9月28日(日)、6:15。気温は約25℃。 今年も日の出と同時にスタートが切られたホノルルセンチュリーライド。終始夏を感じる晴天のライド日和となった今年は、ことさらに輝く海と空の色が最高のギフトに。ペダルを止めて何度も何枚も撮影してしまうライダーの姿が印象的でした。久しぶりに新ルートとして加わったハナウマベイルートから見下ろす海岸ぎわの景色も「ザ・ハワイの大自然」を感じさせる圧巻の眺め。 ライダーたちの晴れやかな笑顔と共に、歓声とため息が入り混じったナイスビュー連続のホノルルセンチュリーライド2025全景をフォトアルバムでお届けします。 まずは往路80kmの半分、40km地点までの「Ike nani /イケ・ナニ」(ハワイ語で「良い眺め」)を詰め込んだ【前編】をごらんください。*HONOLULU CENTURY RIDE 2025 PHOTO ALBUM 🌈 【後編】はこちらから Text_Global Ride Editorial TeamPhoto_HONOLULU CENTURY RIDE / HM-A 01 Start Point スタートはワイキキビーチ沿いにあるカピオラニ公園。朝5時過ぎから続々とライダーが集まり始め、太陽が昇るにつれ徐々に熱気を帯びていく。 02_Diamond Head ダイヤモンドヘッドは一つ目のルックアウト(展望台)。ちょうどここへ差し掛かる頃に水平線から太陽が顔を出しきる。何度来ても写真をとってしまう瞬間。 03_Kahala 高級住宅街が広がる静かな海辺のリゾートエリア。南国の花が咲き乱れる白い塀やチューダー様式の歴史的邸宅間を潜り抜け […]
真夏以上の暑い日が続く日本から、大陸のはるか西のフランスも猛暑続きだ。そして、自転車ラヴァーが忘れてならない祭典、ツール・ド・フランスが、彼の地で白熱の真只中にあったばかり。夏の太陽に照らされフランス一周する選手たちを見て、走りたい!と願ったのは自然だろう。しかし、ひまわり咲く穀倉地帯は灼熱の日晒しだし、かのモン・ヴァントゥーは、”死の山”だし*、自転車でとなるとビギナーには難易度高そう…。ただ、諦めるのはまだ早い。のんびり楽しめるサイクリングルートもフランスにはたくさんあるのだ。 例えば、毎年ツールも駆け抜けたローヌ川流域〜南仏は、サイクリストを魅了する特別な地。かのゴッホをも魅了した魅惑の地で、イージーサイクリングには最善の選択なのだ。 おすすめは公設サイクリングルート「ヴィアローナ(ViaRhona)」。「ヴィアローナ」とはアルプスから南仏へと流れる豊かなローヌ川に沿って敷設された、自転車先進国フランスが誇るサイクリングルート。「Via」はルートや道、「Rhona」はローヌ川を指す。総延長は815kmにも及び、しかし様式は日本人にも馴染み深い河川敷自転車専用道で、敷居・難易度とも低い。ビギナーサイクルツーリストにはうってつけの入門ルートと言えよう。北はスイス国境ジュネーブ近郊から、南は地中海沿岸部へと、南北に長いルートのうち、今回紹介するのは、リヨン南部の古都ヴィエンヌ(Vienne)から、南仏の宗教城塞都市アヴィニヨン(Avignon)に至る南下ルートだ。総距離350kmを3日間で走ってみた。 *ヴィアローナをライドする日本からのツアー情報を本ページ下部に掲載しておりま […]
9月28日午前5時45分。ここはホノルルのワイキキビーチ沿いにあるカピオラニ公園。開幕まで30分を切ったスタートゾーンでは、「一年ぶり!元気でした?」「今年も無理せずがんばろうね!」など、まるで旧友との再会を喜ぶような挨拶、「彼、今年やっと初参加なのよ」といった新しい出会いが誕生する会話で溢れていました。 まだ暗く、お互いの顔も会場に取り付けられたライトで見えているくらいの時刻。しかし、スタートゾーンの雰囲気は極めて明るい。これからそれぞれが「ホノルルをライド」という年に一度のご褒美を享受しに出かけることを、称え合うような、祝い合うような、そんな明るさです。 とくに、今年は天気にも恵まれました。日中の気温は約34度、湿度は52%。例年より少し暑く湿気が多いものの、イベント中はまったく雨が降りませんでした。雨であっても、ハワイを感じる喜びに変えられるホノルルセンチュリーライドですが、今年、晴れであったことには大きな意味がありました。 それは、新設されたハナウマ湾ルート。過去に一度だけ州警察から許可が降りたことがあったのですが、曲がりくねった下り坂のうえ、道幅が狭く、交通量が多いということもあり、その翌年から解放されることはありませんでした。 ところが、今年はイベントを主催するハワイバイシクリングリーグの懸命な働きかけがあって、車両を通行止めにしたうえで開放されました。そのルートの美しさといったら……。 とにかく、2025年のホノルル・センチュリーライドも、スタート前とスタート直後から「来てよかったー!」と叫びたくなるような(実際に言葉にならない感嘆の声をあげている人が続出)、最高 […]
楽園でペダルを漕ぐイベント、ホノルルセンチュリーライドの開催までもうすぐ。今回は、過去のホノルルセンチュリーライドに参加した編集部やライターさんの記事から、自転車で足を伸ばしたくなる地元のカフェやカルチャースポットをお届けします。ライドトリップのヒントにどうぞ。 Text_Global Ride Editoreal Team 🌈ダウンタウンエリア 🌺Foster Botanical Gardens ダウンタウン方面のハワイ出雲大社の近くにある植物園。ハワイの山まで巡る時間がない、でもハワイらしい植生を体験したいという方へ。https://www.honolulu.gov/dpr/honolulu-botanical-gardens/foster-botanical-garden/ ☕Ali’I Coffee Co. ダウンタウン、Foster Botanical Gardensから程遠くない場所にあるコーヒーショップ。タロ芋ラテも人気メニューのようです。https://www.aliicoffee.com/ 🏛️Honolulu Museum of Art ハワイを代表する美術館。建築や気候を生かした植栽の中庭の雰囲気が素晴らしく、入館するだけで満足すること間違いなし。アメリカを代表する女性画家、ジョージア・オキーフのハワイ滞在に描かれた作品も観られます。https://honolulumuseum.org/ 👕FISH CAKE もともとかまぼこの工場だったという、センス抜群のセレクトショップhttps://www.fishcake.us/?srsltid=AfmBOoq9k […]
「レイルトレイル(Rail Trail)」をご存知でしょうか?「レイルトレイル」とは鉄道の廃線跡を利用してサイクリングやウォーキング、ジョギング、乗馬などを楽しめように整備された道のこと。欧米を中心に世界で数千あると言われており、日本でも徳島県〜高知県にかかる「伊尾木森林鉄道」の遺構跡をはじめ、いくつか存在します。ただ、その数と長さは鉄道の力で国を開拓してきたといっても過言ではない欧米の比ではありません。 レイルトレイルの始まりは1960〜70年代のアメリカ。戦後、急速に広まった飛行機による鉄道輸送の衰退を受け多くの路線が廃止となり、これを地域資源として活用する運動が世界へ広がるきっかけを作りました。鉄道跡地のため、小さな坂や山岳地帯は別としてほとんど平坦であることが特徴です。大人のサイクリストのみならずお子様でも楽しめ、家族連れでの利用も多く見られます。 今回は、編集部が毎年5月にニューヨークで行われるサイクリングイベント「FIVE BORO BIKE NEW YORK」で出会った、アメリカ東部を代表する長距離レイルトレイル「グレート・アレゲーニー・パッセージ」のディレクター・Brelsford氏から届いた魅力的なトレイル情報をご紹介します。 Text_Global Ride Editoreal Team 目次 1. 「グレート・アレゲーニー・パッセージ(Great Allegheny Passage)」とは2. コース概要3. 歴史と成り立ち4. ロード風景5. 日本から挑戦するには 1. 「グレート・アレゲーニー・パッセージ(Great Allegheny Passage […]
ある歌舞伎役者をインタビューする機会があった。指定された茶室で正座をして窓から外を見ていると、着物姿の人が現れ空を仰ぎ見た。さながら映画のような風景だった。まもなくして茶室に役者が現れた。ふと、私を見て「正座、慣れてないでしょう。どうぞ、足をお崩しになって」と優しく言った。 人間国宝でもあるその役者は、歌舞伎に詳しくない私の質問のひとつひとつに時間をかけ、丁寧に答えてくれた。人間国宝とは、国の「重要無形文化財」に指定された伝統芸能や伝統工芸の分野で、「わざ(技能)」を最高度に体得・実践している個人を指す通称だ。歌舞伎の世界に血筋を持たず、外から歌舞伎の世界に入ったこの役者の苦労はいかほどのものだっただろう。取材は数時間だったけれど、その僅かな時間でも佇まいの美しさや言葉遣い、歌舞伎に対する情熱が伝わってきた。それと同時に、ここに至るまでの努力や時間を想像するだけで恐ろしくなった。この人の美しさは同時に恐ろしさも内包していると感じた。 『国宝』は吉田修一による同名小説の映画化。血筋が支配する歌舞伎の世界に飛び込んだ一人の青年の物語だ。舞台は1960年代の長崎から始まる。任侠の一門に生まれた喜久雄は美しい顔を持つ少年だった。しかし、抗争によって父を亡くし、15歳にして天涯孤独となってしまう。そんな彼の天性の才能を見抜いたのが、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎。半二郎は喜久雄を引き取り、喜久雄は歌舞伎の世界へ飛び込むことになる。 そこで出会ったのが、半二郎の息子・俊介。生まれながらに将来を約束された俊介と、任侠の血を引く喜久雄。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人だが […]
日本を代表する浮世絵師、葛飾北斎の「富嶽三十六景」(実際は四十六点)の景色をめぐって行く自転車旅の第二弾。前回は富士山のお膝元である静岡県富士市を回るサイクリングコースをご紹介しました。 今回の舞台は静岡から神奈川、東京を飛び越えて千葉県です。メインとなるスポットは「富嶽三十六景」の顔ともいえる作品「神奈川沖浪裏」。神奈川沖を写しつつ富士山を収めるには東京湾上か千葉県側から見るしかありません。 「神奈川沖浪裏」を筆頭に「上総ノ海路」「登戸浦」と千葉県を舞台としたスポットを巡るサイクリングを紹介します。 *TOPの作品は葛飾北斎作「登戸浦」*掲載されている葛飾北斎の作品画像はメトロポリタン美術館より入手しています Text&Photo_Hokokara 目次 1. 「上総ノ海路」(かずさのかいじ/かいろ/うなじ)2. 「神奈川沖浪裏」(かながわおきなみうら)3. 海の幸フライを堪能する4. ここは千葉フォルニア5. 「登戸浦」(のぼとうら) 1. 「上総ノ海路」(かずさのかいじ/かいろ/うなじ) 今回のスタート地点は千葉県、富津市内に位置する富津公園。JR内房線の青堀駅、もしくは大貫駅から自転車で30分ほどの距離です。公園内にある富津岬の先端を目指して漕いでいきます。 酷暑はなはだしい昨今は朝とは言えど日差しが厳しく感じられますが、富津公園内はクロマツ林の木陰のおかげで快適なライド。富津岬全体が公園として管理されており、整備された舗装路が気持ちよく自転車を走らせてくれます。 富津公園第3駐車場まで辿り着けば、ほぼ岬の先端へ。車で来られる方はここまで乗り入れるのが最もアクセ […]
北海道北部、日本海沿いを走る絶景ルート「オロロンライン」。小樽から稚内までをつなぐ長大な道で、核心部は天塩稚内間の道道106号でしょう。左手には海に浮かぶ利尻山、右手にはどこまでも続くサロベツ原野。大きく蛇行することも少なく、地平線を目指すように進む爽快な道が続きます。今回は、その核心部を自転車で走り抜けます。 Text&Photo_Hokokara 目次 1. JR旭川駅から向かう宗谷本線・幌延駅2. サイクリングロードの始まり、天塩町3. 北緯45度のモニュメント4. 雪国を知るパーキングシェルター5. 北国の岬町、ノシャップ岬6. オロロンラインの終着、稚内へ 1. 旭川駅からJR幌延駅へ 今回の舞台は北海道・道北エリア。スタート地点は日本のほぼ北端に位置する幌延町(ほろのべちょう)にあるJR幌延駅です。宗谷本線が通っており、旭川駅から電車一本でアクセスできます。時間こそかかりますが乗り換えの手間は少なく、東京や札幌からの行程も意外とシンプル。飛行機なら稚内空港を利用し、稚内駅経由で幌延へ向かうルートも選べます。 まずは幌延駅最寄りのセイコーマートほろのべ店にて朝食を。ここからオロロンラインに合流するために天塩まで20㎞ほど走りますが、道中にお店がないので食事はここで済ませておくが吉です。 天塩町までの20㎞はオロロンライン本番に備えたウォーミングアップ、くらいの気持ちでいたのですが既に北海道の雄大さを感じられる景色で気持ちも昂ってきます。 2. サイクリングロードの始まり、天塩町 幌延駅から5kmほど走り、天塩大橋を渡ると天塩町(てしおちょう)に入ります。町名は […]
ホノルルセンチュリーライド2025へ参加される方へ朗報です。 ハワイのシャトルバス運行会社「Roberts Hawaii」がホノルルセンチュリーライド2025参加者を対象に空港からワイキキ内ホテルへの送迎割引の応援キャンペーンを企画しました。お得な内容ですので、輪行をされる方もぜひチェックしてみてください。 キャンペーン概要 【対象期間】9/21(日)~10/5(日) *現時点で期間中は毎日開催【予約受付期間】受付中〜9/30(火)【対象者】ホノルルセンチュリーライド2025参加者【主催】Roberts Hawaii【キャンペーン内容】*一部抜粋、帰国時に利用可能な復路サービスもあり🌈乗り合いシャトルバス(ホノルル空港→ワイキキ地区のホテル)送迎料金$27.50→$25.00 *チップ込み自転車積み込み料$40/1台→無料*自転車1台のほか、スーツケース1個、手荷物1個も積載OK 🌺プライベート空港送迎/6名(ホノルル空港→ワイキキ地区のホテル)送迎料金$217.70→$210.00/1台 *チップは含まれておりません自転車積み込み料$40/1台→無料*自転車6台のほか、スーツケース6個、手荷物6個も積載OK 【申し込みサイト】https://jp.robertshawaii.com/article/honolulucenturyride2025?lng=ja-JP*日本語サイトです 【諸注意】・荷物積載のオプションメニューあり・ホテル以外のウィークリーマンションや私邸へは送迎されません・48〜72時間前にキャンセル料が発生します。タイミングはご自身でお確かめください ご自身の […]
自転車と共に音楽で世界を走ろうというイメージで、“都市と音楽”をテーマに「Music Cycles Around The World」と題してお届けしています新連載の第3回。今回は毎年9月の第4日曜に開催される「ホノルル・センチュリー・ライド」(日本からも多くのライダーが参加する、「ホノルル・マラソン」に次ぐハワイ第2のスポーツ・イヴェントです)にちなんで、僕が愛聴してきたハワイの音楽について綴っていこうと思います(といっても、いわゆるハワイアンではありません)。 すぐに思い浮かんだのは、30年前の夏に友人が確か500円という安価で中古の日本盤レコードを快く譲ってくれて、今も心から感謝しているMacky Feary Bandの1978年のファースト・アルバム『Macky Feary Band』。なぜならこの名作を聴いた感動によって、僕のハワイ産のメロウなアイランド・ミュージックへの好奇心は決定的に火がついたからです。当時を思いだしながら、その広がりを思いつくままに挙げていくなら、まずはMacky Fearyが在籍したKalapanaの最初の2枚。Kirk Thompsonが立ち上げたLemuriaと、やはり彼が制作しBilly Kauiに捧げられた「Words To A Song」やLemuriaとの競作「All I’ve Got To Give」が素晴らしいBabadu。特に思い入れ深いLuiやTender Leafの胸が疼くようなアコースティックなロコAOR。ハワイでコーヒーハウスをやっていたMFQのCyrus FaryarがプロデュースしたCountry Co […]