目次

1.いま一度、奥日光のおさらい
2.ライドの始まりは東武日光駅から
3.まずはド定番日光東照宮へ
4.本日のメインを前に、軽く腹ごしらえ
5.いろは坂ライド、スタート!
6.トンネルをくぐって、ゴール!&奥日光の始まり中禅寺湖
7.第2章スタート・奥日光ライド
8.閉ざされたゲートの先に、映画の世界のようなサイクリングコース!
9.中禅寺湖の反対側、千手ヶ浜に到着!
10.おまけ:帰り道も見ごたえあり
11.まとめ
・見どころと、アップダウンの変化に富んだ日光&奥日光サイクリング
・紅葉への期待感が半端ない!
・千手ヶ浜へ向かうサイクリングコースのとっておき感!
・名所も気ままに楽しむなら早朝スタートが吉
・ライトは忘れずに!


今年はどこ行く?秋のライド

10月に入りいよいよサイクリングシーズン到来。新型コロナの影響で夏の外出は制限されたけれど、GOTOキャンペーンも始まり、ライドしたい気持ちが高まります!
のびのび自転車を走らせながら、これから美しい紅葉を迎える栃木県奥日光を一足お先にライドしてきました。

※この記事は2020年10月の記事の再掲載です。

いま一度、奥日光のおさらい

日光の中でも紅葉の名所が集まる奥日光は、東武日光駅から西の華厳の滝よりさらに標高が上がる北西部一帯のこと。

「秘境」とも呼ばれるこのエリア、男体山に代表される日光連山のもたらす標高差と、湖・滝・湿原など水源の環境が合わさり、幅広い自然が凝縮されています。

寒暖差によって色づく紅葉は特に鮮やかで美しく、秋にはたくさんの人が訪れる観光スポットで、中禅寺湖の湖畔を彩る紅葉は見もの。今回はこの中禅寺湖までのライドと、さらに豊かな自然が広がる戦場ヶ原湿地帯までのライドを実践。

ライドの始まりは東武日光駅から

浅草が始発駅の東武伊勢崎線 特急けごん21号に乗って2時間弱で東武日光駅に到着。ここで自転車を組み立てます。

駅周辺はひろびろしていて停車スペースもあり、組み立ての場所には困りませんでした。

駅前のロータリーにある「日光の湧き水」。水源が豊富な日光はおいしい軟水の湧水をそこかしこで見つけることができます。駅前の湧水(蛇口つき!)も飲用OK、早速ボトルに汲んで準備万端。

まずはド定番日光東照宮へ

何はともあれ、日光の代表的観光地「日光東照宮」へお参りライド。

2kmちょっとの緩やかなのぼり坂はウォームアップにちょうどいい感じです。

日光の社寺の入口にある木造朱塗りの橋「神橋」。日光の社寺と同じく世界遺産に登録されている、国の重要文化財です。今日は自転車とクリートシューズのため通行はしませんが(有料で通行できます)、緑の中に架かる赤の美しさに思わず立ち止まります。

駐輪場を探して横道をうろうろ。苔むした石塀がいい雰囲気。

駐車場にバイクラックがあると聞いていたのですが、結局駐輪場は見つけられず。
売店の方のご厚意でお店の横に停めさせていただき、歩いて参拝。

まずは「見ざる・聞かざる・言わざる」 で有名な三猿の教えが長押に彫られている神厩舎へ。

新型コロナウイルスの影響で、例年の秋と比べて観光客はかなり少ない様子。短い滞在ながらのんびり楽しむことができました。

本日のメインを前に、軽く腹ごしらえ

次の目的地はいよいよ奥日光。行く手には9.5kmの山岳道路、いろは坂が待っています。
これを走りきるためにはエネルギーチャージが必要と、日光東照宮の西参道の麓にできたスポット「西参道茶屋」へ。
日光グルメが軒をつらね、参拝の後の休憩にぴったり。今回はガツンとカロリーが取れそうな「日光ドラバタさん」へ。

素材を生かしたジェラートやプリンの製造販売をしている伊澤いちご農園さんが作ったお店。バタークリームたっぷりのバターどら焼き「日光ドラバタさん」と、ジェラートがまるまる入った「日光ドラジェラさん」はフレーバーもいろいろ。
迷いに迷ってピスタチオの「ドラジェラさん」にしました。

甘いもので気合をいれたら、いよいよ奥日光ライドのメイン、いろは坂へ。

いろは坂ライド、スタート!

いろは坂は日光市街と中禅寺湖、奥日光を結ぶ道路。
つづら折りになった2つのルートから構成され、片方が下り専用の第一いろは坂、もう片方が上り専用の第二いろは坂。二つの坂は合計で16km、ひらがなと同じ48ヶ所のカーブを有します。

こちらは全長9.5kmの第二いろは坂。

うねうねと蛇行するカーブひとつひとつに「い」「ろ」「は」とひらがながあてられ、「ね」までの20箇所のカーブで成り立っています。(第一いろは坂は「な」から「ん」まで)

勾配は細かく蛇行するためか、覚悟していたほどではなく(最大勾配10%、平均5.5%くらい)、見晴らしがよくて楽しめます。

「た」のカーブをこえたあたりで、黒髪平展望台に到着。

雲はあったものの、かなり遠くまで見通せます。まだいろは坂の中間地点ですが、ここまで登ってきた道のりが見えると達成感がありました。

先ほど上ってきた坂をサイクリストがのぼっています。
ここまでの印象として、平日のためか車通行量はすくなめ。上り2車線のため車もよけて追い越してくれて、ありがたい。

この先の「明智平展望台」までいくと一般的に言われるいろは坂は終了。全部で7km程度の道のりでした。
意外だったのがこの先のトンネル。「明智第一トンネル」「明智第二トンネル」あわせて1km近くはありました。
ヘッドライトとテールライトは必須です。

6.トンネルをくぐって、ゴール!&奥日光の始まり中禅寺湖

トンネルをぬけると奥日光のメインゲート、二荒山神社 中宮祠 大鳥居が見えてきました。

鳥居の先に広がる中禅寺湖。だいぶ雲が近く、標高が高いことがわかります。
9月末の中禅寺湖は20℃前後。空気がひんやりしていたので、薄手のジレとアームウォーマーをもってきて正解でした。

さらに湖畔の北側を進み、昼食ポイントの「菖蒲ケ浜レストハウス」へ。

中禅寺湖でとれたニジマスとそばの定食をチョイス。焼きたてのニジマスは身がホクホクでちょうどよい塩加減(注文が入ってから焼くため20分くらいかかります)。

お蕎麦もボリュームたっぷり。

湖畔を一望できる席でのびのび。

第2章スタート・奥日光ライド

ここまでの道のりですでにだいぶ楽しんでいますが、体力はまだ余裕。中禅寺湖のさらに北西に広がる戦場ヶ原までライドを進めてみることにしました。
加えて、湖畔西側の千手ヶ浜まで通じるコースがかなり魅力的と聞きつけ、そちらにも足を延ばしてみることに。

まずはレストハウスから国道120号を北に上って竜頭ノ滝へ。

この瀑布、男体山から流れる水が駆け降り、滝つぼ近くの大岩にあたって水流が分かれる様が竜の髭に見立てられたのが名前の由来。奥日光で最も初めに紅葉が始まる場所なのだそうです。

色づき始めた木々もありましたが、水辺のモミジはまだ青々としています。これが真っ赤になった様子は圧巻でしょう。

さらに国道を進むと、左手に戦場ヶ原。日光国立公園内のにあるこの湿原は400ヘクタールという広大さ。保全のため中に入ることはできませんが、自然研究路やハイキングコースなどが整備されています。

三本松茶屋まで進めたあたりでぐるっと回って国道へ再度合流。
今度は南に向かって走らせると右手に突如ゲートが設置された分岐路が。

閉ざされたゲートの先に、映画の世界ようなサイクリングコース!

どうやらこれが千手ヶ浜まで向かう人気のサイクリングコースのようです。標識もなく、進入がためらわれます。

思案していたら、赤沼自然情報センターの方が自転車はゲートの脇から入れると教えてくれました。

千手ヶ浜までは一本道とのこと。通常ワンウェイのサイクリングコースは復路が退屈になりがちで敬遠されますが…それほど魅力的なのでしょうか。

走り始めると、なるほど理由がわかりました。車の通行がない舗装道路(ただしハイキングしている人はいます。スピードは出さない方が賢明)、明るい木立の中をまっすぐ走る爽快感、高原のサイクリングを満喫できるロケーション。

時折現れる小川は苔むした岩の間を走る清流という風情。映画のセットかと思うほど。

中禅寺湖の反対側、千手ヶ浜に到着!

緩やかな下りののち、千手ヶ浜に到着。雲がかかる山あいを背景に、静かな湖と小さな桟橋。

人の影もなく、壮大な景色を独り占めです!

前回のライドで味を占めた「野点(のだて)コーヒー」で一服。

まだ明るいとは言え、秋の日の入りは早い。後ろ髪を引かれつつも長居せず、千手ヶ浜を後にしました。

おまけ:帰り道も見ごたえあり

戦場ヶ原に再度よると、ちょうど日が落ちる頃。

近辺は暗くなると熊が出る(!)そうで、このまま自転車で戻るには遅すぎました。
車で来ていた知人に迎えに来てもらって今日のライドは終了。

12時から走り始め、ライドを終えたのは17時。この日の走行距離は53km、獲得標高は1282mでした

まとめ

・見どころと、アップダウンの変化に富んだ日光&奥日光サイクリング

いろは坂は有名な分、激坂を覚悟していたものの、10%を超える勾配はありませんでした。
立ち寄る観光地も程よくあって、ポイントポイントで休憩をとりやすい行程でした。

・紅葉への期待感が半端ない!

すでにちらほら赤い葉が見つけられた日光、モミジが色づく時期になると人の出も増えそうですが、息をのむような景色に出会えそうです。

・千手ヶ浜へ向かうサイクリングコースのとっておき感!

いろは坂の達成感もさることながら、千手ヶ浜までのサイクリングコースは今回のライドのハイライトとなりました。ゲートをの先から始まる秘密めいた道、林の奥へ奥へと続き、木立を抜けて先に急に広がる中禅寺湖と、偶然とはいえさながら物語のような展開が満載。通行可能時間(9時~5時)が設定されていますが、奥日光に来るなら、絶対おすすめです。

・名所も気ままに楽しむなら早朝スタートが吉

今回は少し遅めのスタートだったのため、途中で車を呼ぶことになってしまいました。
立ち寄ったり自転車を止めてみたくなる場所も多く、全行程自転車を計画される際は早朝スタートをおすすめします。

・ライトは忘れずに!
いろは坂には1km近いトンネルがあります。ヘッドライト・テールライトはお忘れなく!


関東近郊の方なら修学旅行で一度は訪れたことのあるであろう日光、自転車で走ってみるとバスや車では見落としてしまうような奥深い魅力を発見することができます。

今回は秋のサイクリングシーズンとして、これからますます美しくなりそうなエリアにフォーカスしたライドにしてみました。

グローバルライドでは、今後も日本全国のサイクリングに魅力的な地域をご紹介していく予定です。お楽しみに!

CYCLE MUSIC⑤
Alulu Paranhos 「Bicicletinha」

僕が青春時代に夢中になったネオ・アコースティックと言われる音楽(1980年代のイギリスでポスト・パンク〜ニュー・ウェイヴを礎に新たに生まれた、ジャズやソウルやボサノヴァやラテンの影響を受けた繊細な感性のアコースティック・ポップス)には、自転車をモティーフにしたレコード・ジャケットが多いという印象がありますが、実は自転車にまつわる曲が多いような気がしているのがブラジル音楽。今月はそんな中から、ネオ・アコースティック好きにも薦めたいようなAlulu Paranhosの「Bicicletinha」を紹介しましょう。 今年23歳のAlulu Paranhosは、Ana Frango Elétricoらの登場以降、大きな話題を呼んでいる“リオ新世代”のブライテスト・ホープ的存在の女性シンガー・ソングライター。Caetano VelosoやCeuといったブラジル音楽の偉人たちにも賞賛され注目を集めた、2021年に発表されたファースト・ミニ・アルバム『Alulu』に収録されたこの曲は、彼女の優しい語り口に好感を抱かずにはいられない、アコースティック・フレイヴァーの名作です。「Bicicletinha」は小さな自転車という意味ですが、語尾が愛称風になっているところもブラジルらしいですね。 そして何と言っても、とびきりチャーミングな彼女が、そんな“小さな自転車ちゃん”に乗ってリオの街から郊外をめぐる、ちょっとヤンチャな姿が映しだされたMVも、とても魅力的です。Alulu Paranhosは新作EP『Compacto de Verão Deluxe』もリリースされたばかりで、その幕開きを飾る「Qu […]

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CYCLE FASHION①
―ファッションブランドがデザインするサイクルアイテムー

トレンドはどんな業界やカテゴリにも存在している。中でもファッション業界は顕著で、トレンドなくして商品を語ることはできない。ムードや地域といった大きなパートから、カラーやテキスタイルなど細かい部分まで流行が及ぶ範囲は広い。 昨今の大きな潮流としてのトレンドは環境問題への対応とLGBTQ+、ウェルネス(Wellness)。ウェルネスは身体だけでなく精神やより良く生きる意思を定義する言葉として広く使われている。わかりやすい行為としては、マインドフルネス(Maindfulness)やスポーツが挙げられる。このような背景(流行)もあり、ファッション業界はスポーツシーンへの視線が熱い。ヨガやランニングに続き、近年の日本市場では特にゴルフ。そして次に来るだろう波が自転車。 agnès b.(アニエスベー)というフランスのブランドは今年の春夏にサイクリングジャージを販売した。コラボレーション相手は同国のアウトドアブランド「カフェ・ドゥ・シクリステ(Cafe du Cycliste)」。スポーツウエアは競技ごとにデザインのみならず生地や縫製、ディテールが異なり高い専門性を求めらる。ファッションブランドが本気でアスリート向けのウエアをデザインするならば、その競技専門のブランドと取り組むのは当然だろう。夏にShrimp(シュリンプ)というポップなテイストのウィメンズブランドがRapha(ラファ)と組んでサイクルウエアコレクションを出したこともその流れの中にある。 最近では、Gerry(ジェリー)というアウトドアアパレルが自転車用ヘルメットを発売した。アメリカのブランドではあるが、ヘルメットの製造元は […]

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Global Rideとは

「自転車で世界はもっと楽しくなる」をモットーに、
自転車を通して世界中の人と人、
街と街とをつなげていくことのできる、
そんな橋渡しのような存在になれることを
目指しています。
シェアバイクからファンライドイベントまで、
初心者からサイクリストまで、
自転車と関わるすべて人が
より豊かな気持ちになれるよう、
より実りある生活が送れるよう
できる限りお手伝いしたいと考えています。
「自転車で世界がずっと楽しくなった」
ひとりでも多くの方にそう思っていただけるように、
わたしたちは走りつづけます。

CYCLE CINEMA⑤
『居酒屋兆治』
函館の坂道を自転車で行く健さんの格好良さよ

北海道を鉄道で旅していたとき、奇妙なアナウンスがあった。ドラマ撮影のため、次の駅の名前が変わっているから気をつけろという。車内がざわめいた。北海道・富良野を舞台にした人気ドラマだったからだ。列車は駅に着いたが、撮影隊らしきものを通り越してしまった。すると、ホームの隅に背の高い男性がいるのが見えた。帽子を深くかぶってはいたが高倉健だとすぐにわかった。恐らく、旧知の友(田中邦衛)の撮影現場に陣中見舞いに訪れたのだろう。僕らの視線に気がついた健さんは、はにかみながら片手を上げて挨拶してくれた。圧倒的な格好良さだった。以来、「世代」ではないけれど、高倉健の主演する作品を観るようになった。 任侠映画で人気を博した高倉健は、1970年代頃から路線変更をしていく。切った張ったのやくざ路線ではなく、誠実なひとりの男(もちろん不器用な)を演じるようになる。『居酒屋兆治』(1982年、降旗康男監督)は函館にある居酒屋を舞台にした物語。哀しい過去を持つモツ焼き屋の店主を高倉健が演じている。 自転車が登場するのは冒頭だ。朝、線路脇にある小さな家を出る高倉健。それを見送る妻役の加藤登紀子。高倉健は店のある金森赤レンガ倉庫へ自転車を走らせる。函館は坂が多い。さすがの高倉健も立ちこぎをする。それすら素敵だ。 店に着くと高倉健は鍵もかけずに自転車を止める。店を眺め、郵便物を受け取り、勝手口から店に入っていく。鍋に火を入れ、炭を掃除し、店を掃除する。よし、きれいになった。店を出ると加藤登紀子が自転車に乗って現れる。「ちょうど良かった。先に行くわよ」とひとりで走り去る加藤登紀子。すぐに追いつき、ふたりで市場に行く […]

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CYCLE MUSIC④
Georgie Fame「Happiness」

この連載コラムが始まってから、音楽を聴くときは何となく、自転車のジャケットやMV、自転車にまつわるタイトルや歌詞を意識してしまうのですが、この曲を思いついたときは嬉しかったですね。Georgie Fameの大好きなグルーヴィー・チューン「Happiness」。この曲が収録された1971年の知る人ぞ知る名盤『Going Home』の裏ジャケットには、ボア付きのレザー・ブルゾンに身を包んで自転車に乗って走るGeorgie Fameの姿が映しだされているんですね。 それにしても、この曲の素晴らしさは、どう言葉にしたらいいのでしょう。聴いていると心が元気になる、若々しく晴れやかな気分になれる最高すぎる一曲。ポジティヴな歌詞、高揚せずにはいられないメロディー展開と躍動するアレンジメント、そして軽快なリズムの疾走感。裏ジャケットに写るGeorgie Fameそのままのような音楽。 僕は1995年に、日本のレコード会社ソニーが企画したリクエスト・リイシュー・シリーズ“こんなのどうだ?”のサンプラーCDにこの曲を推薦して、次のようなコメントを寄せ、晴れてアルバム復刻が実現したときにはライナーノーツも執筆しました。 ジョージィ・フェイムの『Going Home』は、ちょうどペイル・ファウンテンズやスタイル・カウンシルに夢中だった高校から大学にかけての思い出の一枚。久しぶりに針を落としてみても、オープニングは今こそ聴かれるべきホワイト・ヤング・ソウルだし、タイトル曲はお洒落なA&M調、ケニー・ランキンのポップなカヴァーも、メランコリックなボサ風味の「Stormy」も全く色褪せていない。今回 […]

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人生でこんな日がくるなんて、思いもしなかった。40年の歴史を誇るホノルル・センリュリー・ライド(以下HCR)にゲストライダーとして招かれることになるなんて。しかもそのライドが番組のためにプロの制作チームに記録されるなんて。 ここまでは、日本からの輪行、初めてのハワイの印象、そしてハワイでの試走について書いてきた。そしていよいよHCR本番。 ライド前夜は、どこか気持ちが落ち着かなかった。がっつり食べちゃうと身体が重くなると思い、ABCストアで買ったカリフォルニアロールみたいなお寿司半分、野菜のあえ物を、ホテルの部屋でモソモソ食べた。 就寝前にはウエアや携帯するパンク修理キットを準備した。今回、もらったゼッケンは40番。40回目となるホノルルセンチュリーライドでこのゼッケンをつけるのはなんと名誉なことだろう。そんなことを考えながら、まるで遠足前夜の園児のようにワクワクしながら、床についた。 実は、翌日の本番、とんでもないアクシデントをおこしてしまうのだが、もちろんこの時点では知る由もない。 翌朝は5時すぎにホテルを出発。スタート地点まで自転車で向かう。夜明け前で道路はまだ薄暗い。近づくにつれ自転車の数が増えてくる。プロデューサーの渡辺さんとの待ち合わせ場所に着くと、大会を撮影するスチールやムービーのカメラマンたちが準備をしていた。北川さんは黄色い三輪バイクで自転車に並走するらしい。 今回、僕は先頭グループからのスタート。混み合う前にと、スタートゲートを背景にゼッケン40番の写真を撮ってもらった。スタート時刻が近づくと北川カメラマンが撮影を始める。何度も言うけれども、50過ぎのおじさ […]

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USA / Honolulu | 2023.9.24 Sun

ホノルルで開催される約2000人のライダーが参加するハワイ最大のサイクリングイベント。 カピオラニ・パークをスタートし、クアロアの先にあるスワンジービーチ・パークを折り返す 100マイル(約160km)のファンライドコース。 もちろん初心者や子供たちが楽しめる25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、75マイル(約120km)も充実(予定)。 マカプー・ルックアウト、カネオヘベイ・ドライブ、カメハメハ・ハイウェイなど、 圧巻と呼ぶにふさわしい青い空と海に包まれて走ることができるだけでなく、 ハワイの原風景とも呼べるワイマナロなど、楽園のギフトに出逢えるイベントです。

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#4 初めてハワイでのライド 試走編

ひょんなことからハワイで9月に行われるホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)に参加することになった。自分のロードバイクを輪行で持ち込み、外国で走るのは初めての経験だ。ここまでは、日本からの輪行、そしてハワイ到着後に感じたことを書いて来た。今回は、ハワイで初めて自転車に乗ったときの感動編。 ハワイについたその日。百戦錬磨のプロデューサー・渡辺さんとの打ち合わせがあった。渡辺さんは今回、ぼくのチャレンジに密着し、番組を作ることになっている。50すぎのおじさんのHCR初参戦にどれほどのヒキがあるのか、疑問でいっぱいではあるが、ぼくもテレビ業界の端くれで生きている。できるかぎりの協力はしたいと思っていた。 その打ち合わせの席で、渡辺さんはこう切り出した。 撮影もかねて、事前に少しハワイの道を走ってみませんか。 本番までの2日間、とくに予定は決まっていなかった。ちゃっかり水着はもってきていたが、ビーチにひとりでいくのも気恥ずかしい。かといって、ハワイで買い物三昧するほどリッチでもない。そんなぼくにとって、願ってもない申し出だった。かつては大会前日にモーニングライドと称して、さまざまなグループが試走をしていたそうだ。旅行会社だったり、地元の有志だったりが企画していたが、コロナ禍によりHCRそのものの参加者が減ってしまい、いまでは少なくなってしまったそうだ。ただ事前に走っておいた方が、いろいろ安心なので、番組の撮影もかねて少し走りませんかと。 その翌日、ぼくはクルーとともに午前9時すぎにホテルを出発した。自転車もバラして車に積み込んだ。 車窓から見える風景は […]

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CYCLE MUSIC③
Corinne Bailey Rae「Put Your Records On」

先々月にこの連載コラムの初回でご紹介したThe Style Councilの「My Ever Changing Moods」と並んで、自転車に乗っている映像が印象的なMVと言えば真っ先に思い浮かべるのが、1979年イギリス・リーズ生まれのシンガー・ソングライターCorinne Bailey Raeの「Put Your Records On」。初めてMVを観たときの瑞々しいときめきは忘れられません。若き日にフランソワ・トリュフォー初期の短編を観たときに感じたような(彼の映画には自転車をモティーフにした名シーンが多いですね)胸疼くような甘酸っぱさ。 木もれ陽の美しさと逆光の夕陽の輝き。木々の中を友人たちと自転車で走る優しくナイーヴな表情から、サビで解き放たれる彼女の笑顔。そして赤いリボンを大空に解き放つクライマックス。リラックスしてこの曲を聴いていると、幸せってこういうことなのかもなと、いつも思います。 大好きなこの曲の歌詞の意味合いから察するに、最初のフレーズはBob Marleyの「Three Little Birds」のメッセージへの共鳴も示しているのでしょうか。“Put your records on, tell me your favourite song”と繰り返されるサビの一節は、「好きなレコードをかけて」という意味だと解釈して、DJをするときなどに自分のテーマ・ソングのように頭の中でくちずさんでいます。女性(Corinne Bailey Rae自身)に向けて歌われているけれど、「リラックスして、好きなように、心のままに、夢をもって生きればいい」と、自分を励ましてくれ […]

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ハワイと聞いて、どんな印象をもつだろうか。ぼくは若い頃からずっと苦手だった。芸能人が行って、はしゃぐとこでしょ、とか、バナナボートでワイワイしちゃうとこでしょ、とか、それはもう”無知による偏見”にみちてた。そもそもキラキラしたものが苦手なのだ。もともと文学部だし、ほんとは根暗だし。生涯行くことはないと思っていた。しかし人生とはわからないものである。本Webサイトで記事を書くために、ホノルルセンチュリーライドに参加しないかと、お声がけいただいたのだ。54歳にして、思いがけず、人生初のハワイ旅へ出かけることになった。 Facebookで、ハワイにいくと書いたら、いろんな反応があった。 ある人は、こういった。おじさんになってからのハワイはハマりますよ。 ある人は、こういった。これまで行ったなかでもっともキライです。 むむ、いったいハワイとはなんなんだ。パンドラの箱をあけてしまったような気になる。ハワイがミステリアスさを増し、ムクムクと大きくなる。 果たして自分はどちら側の人間なのか? ハワイまでのフライトはおよそ8時間と思いのほか近い。羽田を夜の21時に出発したら、なぜか前日の朝7時につく。溜まっていた仕事をするつもりが、機内食でワインを堪能してしまい、あえなく寝落ち。気づいたらハワイだった。半世紀もハワイについて、意固地になってきたのに、その出会いは拍子抜けするほどあっけなかった。  空港のビルから外にでたときに、風が心地よくて、ああ気持ちいい、って思わず声がでた。なんだか幸先がよさそうだ。    プロデューサーの渡辺さん […]

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BIKE NEW YORK

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QUEENSLAND, AUSTRALIA

クィーンズランド州ブリスベンからゴールド・コーストまで、 100kmを走るオーストラリアでもっとも有名なファンライドイベント。 参加ライダーも4000人を超え、オージーにもロングライドファンにも愛されている。 スタート地点であるブリスベン・サウスバンクを出てすぐ、約16kmを走るバスレーンは、 普段バスだけが走っている高速道路を、1年で1日、この日だけ自転車専用道路にできることで人気も高い。 見渡す限りの牧草地帯や海岸沿いのサイクリングルートなど、アップダウンも少なく走りやすく、 陽気で親日的なオージーサイクリストたちに囲まれると、自然に笑顔になってしまう。 まさに、オーストラリアを体いっぱいに感じることのできるイベントです。

編集Mの大会初参加でどうする?
〜未経験者のホノルルセンチュリーライド2023〜
番外編/予想通りのアクシデント勃発

未経験者、初参加のHonolulu Century Ride 2023。アクシデントは一つじゃなかった。ハインリッヒの法則(1:29:300)にのっとれば29と300の中にあてはまるアクシデントを数個、体験したことになる。 無事に完走したから良かったものの、走り終わる前まではただのライド未経験者だったことをもう一度思い出したい。走行中、カメラクルーと会うたびに「大丈夫ですか」「お元気ですか」と声をかけられた。「がんばってください」の前段階にいる自分を確認する笑。それもそのはず… 🚲スタート直後に転ぶ 案の定だった。しかも、前から10列目くらいの超前列スタート。転んだ理由は大会主催者に手を振られ、振り返そうとしてハンドルを離しバランスを崩したから。ありがち! かつ恥ずかしい!それもベビーカー連れの方に倒れかかってしまい、スタートから大迷惑…😢 *YUSUKEさん、すみませんでした。そしてKENTAROさん、途中のエイドステーションではありがとうございました。 🚲サングラスを吹っ飛ばす 走行中、いろいろあってヘルメットに付属していたマグネット式サングラス(これは便利だった)を後ろへ吹っ飛ばしてしまった。後続のバイクは続々と走ってくる気配。拾いにUターンするほどの技術も余裕もない。余計なことをしたらまた転んでしまいそうだった。諦めて、前進することに集中する。 🚲パンクする 極めつけの出来事。ただ、これが思いがけず貴重な体験となった。 最後のエイドステーションを過ぎたあたりで側道がガタガタしていた。嫌な予感というのは的中する。今までとは違う乗り心地を感じ、恐る恐る確かめると後輪がブヨっ […]

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