「自転車で世界はもっと楽しくなる。」
グローバルなライドライフを発信するWEBメディアです。
海外になかなか行くことができない現在、日本人が身近に感じる海外「ハワイ」から、ロコ(地元)ライダーのRodさんに、観光地のメッカ、ワイキキの様子を自転車を通して紹介してもらいました。
※この記事は2021年6月の記事の再掲載です。
ワイキキエリアに隣接するアラワイ運河の東からスタート。
西のワイキキビーチウォークからワイキキの中心街とダイアモンドヘッドを一周まわる8マイル(約13km)のライド。
2020年春に始まったロックダウンではすべての観光業・小売業が休業しましたが、その後ロックダウン解除とともに徐々に営業を再開、10月からは観光客もハワイ旅行が可能に。現在はアメリカからの国内旅行者を迎え、賑わいが戻ってきています。
建物内ではマスク着用が必要ですが、街中はマスクをしないで歩くことも許可されています。
店舗前にはオープンエアーのイートインスペースが設置され、のびのびと食事を楽しむ人の姿も。
早朝から人が並ぶ人気店もあれば、新たにオープンしたお店も出てきて、観光業が戻りつつあるのがわかります。
素朴な手作りアイスクリームとシャーベットが人気の老舗店「Henry’s Place」(日本人には高橋果実店という名前でおなじみ)の横には新しいケーキ屋さん「Waikiki Tea House」が2019年にオープン。
ニューヨークの高級ケーキブランド、Lady Mのミルクレープを楽しむことができ、日本の皆さんにもきっと喜ばれると思います。
同じく日本でも大人気の「Eggs’n things」。現在はアメリカ国内旅行者がたくさん並んで入店を待っていますね。
老舗のマラサダ(ハワイのドーナッツ)店「Lenard’s Bakery」はかつて見たことないほどの人気ぶり。
別日にも、薄暗い朝7時前から長蛇の列で驚きました。
ワイキキショッピングプラザのB1Fにあったラーメン横丁は惜しくも閉業してしまったり、コロナ禍に閉店したまま次のお店が入っていない空きテナントもありますが、「ラーメンなかむら」や「丸亀製麺」など、人気店は衰え知らずです。
交通網もまだまだ過渡期。ロックダウンの間、観光者相手のレンタカービジネスは閑古鳥、あぶれた車両がハワイからアメリカ本国に送られてしまったまま、観光客が戻ってきたので、現在レンタカーが足りない状況です。(アメリカの手厚い失業保険も、観光業労働者の復帰を滞らせている一因でもあるようです。)
たくさんの観光客を送迎する大型バスもあまり見かけません。以前は街中をのんびり走っていたトロリーバスも、ライド中に見かけたのは一度きり。シャトルバスが所狭しと出入りしていたシェラトンワイキキホテルのバスターミナルも現在はご覧の通り閑散としています。
唯一、ドクターオンコール(観光客も利用可能な医療サービス)の車両が止まっているのが印象的です。
現在観光客の交通手段はこれまで活用されていたUber、タクシー、the Bus(公営バス)に加え、特にレンタサイクルが盛んになりました。
特に人気なのは公営レンタサイクルの「biki」。いたるところにステーション(専用駐輪場)があるのがポイントです。
ステーションでbikiを借り、別のステーションに返却できるのですが、一時とくらべて、自転車がほとんど出払っているステーションも多く、需要に供給が間に合ってない様子です。
自転車を走らせていよいよビーチに来ました。
パンデミックでしばらく利用者が減ったため、普段から海を見慣れている私からしても、きれいになったと実感できるほど水がクリーンです。
同じくこの1年で遠浅まで流されていた砂をビーチに戻す作業が行われ、砂浜もきれいに整備されています。
ダイアモンドヘッドが見下ろす「カピオラニ公園」。その横にある「ホノルル動物園」はいずれも利用することができます。
動物園は人気の様子ですが、公園は閑散としています。
以前は毎日のようにヨガクラスやアクティビティが開かれていたのですが、まだ大人数が集まってイベントを行うことが禁止されているため、会場となる公園を使う団体がいません。人があまり踏み入れなくなった公園の芝生はとてもコンディションがよくなっています。
カピオラニ公園を後にしてダイアモンドヘッドロードを東に進みます。海側(南側)の展望スポット(ロコは「Amelia Earhart’s Marker」と呼びます)は、自転車でも行くことができ、とても気持ちのよい場所です。
普段はたくさんの観光客がバスで訪れる人気のポイントですが、まだまだ閑散としています。バスの本数が少なく、ここまで移動する方法が限られているのが原因でしょうか。
ダイアモンドヘッドの東端で北上すると、自動車道の横に目立たない小路の入り口があります。
実はここがおすすめのサイクリングコース「Fort Ruger Pathway」。
車乗り入れ禁止で、ランナーやウォーカーが途中トレーニングするためのマシンも設置されています。
水道もあるので自転車で気持ちよく走ることができます。
気温が高いハワイでのサイクリングは、さわやかな風が楽しみの一つ。また、ライドを通じてより深く街を知ることができます。
私自身ペダルを漕ぎながら、この1年で色々なことがコロナの影響を受けたとまざまざと感じるとともに、再スタートへ向かうワイキキの新しい変化に出会うことができました。
観光客が増えうれしい反面、かつてたくさん見受けられた日本人観光客がいないのはなんともさみしい限り。早く日本の皆さんにも、美しくなったハワイの海と空を楽しみに来てもらいたいですね!
生まれも育ちもハワイ。
15年前に、ハワイ最大のロングライドイベント「ホノルルセンチュリーライド」に携わってから、ロードバイクの魅力にはまる。現在も3人の仲間と一緒に「Makule(ハワイ語で「おやじ」の意)Rider’s」として毎週末地元のサイクリングを楽しんでいる。好きなものはミラー ドラフトビール。
「自転車で世界はもっと楽しくなる」をモットーに、
自転車を通して世界中の人と人、
街と街とをつなげていくことのできる、
そんな橋渡しのような存在になれることを
目指しています。
シェアバイクからファンライドイベントまで、
初心者からサイクリストまで、
自転車と関わるすべて人が
より豊かな気持ちになれるよう、
より実りある生活が送れるよう
できる限りお手伝いしたいと考えています。
「自転車で世界がずっと楽しくなった」
ひとりでも多くの方にそう思っていただけるように、
わたしたちは走りつづけます。
USA / Honolulu | 2023.9.24 Sun
ホノルルで開催される約2000人のライダーが参加するハワイ最大のサイクリングイベント。 カピオラニ・パークをスタートし、クアロアの先にあるスワンジービーチ・パークを折り返す 100マイル(約160km)のファンライドコース。 もちろん初心者や子供たちが楽しめる25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、75マイル(約120km)も充実(予定)。 マカプー・ルックアウト、カネオヘベイ・ドライブ、カメハメハ・ハイウェイなど、 圧巻と呼ぶにふさわしい青い空と海に包まれて走ることができるだけでなく、 ハワイの原風景とも呼べるワイマナロなど、楽園のギフトに出逢えるイベントです。
ひょんなことからハワイで9月に行われるホノルルセンチュリーライド(以下、HCR)に参加することになった。自分のロードバイクを輪行で持ち込み、外国で走るのは初めての経験だ。ここまでは、日本からの輪行、そしてハワイ到着後に感じたことを書いて来た。今回は、ハワイで初めて自転車に乗ったときの感動編。 ハワイについたその日。百戦錬磨のプロデューサー・渡辺さんとの打ち合わせがあった。渡辺さんは今回、ぼくのチャレンジに密着し、番組を作ることになっている。50すぎのおじさんのHCR初参戦にどれほどのヒキがあるのか、疑問でいっぱいではあるが、ぼくもテレビ業界の端くれで生きている。できるかぎりの協力はしたいと思っていた。 その打ち合わせの席で、渡辺さんはこう切り出した。 撮影もかねて、事前に少しハワイの道を走ってみませんか。 本番までの2日間、とくに予定は決まっていなかった。ちゃっかり水着はもってきていたが、ビーチにひとりでいくのも気恥ずかしい。かといって、ハワイで買い物三昧するほどリッチでもない。そんなぼくにとって、願ってもない申し出だった。かつては大会前日にモーニングライドと称して、さまざまなグループが試走をしていたそうだ。旅行会社だったり、地元の有志だったりが企画していたが、コロナ禍によりHCRそのものの参加者が減ってしまい、いまでは少なくなってしまったそうだ。ただ事前に走っておいた方が、いろいろ安心なので、番組の撮影もかねて少し走りませんかと。 その翌日、ぼくはクルーとともに午前9時すぎにホテルを出発した。自転車もバラして車に積み込んだ。 車窓から見える風景は […]
先々月にこの連載コラムの初回でご紹介したThe Style Councilの「My Ever Changing Moods」と並んで、自転車に乗っている映像が印象的なMVと言えば真っ先に思い浮かべるのが、1979年イギリス・リーズ生まれのシンガー・ソングライターCorinne Bailey Raeの「Put Your Records On」。初めてMVを観たときの瑞々しいときめきは忘れられません。若き日にフランソワ・トリュフォー初期の短編を観たときに感じたような(彼の映画には自転車をモティーフにした名シーンが多いですね)胸疼くような甘酸っぱさ。 木もれ陽の美しさと逆光の夕陽の輝き。木々の中を友人たちと自転車で走る優しくナイーヴな表情から、サビで解き放たれる彼女の笑顔。そして赤いリボンを大空に解き放つクライマックス。リラックスしてこの曲を聴いていると、幸せってこういうことなのかもなと、いつも思います。 大好きなこの曲の歌詞の意味合いから察するに、最初のフレーズはBob Marleyの「Three Little Birds」のメッセージへの共鳴も示しているのでしょうか。“Put your records on, tell me your favourite song”と繰り返されるサビの一節は、「好きなレコードをかけて」という意味だと解釈して、DJをするときなどに自分のテーマ・ソングのように頭の中でくちずさんでいます。女性(Corinne Bailey Rae自身)に向けて歌われているけれど、「リラックスして、好きなように、心のままに、夢をもって生きればいい」と、自分を励ましてくれ […]
ハワイと聞いて、どんな印象をもつだろうか。ぼくは若い頃からずっと苦手だった。芸能人が行って、はしゃぐとこでしょ、とか、バナナボートでワイワイしちゃうとこでしょ、とか、それはもう”無知による偏見”にみちてた。そもそもキラキラしたものが苦手なのだ。もともと文学部だし、ほんとは根暗だし。生涯行くことはないと思っていた。しかし人生とはわからないものである。本Webサイトで記事を書くために、ホノルルセンチュリーライドに参加しないかと、お声がけいただいたのだ。54歳にして、思いがけず、人生初のハワイ旅へ出かけることになった。 Facebookで、ハワイにいくと書いたら、いろんな反応があった。 ある人は、こういった。おじさんになってからのハワイはハマりますよ。 ある人は、こういった。これまで行ったなかでもっともキライです。 むむ、いったいハワイとはなんなんだ。パンドラの箱をあけてしまったような気になる。ハワイがミステリアスさを増し、ムクムクと大きくなる。 果たして自分はどちら側の人間なのか? ハワイまでのフライトはおよそ8時間と思いのほか近い。羽田を夜の21時に出発したら、なぜか前日の朝7時につく。溜まっていた仕事をするつもりが、機内食でワインを堪能してしまい、あえなく寝落ち。気づいたらハワイだった。半世紀もハワイについて、意固地になってきたのに、その出会いは拍子抜けするほどあっけなかった。 空港のビルから外にでたときに、風が心地よくて、ああ気持ちいい、って思わず声がでた。なんだか幸先がよさそうだ。 プロデューサーの渡辺さん […]
USA / NEW YORK | 2023.5.7 Sun
ニューヨーク・マンハッタンを4万人近いライダーが参加する地球最大級のファンライドイベント。 マンハッタンをスタートし、6番街からセントラルパークを通り、ブロンクス、クィーンズ、ブルックリンを巡り、 フェスティバル会場のスタティンアイランドへ。「5 BORO BIKE TOUR」と呼ばれるのはこのためです。 ニューヨークを思いっきり堪能できる約40マイル(64km)のコースは、 アップダウンも少なくエイドステーションも充実。 街乗り感覚で爽やかな5月のニューヨークを駆け抜けることのできる、大満足のイベントです。
ひょんなことからハワイへ行くことになり、人生初の海外輪行をすることになった。サイクリストにとって輪行はいつも悩ましいものだ。前編では、ロードバイクを何でカバーして輪行するのか、その決断と、最強の輪行アイテムのひとつである、シーコンの堅牢さをお伝えした。 しかしここから次の悩みが始まった。 それは空港までのアクセスである。 通常であれば、公共交通機関を使ってアクセスするのであるが、シーコンのサイズでは、かなりの困難が予想される。まず家から駅までタクシーで運び、そこから乗り継いで羽田を目指すのであるが、リュックを背負い、スーツケースをひっぱり、そしてシーコンをひっぱり、という手荷物大移動みたいなことになる。しかもエレベーターを探しての移動になりそうだし、電車が混雑でもしたら、かなりひんしゅくだろう。輪行をしたことのある人ならわかると思うが、電車が混んでくると、それはそれは針のむしろでグルグル撒きにされているような、申し訳ない気持ちになるのだ。しかも今回は夜のフライトで、日中ギリギリまで仕事があり、出発にあまり余裕を持たせることができない。これはかなりリスクが高いだろう。 考えていたら、あることを思い出した。 前の打ち合わせで、センチュリーライド百戦錬磨のプロデューサー渡辺さんは空港まで送る人もいるんですよ、と言っていた。なるほど、自宅から事前に送っておけば、たしかに安心だ。その手があったか!とJALのホノルルセンチュリーライドの特設サイトをくまなくみると、あった、これだ、【自転車の空港宅配(自宅から日本の空港)】、いける、としっかり説明を読んでいくと、これもうまくいかないことがわか […]
QUEENSLAND, AUSTRALIA
クィーンズランド州ブリスベンからゴールド・コーストまで、 100kmを走るオーストラリアでもっとも有名なファンライドイベント。 参加ライダーも4000人を超え、オージーにもロングライドファンにも愛されている。 スタート地点であるブリスベン・サウスバンクを出てすぐ、約16kmを走るバスレーンは、 普段バスだけが走っている高速道路を、1年で1日、この日だけ自転車専用道路にできることで人気も高い。 見渡す限りの牧草地帯や海岸沿いのサイクリングルートなど、アップダウンも少なく走りやすく、 陽気で親日的なオージーサイクリストたちに囲まれると、自然に笑顔になってしまう。 まさに、オーストラリアを体いっぱいに感じることのできるイベントです。
未経験者、初参加のHonolulu Century Ride 2023。アクシデントは一つじゃなかった。ハインリッヒの法則(1:29:300)にのっとれば29と300の中にあてはまるアクシデントを数個、体験したことになる。 無事に完走したから良かったものの、走り終わる前まではただのライド未経験者だったことをもう一度思い出したい。走行中、カメラクルーと会うたびに「大丈夫ですか」「お元気ですか」と声をかけられた。「がんばってください」の前段階にいる自分を確認する笑。それもそのはず… 🚲スタート直後に転ぶ 案の定だった。しかも、前から10列目くらいの超前列スタート。転んだ理由は大会主催者に手を振られ、振り返そうとしてハンドルを離しバランスを崩したから。ありがち! かつ恥ずかしい!それもベビーカー連れの方に倒れかかってしまい、スタートから大迷惑…😢 *YUSUKEさん、すみませんでした。そしてKENTAROさん、途中のエイドステーションではありがとうございました。 🚲サングラスを吹っ飛ばす 走行中、いろいろあってヘルメットに付属していたマグネット式サングラス(これは便利だった)を後ろへ吹っ飛ばしてしまった。後続のバイクは続々と走ってくる気配。拾いにUターンするほどの技術も余裕もない。余計なことをしたらまた転んでしまいそうだった。諦めて、前進することに集中する。 🚲パンクする 極めつけの出来事。ただ、これが思いがけず貴重な体験となった。 最後のエイドステーションを過ぎたあたりで側道がガタガタしていた。嫌な予感というのは的中する。今までとは違う乗り心地を感じ、恐る恐る確かめると後輪がブヨっ […]