それはアメリカで現代最高のライヴ・バンドと絶賛され、ジャズ〜ファンク〜ヒップホップ〜ロック〜ゴスペルのグルーヴも併せもつソウルフルなサウンドで、現行ニューオーリンズ・シーンの存在感あふれる象徴のように輝くグループ、Tank and the Bangas。その中心は紅一点の女性シンガー/ポエトリー・リーダーTarriona “Tank” Ballで、彼女はMoonchild始め数多くのアーティストへの客演でも大活躍していますね。そんなTank and the Bangasが2019年にRobert Glasperらをプロデューサーに迎えリリースしたメジャー・デビュー・アルバム『Green Balloon』は、とても雰囲気のいいモノクロームの写真にグリーンのバルーンをあしらったジャケットも素敵な愛聴盤で、収録曲「Smoke.Netflix.Chill.」はとびきりのマイ・フェイヴァリット・チューンなのです。
曲名からも伝わると思いますが、歌詞も今の時代に相応しい最高にチャーミングな一曲で、僕は件のDJパーティーで、タイトル・フレーズを連呼するサビのパートで思わず仲間たちと合唱してしまいました。Tank and the Bangasの作品はヴァラエティーに富んでいて、楽しくて明るくて風通しがよくて、ファンタジックなヴォーカル・アルバムとしても魅力的なんですよね。
ちなみに2022年にリリースされた彼らのセカンド・アルバムは『Red Balloon』というタイトルで、その中の「Cafe Du Monde」という曲も、僕はDJでヘヴィー・プレイしていました。やはり僕が愛してやまない、シカゴのThe Social ExperimentのPeter Cottontaleが手がけた洒落たナンバーで、Cafe Du Mondeはベニエと呼ばれるドーナツとチコリ入りのカフェオレが名物の、ニューオーリンズの観光名所として知られるオープンテラスのコーヒー・スタンドですね。