CYCLE MUSIC②
Cordelia 「Play Pretend」

先月から始まりましたこの連載コラム、初回は自己紹介も兼ねて、「自転車で世界はもっと楽しくなった」僕の青春の一曲、The Style Councilの「My Ever Changing Moods」について綴りましたが、第2回はこの夏デビュー曲がリリースされたばかりのブライテスト・ホープ、胸を疼かせる美しい歌声に惹かれるイギリスの若き女性シンガー・ソングライターCordeliaを紹介しましょう。

その「Play Pretend」という曲は、ボサノヴァ風味の涼しげなギターの爪弾きに好感を抱かずにいられない、ほんのり内省的なメロウネスも香る軽快なグルーヴィー・チューンで、聴いてすぐに気に入りましたが、続いてMVも観た僕は、これはナイス・タイミングと思わずにいられませんでした。

自転車をこぐ自身の動画のバックに、移りゆく世界各地の様々な光景を組み合わせたつくりが印象的で、青春らしい心象風景を歌い奏でる彼女のキャラクターを、とても魅力的に映しだしていたのです。

2006年にCorinne Bailey Raeが「Put Your Records On」のMVで自転車に乗って登場して、新しい風と甘酸っぱいときめきを感じさせてくれたように、2023年の夏をフレッシュに輝かせスウィートに彩ってくれたサマー・インディー・ポップでした。

Text_橋本徹(SUBURBIA)

Cordelia「Play Pretend」

https://www.youtube.com/watch?v=AYzn7dqh6Jw&list=WL&index=56



♬CYCLE MUSIC STORAGE♬
#01 The Style Council “My Ever Changing Moods”
#02 Cordelia “Play Pretend”
#03 Corinne Bailey Rae “Put Your Records On”
#04 Georgie Fame ”Happiness”
#05 Alulu Paranhos “Bicicletinha”
#06 Motoharu Sano “Angelina”
#07 B.J. Thomas “Raindrops Keep Fallin’ On My Head”
#08 The Smiths “This Charming Man”
#09 Dominic Miller “Bicycle”
#10 NewJeans “Bubble Gum”
#11 Tank and the Bangas “Smoke.Netflix.Chill.”
#12 Kraftwerk “Tour de France”
#13 Livingston Taylor “Don’t Let Me Lose This Dream”
#14 RM “Bicycle”
#15 Norah Jones “Christmas Calling (Jolly Jones)”


Profile

橋本徹/Toru Hashimoto(SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。サバービア・ファクトリー主宰。渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。『Free Soul』『Mellow Beats』『Cafe Apres-midi』『Jazz Supreme』『音楽のある風景』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは350枚を越え世界一。USENでは音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作、1990年代から日本の都市型音楽シーンに多大なる影響力を持つ。近年はメロウ・チルアウトをテーマにした『Good Mellows』シリーズが国内・海外で大好評を博している。

Art Work_spoken words project

CULTURE
河瀬大作の Riding Journey (25/2/7更新)

フリーTVプロデューサーでGlobal Rideコミュニケーションディレクターの河瀬大作が、さまざまな自転車好きを招いて、自転車で旅をする魅力をお伝えする番組です。今回のゲストはスタートアップファクトリー代表の鈴木おさむさん。一挙前後編を公開します。 SpotifyチャンネルはこちらApple Podcastチャンネルはこちら 第1回 前編『実は自転車エリート家系!?放送作家引退後にE-Bikeを楽しむ鈴木おさむさん』(2025.2.7) ゲスト:鈴木おさむさん(スタートアップファクトリー代表) ↓ このページでフルに聞く方はこちらから 第2回 後編『自転車であの頃を思い出す懐メロライド。鈴木おさむさんにとって自転車とは?』(2025.2.7) ゲスト:鈴木おさむさん(スタートアップファクトリー代表) ↓ このページでフルに聞く方はこちらから 【2月11日(火)16:00放送 「シン・ラジオ」も合わせてチェック!】 BAY-FMのラジオ番組「シン・ラジオ」(月〜金16:00-)で鈴木おさむさんは火曜日をご担当されています。そして、「Riding Journey」ナビゲーターの河瀬大作さんは、毎月その番組に出演中。次回の出演は2月11日(火)16:00-。そこでもお二人の自転車トークに花が咲くかもしれません。「Riding Journey」とともに、鈴木おさむさんの「シン・ラジオ」もぜひチェックしてみてください シン・ラジオ ゲスト:鈴木おさむ(スタートアップファクトリー代表) 1972年4月25日生まれ 千葉県千倉町(現 南房総市)出身19歳の時に放送作家になり、それから32年 […]

#Podcast
CULTURE
CYCLE MUSIC⑭
RM
「Bicycle」

毎回ちょっとした自転車にまつわる音楽紹介をお届けしている連載コラム「CYCLE MUSIC」。今回は僕より詳しい方もたくさんいらっしゃると思いますが、韓国の大人気グループBTSのリーダーであり、ヒップホップMC/シンガー・ソングライター/プロデューサーRMのソロ曲、その名も「Bicycle」について綴ってみようと思います。 というか正直なところ、僕はBTSのことをほとんど知らなくて、申し訳ないことこの上ないのですが、「2021 BTS FESTA」の一環として発表された作品だというこの曲には、とても感銘を受けました。Free Soulファンにも薦めたいような、ゆったりとしたグルーヴを紡ぐギター・カッティングに導かれる、少し寂しげな感傷的なメロディー。「悲しいときは自転車に乗ろう」というサビのリフレインが胸に沁みる、大スターでありながら私小説的な魅力にあふれた、自転車ソング屈指の名曲ですね。 自転車に乗るといつもときめき、最も自由を感じられる時間だと語るRMは、ずっと自転車にまつわる曲を作りたいと思っていたそうですが、実際にこの「Bicycle」は、夢中で自転車に乗ってあちこちを動きまわりながら、メロディーと歌詞を完成させたといいます。とりわけ、週末に自転車に乗りながら鼻歌をくちずさみ作ったというリリックは、歌もラップも心打たれずにはいられません。シンプルな自転車のドローイングをあしらったジャケットも、味があって素敵だと思います。皆さんも、悲しいときは、自転車に乗りましょう。僕はもう、そうしています。 RM 「Bicycle」https://www.youtube.com/wat […]

#Bicycle #RM
CULTURE
CYCLE MUSIC⑤
Alulu Paranhos 「Bicicletinha」

僕が青春時代に夢中になったネオ・アコースティックと言われる音楽(1980年代のイギリスでポスト・パンク〜ニュー・ウェイヴを礎に新たに生まれた、ジャズやソウルやボサノヴァやラテンの影響を受けた繊細な感性のアコースティック・ポップス)には、自転車をモティーフにしたレコード・ジャケットが多いという印象がありますが、実は自転車にまつわる曲が多いような気がしているのがブラジル音楽。今月はそんな中から、ネオ・アコースティック好きにも薦めたいようなAlulu Paranhosの「Bicicletinha」を紹介しましょう。

#Music