大好きなこの曲の歌詞の意味合いから察するに、最初のフレーズはBob Marleyの「Three Little Birds」のメッセージへの共鳴も示しているのでしょうか。“Put your records on, tell me your favourite song”と繰り返されるサビの一節は、「好きなレコードをかけて」という意味だと解釈して、DJをするときなどに自分のテーマ・ソングのように頭の中でくちずさんでいます。女性(Corinne Bailey Rae自身)に向けて歌われているけれど、「リラックスして、好きなように、心のままに、夢をもって生きればいい」と、自分を励ましてくれる歌として聴いているんですね。
そんな「Put Your Records On」は、2006年に発表された彼女のセカンド・シングルで全英チャート2位を記録。続いてリリースされたファースト・アルバム『Corinne Bailey Rae』は、見事に全英No.1に輝きました。
個人的なエピソードを書き添えるなら、その後2009年に、僕がコンピ・シリーズ『Mellow Beats』のスペシャル企画として、Nujabesのトラック・メイキングでSadeの名曲「Kiss Of Life」のカヴァーをプロデュースしたとき、最初にフィーチャリング・ヴォーカルとしてオファーしたのがCorinne Bailey Raeでした。ファンの方ならご存知の通り、その頃の彼女はプライヴェイトでの不幸が重なってしまい、結局実現することはできなかったのですが、ご丁寧なお返事をいただいたことを、大切な思い出として記憶しています。彼女に代わってオランダからGiovancaとBenny Singsが参加してくれた完成ヴァージョン、Nujabes feat. Giovanca & Benny Singsの「Kiss Of Life」も、メロウ&ジャジーな素晴らしいSadeカヴァーに仕上がりましたので、よかったらお聴きになってみてください。