして、集団は走り始める。2週間後の約束の地を目指して。 折から紅葉に染まりゆく日本列島約3000kmの山河を人知れず深く分け入って、散りぢり駆けていく車輪の群れ。出走の瞬間からゴール到達までは、昼夜もないレースタイムだ。いや、レースと形容するには語弊を伴う、伴走者も […]

EVENT
噂のThe Japanese Odysseyとは?#03
僕の「The Japanese Odyssey」元年へ

目次 1 変わらず見えない全容2 「ドット」ウォッチャー 1 変わらず見えない全容 年が明け、前年のリベンジに手ぐすねを引いて待つ僕に、第2回The Japanese Odyssey (以下、TJO)は随分優しかった。 公式サイトは情報の厚みが増し、細かなルート情報まで載っていた。 出発は日本橋。/The event starts at Nihonbashi. イベントの理念や概要といったテキストの端々に、開催地である日本に対する主催者の熱意と敬意が、前年にまして込められていると感じる。 英語版サイトのみなのは、やはり広くグローバルに参加者を募っているのだろう、これは他のウルトラディスタンスレースと同様だ。 しかし前年に続き日本語サイトは見当たらない。 そもそも主催に関して日本人は介在するのか、その余地はあるのか?という疑問符も、前年に続き点滅している。 ともかくなんとか全容を掴みたい。 この年は取材敢行を心に決めた。 2 「ドット」ウォッチャー 取材の事前準備として、まずルールを確認し、次に規定されたチェックポイントの精査と、ルートの予想に取り掛かった。 TJOの特色のひとつに、チェックポイント方式がある。 公式設定されたチェックポイント地点を全て通過(クリア)しないと、最終的な完走は認められない。 この通過を確認するため、参加者全員は出走前に貸与される公式GPSデバイスを自転車に取り付けて出走しなければならない。 GPSにより出走者全員のリアルタイムな位置情報が、インターネット上の公式トラッキングサービスが提供する地図情報の上に、個人アイコンとともに反映されるのだ。 これに […]